夏休みの必須課題をやっていなかった!

 滝口美佳さんの長男、啓介くんは、6年生の夏休み前の模試では第一志望校の合格率が80%と、十分な合格圏内にいました。それまでは、家庭学習のスケジュールや内容はすべて滝口さんがチェックしていて、成績が伸びたという実感もあったと言います。
 「だから安心して、そろそろ『自主性を尊重しよう』と考え、夏休みからは声かけだけにして、細かい指示はしないことにしたんです」
 でも夏休み中は、いまひとつ必死に勉強している様子が見えなかったそうです。
 「私が『本当にやってるの?』と聞くと、『やったよ』と自信満々で答えるので信じていたんです」
 ところが、9月に受けた組分けテストで成績が急落。一気に2段階もクラスが落ちてしまったのです。あわてて塾の先生に三者面談をお願いした滝口さん。そこで衝撃の事実が発覚しました。
 「宿題など最低限のこと以外はまったく勉強していなかったんです。夏休みが終わるまでに2回は解いておくべきだと言われていた『四科のまとめ』を、息子はまったく手をつけていませんでした。受験生なら必須の課題だし、当然やっているとばかり思っていたのに。驚きのあまり呆然となりました」
 ただ、成績が落ちた原因が「やるべきことをやっていなかったから」と明確だったので、「それならテストの問題も解けるはずがない。今からできることをやるしかない」と、良い意味で開き直ったと言います。先生と相談して、まず「『四科のまとめ』を1回は終わらせること」と、苦手な国語については「毎週1冊、先生にすすめられた本を読むこと」を最低限の目標にし、入試までのスケジュールを立て直しました。
 秋からは過去問対策も始まってやるべきことが山積みになり、「なんでこんなにやらなきゃいけないの……」と泣き言を言うこともあった啓介くんですが、次第にペースをつかみ、黙々とスケジュールをこなすようになりました。

マイペースな息子にやきもき

 もともと、啓介くんが「自分の実力を試してみたい」と言ったのが中学受験の動機。しかし「どうしてもあの学校に行きたい!」という強いモチベーションはなく、「もし受からなかったら、それが自分の実力だ。しょうがない」という考えだったそうです。
 「だから、成績がガクンと落ちても、あまり応えていないというか……。先生に『本当に早稲田実業に行きたいの?』と聞かれても、『行きたいか、行きたくないかって言われたら、うーん、行きたいかな……』と、なんとも煮え切らない態度。ここまで一生懸命やってきて、正直『それでいいの?』と歯がゆかったですね」
 早稲田実業の合格率は9月の模試では20%に急降下。滝口さんは「間に合うのか」という不安で頭がいっぱいだったと言います。
 もっと必死になってほしいという思いから、ときには「こんな中途半端なら、受験する意味ないよ!」「受験やめたら?」など強い言葉で叱咤することもありました。啓介くんの字が汚いのを見て、「こんな汚い字なら、正解でも点数がもらえないんだよ!」と言って、啓介くんの書いた字をすべて消しゴムで消してしまったことも。「丸つけは私がやっていたんですけど、そのうち本人も開き直ったのか、解いたものを消しゴムと一緒に持ってきて『字が汚かったら消していいから』と言って渡すんです。それで『じゃあ、消させていただきます』って、本当に全部消したこともありました(笑)」
 叱られてもあまり落ち込む様子もなく、ひたすらマイペースだった啓介くん。しかし、朝は6時に起きて漢字練習や一行問題をする習慣もつき、毎日やるべきことをこなしていくうちに、成績が上昇。12月には合格率70%にまで回復しました。着実に力をつけていき、見事に第一志望の早稲田実業への合格を果たしました。
 「夏休みに自主性に任せようなんて思わなければ良かった」と振り返る滝口さんですが、同時に「やっていないことがわかったのが9月で良かった」とも言います。「塾の先生にすぐ相談したのも大きかったです。先生のアドバイスに従って、最低限やるべきことだけに集中できました。やっていないことが明確だったので、ほかの子の成績とは比べても仕方ないし、気になりませんでした。悩む暇もないくらい毎日必死でしたね」

サイトマップ
人気記事ランキング
01 特集
そのひと言が子どもを変える! 学力を伸ばすほめ方・励まし方
02 スペシャルウィーク
9歳までに身につけたい国語力
03 子育てに効く脳科学のお話
頭をよくする方法はある?

サイト内検索
 

RSS登録
これまでの特集記事



気になる記事ピックアップ
これまでに公開された記事の中から気になる記事をランダムでピックアップし、表示しています。