本番での得点力をアップさせるためには、入試で頻出の問題にチャレンジして、理解不足の分野をひとつでも減らすことが、カギを握ります。各教科の重要ポイントを押さえて、直前期の学習に取り組みましょう。


基本知識の見直しが学力アップへの近道

理科では、生物、地学、化学、物理など、幅広い内容を学習します。そのため、多くの子どもは、直前期を迎えても、十分に理解しきれていない単元を持っています。しかし、直前期の学習で、今までよりも学習時間や練習量を増やすことにより、十分に得点アップは見込めます。

理科の学習で、心がけさせたいのは、各分野の基本知識をしっかり押さえることです。理科の学習を疎かにしていた子どもは、「重要ポイント1」で問われている、「電流は、プラスからマイナスに流れる」といった基本知識が、抜け落ちているケースがあります。そのような基本知識が身についていない状態で、難しい問題にチャレンジさせても、なかなか正解できません。

基本知識の復習をさせるときは、多くの教材に手を出さず、ひとつのテキストを完璧に理解させる方法が、効果的です。もし、子どもに「お気に入り」のテキストがあれば、その教材を何度も活用しましょう。

子どもによっては、小4や小5で学習した内容を、忘れていることも珍しくありません。塾の先生と相談しながら、必要に応じて、小4や小5で使っていた教材も活用してください。

また、塾の小テストや模試の結果を見直して、間違えた問題を解き直すことも欠かせません。すべての教科の学習に共通することですが、入試前に見つけた間違いは「宝物」です。子どもが簡単な間違いをしていても、「入試前に見つかって、よかったね」と、励ましましょう。

電気や磁石の単元を復習しよう

問:次の文章を読んで、空欄1~3に入る語句を答えなさい。また、空欄4に書かれている2つの選択肢のうち、回転の向きとして正しいものを選びなさい。

正解 1.電機子 2.整流子 3.N 4.ア

解けなかった場合は…
電流や磁石の基本を見直そう
物理の分野が弱い子どもの場合、「電気は+→-に流れる」といった知識も理解しきれていないことがあります。2極モーターの回転を示した図などを見ながら、理解を深めましょう。

ひとひねりした問題にチャレンジ

問:水素を燃やすと水が、炭素を燃やすと二酸化炭素が、メタンガスを燃やすと二酸化炭素と水ができます。また、塩酸に亜鉛などを入れると水素が、過酸化水素水に二酸化マンガンを入れると酸素が発生します。これらは化学変化のほんの一例で、そのほか身のまわりには、たくさんの化学変化があります。これらのいろいろな化学変化はどういう仕組みで起こっているのでしょうか。この疑問を解くため、昔から多くの科学者によって研究が行われてきました。そして、現在では物質は原子と呼ばれる小さな粒からできていて、すべての物質は原子がいくつか集まってできているということと、化学変化はその原子の組み合わせが変わることだということがわかっています。そして、そのときは組み合わせが変わるだけなので、化学変化の前後での原子の総数は変わりませんし、それぞれの原子の重さが化学変化により変わることはありません。
たとえば、水素ガスの粒(水素分子という)1個は水素原子2個から、酸素ガスの粒(酸素分子)1個は酸素原子2個から、水の粒(水分子)1個は水素原子2個と酸素原子1個からできているので、水素を燃やして水ができる化学変化を説明すると、右の図のようになり、水素分子2個と酸素分子1個とから水分子が2個できることがわかります。

正解 水素ガス:8g 水:72g

解説 上の図より、酸素ガス32g(16×2)に水素ガスが4g(1×2×2)結びついて、水が36g((16+1×2)×2)できることがわかります。したがって、酸素ガス64gに結びつく水素ガスは8g(4×64/32)で、できる水の重さは72g(36×64/32)です。

1 下の図から考えて、64gの酸素ガスとちょうど反応する水素ガスは何gですか。また、できる水の重さは何gですか。ただし、水素原子1個の重さを1g、酸素原子の1個の重さを16gとします。(もちろん原子1個はとても小さいものなので、原子1個の本当の重さはもっとずっと軽いのですが、扱いやすいように指定された数値を使ってください。)

解けなかった場合は…
H2OとCO2をしっかり理解
化学の分野では、水と二酸化炭素に関する問題が、毎年多くの中学校で出題されます。どのような化学反応によって発生するのか、復習しておきましょう。

解けた場合は…
還元の知識も押さえる
さらなる得点アップを狙うためには、物質から酸素が奪われる「還元」の知識も押さえましょう。「酸素には結びつきやすい物質がある」などの内容を把握すれば、得点アップにつながります。

