蛭田 栄治先生
四谷大塚豊洲校舎長。小4から小6の算数を担当。面談やテスト解説を通して、学力アップをサポート。

子どもの理解度に目を向ける
正解・不正解がはっきりわかる教科・算数。多くの子どもはテストの点数などに気を取られがちですが、蛭田栄治先生が注目するのは問題への理解度。
「たとえば、1冊の本の値段を求める問題を出したとします。ある子どもは3冊分の値段までわかっていたのに、最後の割り算を忘れて不正解に。これだけのミスでも、子どもは"正解できなかった……"と落ち込んでしまいます。そこを見逃さず、"これは9割方解けているから、次は正解できるよ"などと声をかけています」
子どもが問題内容をほとんど理解できていない場合でも、蛭田先生の姿勢は変わりません。
「子どもが問題をまったく理解できていないケースは滅多にありません。理解できている点を認め、まとめ方や考え方のヒントを与えながら、正解へ導きます」
しかし、子どもの理解度を親が正確に判断するのは難しいところ。
「ほめる内容に迷ったら、子どもが取り組んでいるテキストや問題集に目を通してみてください。そして、"こんなに難しい問題を毎日やっているんだ!" "よく解けるね、お母さんには難しいかも"など、素直な感想を伝えてみましょう。このとき大事なのは、あくまでも本当の気持ちを伝えることです」
蛭田先生も過去の経験から、「本気」でほめる大切さを実感しています。
「昔、ある生徒が見たこともないような解き方で正解を導き出しました。私はびっくりして、"よく解けたね! みんなにも教えてくれないか"と言いました。それが余程うれしかったのか、その子は算数の学力を飛躍的にアップさせ、見事志望校に合格しました」

特別感を与えるのは親だからできる役割
蛭田先生は普段の授業でも、ほかの子の前でほめたり、解き方を解説させたりしています。
「ただ、学年が上がるにつれて、少しずつ変えている部分はあります。女の子の場合、周りの視線を気にする子が増えてくるので、授業が終わった後に"さっきの解き方は見事だったね"など、さりげなく声をかけるようにしています。すると、特別感を覚えて、一段と勉強に集中するようになります」
親には、この「特別感」を上手く生かしてほしいとアドバイスします。
「塾の先生は、子ども全員を平等に指導する立場なので、特定の子どもばかりをほめることはできません。一方、親は我が子のサポートに全力を注げます。日頃の努力に目を向け、"こんなに家庭学習をがんばっている子は、ほかにいないんじゃない?"など、子どもに特別感を与えるようなほめ方を意識してほしいと思います」






弦間 史朗先生
四谷大塚新百合ヶ丘校舎長。国語の指導を担当。発表の場を多く与えて、国語の楽しさを教えている。

自ら学ぶ姿勢を見逃さずほめる!
国語の授業を担当する弦間史朗先生は「事実を伝えることが褒めることにつながる」と語ります。
「たとえば、一人ひとりに漢字テストを返却した際、返却されるとすぐに漢字のテキストを開いて、正しい字を確認・復習し 始める子どもがいます。それに気づいたら、"○○さん、言われる前に自ら取り組むなんて、格好いいなあ?"と言います。すると、それを聞いたまわりの子どもたちも負けじと取り組むようになります。ほかにも、私が黒板に書かずに解説で言ったポイントをすぐさまノートに記したり、自分なりの言葉で意見を述べようとする姿勢に気づいたら、その場ですぐにほめています」
テストの点数がよかった子どもには、こんな声かけも。「"しっかり準備してきたからだね" "家でどれだけ練習しているの?" などと問いかけています。子どもは、どうしても『頭のいい子はがんばらなくても勉強ができる』と考えがちなので、努力の 大切さに気づいてもらう上で、とても効果があります」
そして、授業の終わりには、その日のMVPを子どもたちの前で発表しています。
「問題の出来やテストの点数ではなく、授業を聞く姿勢や自分の意見を述べる積極性などを評価して決めています。MVPと言っても、ひとりとは限りません。以前に比べて授業中の集中力が増した子どもや、初めて宿題を提出した子どもがいた場合は 何人でも選びます」

