世界の死因の半数は予防や治療が可能な疾患

 開発途上国では、三大感染症と呼ばれるエイズ、結核、マラリアで、年間335万人以上の人々が亡くなっています。また、30万人近い女性が、妊娠や出産が原因で死亡し、690万人近い子どもが5歳未満で命を落としているという現実があります。母子保健対策や感染症対策など、国際的な取り組みにより改善されている部分がある一方、紛争で難民となった人たちが厳しい生活環境に置かれたり、治安悪化により病人や妊産婦が医療サービスを受けられなくなったりするといった状況も増えています。また、日本をはじめとする先進国においても、都心部と過疎地区では医療サービスへのアクセスに大きな差があるなど、健康格差の問題は国や地域を問わず存在しています。


“ 危険ドラッグ”など新種のドラッグは世界共通の課題

 NPSとは、英語のnew psychoactive substancesの略で、日本語では、新精神作用物質と訳される、有害な化学物質です。大麻やヘロインなどは国連条約で規制対象に定められていますが、NPSはまだ国際的な規制がなく、各国で独自に規制しています。国連薬物犯罪事務所に加盟国から報告されるNPSの数は、年々増え続けています。日本で、現在「危険ドラッグ」と呼ばれているドラッグにも、このNPSを使用したものなどがあります。国連薬物犯罪事務所によると、NPSは都市部の若者の間で世界的に広がり、中毒死や危険運転事故などが深刻な社会問題となっています。規制がない開発途上国などで大量に製造され、世界各国に流通するため、国際的な対策が必要です。


求められる安全な水


 病原菌などで汚染されていない安全な水が十分に手に入る国は、世界でもほんの少数です。世界で約8億人が安全な飲み水を利用できず、約25億人がトイレなどの衛生的な設備を使うことができない状況にあります。開発途上国における病気の原因の80%は、汚染水によるものだとも言われており、特に小さな子どもが下痢などによって命を落としています。病原菌に汚染された水を飲むほか、水が不足しているため、手洗いなどの衛生活動が行えないことも原因の一つです。開発途上国での、農業開発や工業開発により、農業用水や工業用水の需要が高まり、水資源をめぐる問題は、今後ますます深刻化していくことが予想されます。


胎児~乳幼児期の栄養状態に注目


 DOHaDとは、Developmental Origins of Health and Diseaseのことで、「胎児期から幼児期の栄養状態が成長後の健康状態に影響を及ぼす」という考え方。胎児期に低栄養状態であった子どもは、成長後に肥満、高血圧などの生活習慣病にかかるリスクが高くなる傾向にあり、妊娠中の過度の体重制限が問題視されています。DOHaDの考え方に関連して、開発途上国では、乳幼児の栄養状態が注目されています。胎児期から幼児期の栄養不足が、子どもの身体や脳の発達などを妨げ、その後の健康にも悪影響を及ぼすため、妊娠から子どもが2歳になるまでの人生最初の1000日の栄養状態の改善を重点的に行おうという取り組みです。

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