競争、自信、短期目標の3つがやる気の素

小学3年生までは、とりあえず親の言うことを素直に聞いて勉強する子がほとんどですが、アンケートに答えている小学4・5年生になると、自立心が芽生えて、今までのように親の言うことを聞かなくなってきます。

実はこの時期はとても大切で、ここで子どもが勉強への意欲を持てるかどうかで、その後自主的に勉強する習慣がつくかどうかが決まります。やる気を引き出すことは、合格への必須条件と考えてよいでしょう。

子どものやる気について考える上で、まずお母さん方に知っておいてほしいことがあります。それは“この時期の子どもは、自ら勉強のやる気は持てない”ということです。たとえ子どもが望んで中学受験を始めたとしても、最初のうちは、将来を考えてのことではなく、お父さん、お母さんを喜ばせたい、友だちと一緒に塾に行きたい、といったような目先の理由からが大きいと考えましょう。

なぜなら、子どもは、長いスパンで何かを考えることができないから。将来を考えて中学受験をしようというのは大人の論理。いくらそう言っても子どもの心には響きません。子どもにとっては、それよりも、大好きなお父さん・お母さんを喜ばせることの方が切実な問題なのです。

子どもの多くは、受験を目指すと決めたときに、“親のために受験してあげる”という気持ちがどこかにあると言えるでしょう。しかしその意識が変わらないと、自主的に勉強する習慣がつかずに、受験に失敗してしまうことも。また、勉強しろ、と親に言われると“これは親の世間体、見栄で言っているんだ”と感じてしまう子もいるようです。こんな風に感じているなら、やる気の起きようがありません。

では、どうすれば子どものやる気を上手に引き出してあげられるのでしょうか。

勉強に対し、自らやる気になって取り組ませるためには、3つのことを考えてください。

1つ目は、競争心です。塾でライバルを見つけるなどすれば、一気にやる気が出てきます。負けず嫌いな子であれば、ライバルが1人できるとそれだけで勉強への取り組みは見違えるように変わるはずです。

2つ目は、自信です。やる気がなくなるのは、自信がなくなることの裏返しと言えます。常に自信を持って勉強にのぞめていれば、やる気のある状態を持続して自発的に勉強できます。

3つ目は、短期目標を持つことです。前述の通り、子どもは長期的な目標を立てられません。やる気を引き出すためには、親が短期的な目標を作ってあげましょう。たとえば、来週までにこれとこれをやろう、次の小テストでは何点を目指そうなど、目の前に目標を立ててあげることが大切です。そういったことの繰り返しができる子の場合は、自ら目標を立てることが習慣となり、これがそのまま自主的に勉強する習慣へとつながります。

ただ「勉強しろ」では子どもが迷うだけ

反対に、やる気がなくなっている状態、というのは、この3つのうちいずれか、またはすべてがなくなっていると言えるでしょう。

競争心がなくなれば、勉強している理由を見失ってしまいます。自信がなくなれば、どうせできないんだから、と意欲がわきません。そして、短期目標がなければ、何をどう勉強していいかわからなくなり、子どもは混乱します。なのに、お母さんから「勉強しなさい!」「どうしてこんな問題も解けないの?」と叱られれば、さらにやる気はなくなります。

こう考えると、子どものやる気をなくしてしまう行動も見えてきます。たとえテストで悪い点をとってきても、塾のクラスが下がったとしても、競争心を萎えさせ、自信を失わせる言動は意識的に避けなければいけません。

また、子どもは「勉強しろ」と言わなければなかなかしませんから、言うこと自体は正しいのですが、ここでた だ抽象的に「勉強しろ」と言うだけではダメです。子どもは、何をどうしていいかわからず、迷うだけ。もっと具体的に、「このページを30分で解きなさい」などと言ってあげてください。

その子の個性に合わせて、ときに競争心を煽り、ときに自信をつけさせながら、具体的な短期目標を与えてやり、それをクリアし続けていく。これが、わが子のやる気を引き出す方法と言えるでしょう。

子どもの心をしっかり把握することが大切

小学校高学年になってくると、次第に子どもは自立し始めます。それまでは、母親がいないと何もできないような頼りない子だったはずが、いつの間にか友だちといる時間の方が増え、親への甘えも減ってくる・・・このような自立の時期だからこそ、やる気を上手に引き出し、自ら勉強をするようにしてあげることが重要となってきます。

