自分の「軸」を持つ人が世界で輝ける

グローバル人財を求める企業が増加

グローバル人財に特化した人財紹介会社を経営する高藤氏。これまで数多くの日本人を、世界展開する一流企業へと送り出してきました。
 また、自身もタイで働いた経験を持つグローバル人財であり、世界を舞台に働くというのはどういうことなのか、体感してきました。
 「世界で勝負しようという日本企業はますます増えてきていますね。ベトナムやタイ、インドネシアなどアジアへの進出に加えて、最近では特に、中南米やアフリカなど、今後、発展が期待される開発途上国に注目する企業も数多くあります」
 高藤氏はパートナーの仕事の関係で8年間タイに住み、日系の人財紹介会社のタイ法人に勤務しました。「タイで働いたことがキャリアアップのきっかけになり、人生が変わった」と話す高藤氏。海外にはたくさんのチャンスがあると感じています。< br/>  「タイが親日国であることに加え、当時は"日本人"というのがいわばブランドとなって信頼され、大きな仕事を任せてもらいやすかったと思います。当時のタイは経済成長の真っ只中でしたから、人も物も不足していて、さまざまな需要がありました。一つのプロジェクトの成功だけでも会社が飛躍的に成長していき、非常にやり甲斐を感じましたね。そういう部分は、成長著しい国で働く大きな魅力だと思います」 また、多様な価値観がぶつかり合う場で働くことは、その人の成長につながると言います。
 「旅行や留学でも異文化に触れることはできますが、仕事では、異なる考えを持つ人が集まって、同じゴールを目指すため、よりディープに相手の価値観と向き合う必要があります。そうした経験の中で、考え方に幅が出て、視野や人生の選択肢も広がり、人として大きく成長できるのです」
 一方で、海外で働くからこその難しさもあります。国や地域によって文化や風習が違うため、その場に応じた柔軟性が求められます。
 「たとえばタイでは、上司と部下の上下関係は絶対的で、部下はたとえ上司の言っていることが理解できなくても、聞き返すことは失礼にあたります。だから指示されたことがわからなくても『わかりました』と答えてしまい、その結果、仕事が進まないことも。タイで働いていたとき、私は、タイ人の部下のこうした感覚を一度受け入れた上で、『私はあなたに質問を受けても失礼とは感じないから、仕事をスムーズに進めるためにも、どうかわからなかったら質問をしてほしい』と粘り強く伝えるようにしました」

"日本人"であることは大きな武器になり得る

 高藤氏が考えるグローバル人財の定義は、"海外とやり取りをするビジネスにおいて成果を出せる人"。そのために必要なものは三つあると言います。
 一つ目は、自分の考えを、相手に伝わるように表現する力です。
 「高い語学力があればもちろん有利ですが、相手にしっかりと伝える力が伴っていなければ意味がありません。私は、海外で輝かしい成果を出す人をたくさん見てきましたが、彼らに共通しているのは、自分の考えを積極的に伝える努力を惜しまないということです。日本人同士なら、あえて言葉にしなくても、お互いに相手の意図を察する文化がありますが、その分、"なんとなく"でも通じてしまい、伝えるためのスキルを磨きにくい環境とも言えます。しかし海外、特に欧米社会では、あくまでも言葉でコミュニケーションを図ろうとしますから、具体的かつ客観的な説明能力が重視されます」
 二つ目は、"相手の価値観を尊重する寛容な心?"です。
 「相手の価値観を受け入れることが第一歩です。『こちらの価値観を受け入れてくれた』と感じると、相手もまたこちらのことを受け入れる姿勢になるはずです。たとえ日本人の常識とはかけ離れた行動をすることがあっても、なるべく目くじらを立てず、相手を理解しようとすることが重要です」
 そして最後が、"人間性"。ユーモアがあり、人徳のある人は、海外でも成功しやすいと言います。
 「魅力的な人は、世界のどこに行っても、多くの人から協力を得られます。また、多様な価値観を受け入れる柔軟性がありながらも自分の軸をしっかりと持つ人は、周りから信頼されます」
 では、そのようなグローバル人財になるためには、何から始めればいいのでしょうか。
 「先ほどあげた三つのスキルを磨くことに加えて、日本人としての武器を身につけることです。特に、日本人の強みだと思うのは"確実性"。性能が高くて安全なものをつくることや、時間に正確であることなど、日本では当たり前のことが、世界では非常に評価され、信頼を集めています。また、他人 を思いやる、個人主義に走らず〝和?を大切にする、といった日本人的な性質は、ビジネスで成果を出すために重要な要素として、最近、欧米社会でも注目されています。日本で暮らす中でこうした日本人としての強みをしっかりと身につけ、自分のアイデンティティーを確立することで、多様な価値観の中でも軸がぶれることなく、自分なりの判断ができるようになります」
 また、子どものうちから、さまざまな文化、さまざまな人と触れ合うことも重要だと言います。
 「常識というのは時や場所によって変わることを伝えてあげてください。私にも子どもがいますが、さまざまな文化を見せたいし、異なる国の人、異なる年代の人に積極的に会わせたいですね。旅行でも、快適に過ごせる場所ばかりではなく、あえて不便な場所にも連れて行きたいと思っています。また、精神的なたくましさも育みたいところ。何でもやってあげるのではなく、自分で考えさせ、自分でやらせることが大切なのではないでしょうか」


サイトマップ
人気記事ランキング
01 特集
そのひと言が子どもを変える! 学力を伸ばすほめ方・励まし方
02 スペシャルウィーク
9歳までに身につけたい国語力
03 子育てに効く脳科学のお話
頭をよくする方法はある?

サイト内検索
 

RSS登録
これまでの特集記事



気になる記事ピックアップ
これまでに公開された記事の中から気になる記事をランダムでピックアップし、表示しています。