時間を意識するのは学力アップの兆し
では、親はどのようなほめ方を心掛ければよいのでしょうか。
「ひとつの方法としては、子どもが音読に取り組む様子に目を向けてみましょう。最初はつっかえながら読んでいる子でも、 練習を重ねると読み方が少しずつスムーズになります。そこで、"練習を続けたから、上手くなったね" "すごく聞きやすかった"などとほめてみる。その次は、"どういう内容だったか、教えてくれる?"と質問してみてください。このときも、まずは自分の言葉で話そうとする姿勢を認めることが肝心です」
最初は話の些末なことばかり話すようなことがあっても、親が質問を繰り返すことで、少しずつ簡潔に説明できるようになり ます。
「そのレベルまで到達したら、"今、話してくれた内容は、文章のどの辺りに書かれているの?"と尋ねてみましょう。その質 問に"○段落目の○行目の辺り"と答えられたら、少し大袈裟なくらいほめていいと思います。国語は、文章から答えのヒントを探す教科ですので、学力が伸びている何よりの証拠です」
また、子どもの答案を見るときは、意外なところがほめるポイントになるそうです。「子どもが最後の問題まで手をつけてい たら、途中に空欄があっても、積極的にほめてください。国語のテストでは、解くべき問題を見極め、時間内に正確に解くといった解答用紙のコーディネート力が求められます。最後の問題にチャレンジした子どもは、そのことに気づき始めているわけです。仮にテストの点数が振るわなくても、その姿勢を認めることで、学力アップに一歩前進することでしょう」






土屋 謡子先生
四谷大塚渋谷校舎・低学年担当講師。算数と国語を担当。楽しい中にも規律ある授業を行う。

目一杯のほめ言葉で自主性を伸ばす
小1~小3の子どもに算数と国語を教えている土屋謡子先生。毎日の指導を通じて、ほめることの効果を実感していると語ります。
「以前、私が教えていたある生徒は、7ページ分の宿題を出しても、ほとんどやってきませんでした。そこで、"何ページだったら、できるかな?"と質問して、その子自身に"3ページならがんばれる"と答えてもらいました。そして約束を守ったら、"すごい!先生もうれしい。抱きしめてあげようか?"など、おおげさなくらいほめました。すると、その子は私が言う前に自分から5ページ、7ページと宿題をこなすようになり、少しずつ自ら学習する習慣が身につきました」
普段の授業でも、子どもの自発的な行動を見逃さないように心掛けています。
「内気な子が手を挙げて意見を言ったときなどは、問題の正解・不正解に関わらず、ほめるようにしています。"私は○○さんと同じ意見です"としか言わない子がいた場合は、"じゃあ、それを自分の口から話してみようか"と促します。このような小さな成長体験を積み重ねることで、自主的な学習姿勢が少しずつ身につきます」
さらに土屋先生は、講師やほかの子の話を聞いている子どもの様子にも目を向けています。
「"○○さんの話を聞くときの姿勢はすごくきれい!""みんな、見てごらん。○○くんはしっかり相づちを打ちながら、話を聞いてるよ"など、姿勢や態度を評価するようにしています」
すると、ほめられた子どもだけでなく、周りの子どもにも好影響を与えるそうです。
「親子で会話するときも、子どもが意見を言ったときはもちろん、親の話をしっかり聞いている場合もほめてみてはどうでしょうか?」

過去との比較で成長を実感させる
親の中には「ウチの子はほめるところがなくて……」と、悩む人も少なくありません。しかし土屋先生は、「子どもをじっくり観察すれば、ほめるところはきっと見つかるはず」とアドバイスします。
「勉強の取り組み方は、子どもによってさまざまです。その前提に立って、勉強の取り組み方に目を向けてみましょう。もし問題の答えが間違っていても、"先生から教わったように暗算で解こうとしたんだ""この図のまとめ方はきれいだね"などと声をかけることで、次へのモチベーションが生まれます」
さらに、「過去と比べてほめるのも効果的」と続けます。
「"半年前よりも計算が早くなったね" "こんなにきれいな字を書くようになったんだ!"など、昔と比べて成長した部分に目を向けさせてください。子どもはどうしても『今』の自分しか見えていません。親が低学年の頃のテストやプリントを保管しておき、今の答案と見比べさせる方法なども、大きな効果があることでしょう」
土屋先生は授業中はもちろん、親が子どもを迎えに来たときなどに、成長したところを伝えています。
「親の前でほめると、子どもはいつも以上にうれしそうです。塾で聞いた話をパートナーに伝え、両親それぞれからほめ言葉をかけると、子どもの心により強く響くことでしょう」




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