目がきらきらと輝き、ひとつのことに集中して、積極的に学ぼうとしている・・・やる気になっている子どもを見ることは、親としてうれしいものです。勉強に対してやる気を出し、意欲的に取り組んでもらえるように、親が導いてあげるには、いくつか考えるべきことがあります。

まず前提としては、子どもによってやる気の表現方法がさまざまであると子どもの心をしっかり把握することが大切知っておくことです。

静かに闘志を燃やす子、明らかに気持ちが高ぶっているのがわかる子、一見ぼーっとしているように見えて、実はとても集中している子・・・それを、親が観察して見極めるところからスタートです。なぜなら、せっかくやる気になっていたのに、親がそれに気づかず、「もっとやる気を出しなさい!」と言ってしまうと、子どものテンションは一気に落ちてしまうから。

ちなみに、このような“空気が読めない”発言は、やる気が落ちる典型的な言葉です。

これらはつまり、子どもがどのような状態なのかをわかっていないことが原因。声がけをするときは、子どもの様子をちゃんと把握し、自主性を尊重した上で、行いましょう。

また、やる気を引き出すための親の心構えについてですが、何よりもまず、お母さん自身が、気持ちに余裕を持つということが大切です。

成績や点数が気になるのは仕方ありませんが、誰より本人が成績に一喜一憂しています。私には、過去に中学受験を経験した娘がいますが、当時テストの点数について、何点であろうとも、一度も文句を言ったことはありません。テストに挑むことを、子どもにとって楽しいことにしておきたかったからです。もちろん、悪い点数のテストを持って帰って来たこともありました。しかしそのときも、笑って励まし、叱ったりすることはありませんでした。それは、子どもを信頼していたし、子どもにいらぬプレッシャーを与えたくなかったからでもあります。

成績や点数が気になるのは仕方ありませんが、誰より本人が成績に一喜一憂しています。私には、過去に中学受験を経験した娘がいますが、当時テストの点数について、何点であろうとも、一度も文句を言ったことはありません。テストに挑むことを、子どもにとって楽しいことにしておきたかったからです。もちろん、悪い点数のテストを持って帰って来たこともありました。しかしそのときも、笑って励まし、叱ったりすることはありませんでした。それは、子どもを信頼していたし、子どもにいらぬプレッシャーを与えたくなかったからでもあります。

成績が下がったとき、親が露骨にがっかりすれば、子どもは「親を悲しませた」とさらに落ち込むでしょう。しかし、そのテストは、受験本番ではありません。浮き沈みがあるのは当たり前ですから、どんなときも親は大きく構えて、目先の成績に振り回されないようにしましょう。

アンケートでも、やる気を失う理由として「がんばったのに、なんで叱られなければいけないのか」という子どもの切実な声が見受けられました。

結果より過程が大切です。テストまでの過程で努力したら、何点だろうが惜しみなく認めてあげればよいのです。具体的な勉強法や、弱点の克服などは、塾の先生と相談すべきで、子どもを問い詰めて、無意味にやる気を削ぐ必要はまったくありません。 

気持ちに余裕を持つのは、何より子どものため。自らの不安や焦りから、親が子どもにあたってしまうことを防ぐためです。

中学受験は人生のすべてではなく、ほんの一部。志望校合格がゴールではなく、重要なのは、その先の人生をどう歩んでいくか。それを常に頭に置いておくだけでも、子どものやる気を削ぐような言動は減るでしょう。

言葉を惜しまず励ますことで子どもが奮起

やる気を引き出す具体的な方法としておすすめなのは、親子で勉強のスケジュールを立てることです。

これはわが家でも実践して、それなりに効果がありました。私は仕事をしていましたが、短期的な勉強のスケジュールを立てることと、それを終えたときの丸つけは、必ずやっていました。何もつきっきりで教える必要はありません。お母さんと一緒に勉強している、見守ってもらっている、という意識だけで、子どもはやる気になるのです。

また、普段の家庭学習は、とにかく短時間で集中して行うのがよいでしょう。いくらやる気のある子どもでも、やはりまだ幼いので、3時間以上続けて勉強をするなどは、やる気も集中力も落ちます。家庭学習は、1日2時間くらい、集中して行わせるようにしたいところです。

もうひとつ、やる気を保つためにわが家で実践していたことがあります。それは、“ノー勉強デー”を作ったこと。

毎週日曜日は、勉強は禁止。息抜きや、家族との遊びの時間としました。学校の宿題や塾の勉強など、やらなければいけないことがあったとしても、それは土曜日までに必ず終わらせるようにしていました。子どもも、「日曜日は勉強ができないのだから、平日と土曜日は集中して勉強に取り組もう」と思っていたようです。この“ノー勉強デー”は受験直前まで続けました。その成果なのか、子どもは受験期間を通して、張りつめた様子もなく、いつも伸び伸びしていました。

最後に、私が子どもに、いつも言い聞かせていた言葉をご紹介します。それは、「これだけできているから、あなたは大丈夫」という励ましの言葉です。この言葉を常にかけ続けることで、子どもが自信をなくさないようにしていました。

自信とやる気は表裏一体。自信がつけばさらにやる気も生まれ、反対に自信がなくなればやる気もなくなってしまいます。アンケートで「勉強へのやる気が上がる言葉をかけてくれる人は?」という問いかけに対して、約40%もの子どもが「お母さん」と答えています。いつも一緒にいると、本当に自分の言葉が届いているか不安になることもあるでしょう。しかし、お母さんの気持ちは、ちゃんと子どもに届いているのです。言葉を惜しまずに、精一杯励ましてあげてください。

●やる気アップのポイント

身の回りからライバルを見つけてあげる

競争心を持たせてあげるために、身の回りの友だちから、ライバルを見つけてあげるとよいでしょう。戦いというイメージではなく「あの子と同じクラスにいたいなら、あなたも同じくらいがんばらなきゃね」と意識させてあげます。

子どもの潜在能力を疑わない

たとえ子どもの成績が落ちても「今回は努力が足りなかっただけであり、やれば必ずできる」と親が思っていないことには先に進めません。親の信頼こそが子どものやる気につながりますから、潜在能力を信じましょう。

最初は親が勉強の目標を設定する

塾の勉強に関してでも、家庭学習でもかまわないので、短期目標を掲げることです。初めは一緒にスケジュールを立てましょう。自分からやる気になって勉強する習慣がつくまでは、親が導いてあげるとよいでしょう。

親が心に余裕をもって接する

自分の子どもを信じ、何事も前向きに考えることが大切です。親の心に余裕があることを感じれば、子どもの気持ちも安定します。落ち着いて勉強に取り組める状態になることで、やる気も持ちやすくなるでしょう。

暗示をかけ自信をつけさせる

「あなたは大丈夫」「やればきっとできるようになるから」というポジティブな言葉を常にかけるようにして、「自分は大丈夫なんだ」という暗示をかけてあげます。自分に自信がつけば、勉強により積極的になるでしょう。

短い時間で集中して勉強を

子どものやる気は、長時間は続きません。やる気があるときは集中力も高いため、短時間で効率的に勉強ができます。1~2時間で勉強を終わらせ、休むべきときは休ませてあげましょう。適度な休息こそが、次のやる気を作ります。

●やる気ダウンのポイント

他人のことは気にしないでと言いすぎる

そもそも小学4・5年生の子どもは、勉強に対するやる気は基本的にないものと考えてください。あまりマイペースにさせすぎてしまうと、意欲的に勉強することはできません。適度にライバルを意識させてあげてください。

子どもの能力を決めつけてしまう

「私が算数が苦手だったから、子どももできないんだ」というような思い込みは、子どもから自信を奪う最大の要因のひとつです。親が「できない」と決めつけていることを、子どもは敏感に察し、やる気を失ってしまいます。

根拠なく「勉強しろ」と言う

もともとやる気のないところからスタートしている子どもは、言われなければ何をやっていいかわからないもの。ただ勉強しろと言われても戸惑うだけです。具体的に何をすべきかを提示してあげなければいけません。

高すぎる目標を掲げる

あまりに道のりが遠いようだと、子どものやる気は下がってしまいます。志望校選びなどにも言えますが、成績を客観的にとらえて、その子の身の丈に合った学習をしなければ、子どもがやる気になることはありません。

結果にこだわりすぐ叱る

成績に浮き沈みがあるのは当たり前。よいときがあれば、悪いときもあります。努力の過程ではなく、ただ結果だけを重視して叱れば、子どもは、いくらがんばっても怒られる、という無力感にとらわれ、勉強が嫌いになってしまいます。

子どもの気持ちを見誤る

子どもが今、何をしようとしているのか、どんな気持ちなのか。それをわかっていないと、たとえそのつもりはなくとも、やる気を削ぐような言葉をかけてしまいがちです。叱るときも、タイミングをよく考えたいところです。

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