植物の基本問題が落とし穴

問:下の図は、小学校の教科書に出てきた植物の花、葉、種子をスケッチしたものです(大きさは正確ではありません)。下のスケッチの中からヘチマ、ダイズ、ヒマワリについてのものをそれぞれ選び、記号で答えなさい。花についての答えは1つとは限りません。

正解

ヘチマはウリ科なので、アがヘチマの雌花で、キが雄花。本葉はイで、種子はエが正解。ダイズはマメ科の植物で、3種類5枚の花びらがあるエが花です。そして、本葉はアで、種子はキです。ヒマワリはキク科の植物なので、花の内側は種子ができる筒状花が集まっていて、まわりを花びらが目立つ舌状花が取り囲んでいます。ヒマワリの本葉はオで、種子はイが正解です。

解けなかった場合は…
基本知識を再度チェック!
植物の学習はおもに、小4・小5で学習するため、基本知識を忘れている恐れがあります。ヘチマ、ダイズ、ヒマワリなどは、入試で頻出なので、雌花や雄花の違いに注意しながら、理解しておくこと。

解けた場合は…
植物の知識を総復習しよう
植物の分類をまとめた表を活用したり、植物の写真を見たりしながら、知識のヌケ・モレがないか、確認しましょう。単子葉類と双子葉類の違いなどがわかれば、得点アップが期待できます。

月の現象は入試で頻出

問:下の文章は、月によって起こる現象をまとめたものです。図1、図2を参考にして、 1~10の語句を答えなさい。また、空欄2と空欄4では、正しい選択肢を選びなさい。

正解 1.B 2.イ 3.D 4.ア 5.近 6.遠 7.B 8.D 9.A 10.C

解けた場合は…
月食への理解を深める
最近の入試では月食に関する問題が目立ちます。「皆既月食のとき、月はどんな色をしているか」「月食は地球上のどの地域で観測できるのか」などの問題も解けるようにしておくのがベストです。

直前期は暗記事項の最終チェック

中学受験の学習は、小6の夏休みが終わる頃まで、算数や国語にかけるウエイトが大きいのが一般的です。そのため、大半の子どもは、社会の学習に、それほど多くの時間は割けていません。

直前期を迎えても、「まだ、日本の山脈や山地を覚えきれていない!」「三権分立の仕組みがわからない・・・」のように、不安を抱く子どもが多くいます。その不安をやる気に変えることが、得点アップの鍵を握ります。

不安の原因をクリアにするためにも、まず取りかかるのは、暗記事項の最終チェックです。地理であれば、農産物の生産順位や貿易相手国、日本の山地・山脈・平野・盆地などを覚えているか、チェックさせましょう。歴史については、各時代で起きた事件や、歴史的人物の名称をしっかり書けるか、確認させること。政治国際では、憲法の基本的な条文や国会の役割、裁判の仕組みなどが、重要なポイントです。

そして、基本知識が固まってきたら、その知識を生かして、因果関係を理解させましょう。特に、歴史の問題では、事件や戦争が起きた後に、社会がどう変わったのかを問う問題が、多く出題されます。「重要ポイント2」で紹介しているような問題にチャレンジして、因果関係を整理させましょう。秋から冬にかけては、過去問にも取り組むため、その学習を通して、理解を深めるのもよいでしょう。

ただ、過去問に取り組むときは、注意すべき点があります。それは、難しすぎる問題にとらわれないことです。

過去問の中には、大半の子どもが解けないような難易度の高い問題が混ざっているケースがあります。しかし、ひとつの難問を気にしすぎると、学習がスムーズに進みません。直前期の学習では、難問に挑戦させるよりも、3ページ目で紹介しているような、ベーシックな問題を確実に正解することを目指しましょう。

人口問題に注目しよう

問:下の図Aは、日本の人口問題について、地域によるかたよりをまとめたものです。これを見て、次の問いに答えなさい。

正解(1)過疎(2) イ (3) エ

解けた場合は…
日本の面積と人口密度も復習
入試では、日本の面積や人口密度に関する知識が問われるケースもあるので、人口とセットで理解させましょう。また、政令指定都市の人口や面積が出されることも多いので、復習を忘れずに。

ひとひねりした問題にチャレンジ

問:A ~ F にあてはまる戦争の名をそれぞれ答えなさい。また、A ~ F の戦争について述べた文として正しいものを下の選択肢ア~ケの中から選び、記号で答えなさい。

ア この戦争で、日本は戦争にかかった費用を上回る賠償金を手に入れて、八幡製鉄所をつくるなど、重工業をさかんにするきっかけを得ました。

イ この戦争の結果、国際的な地位を高めた日本は、条約改正交渉に一部成功して、日本で罪を犯した外国人を日本の法律で裁くことができるようになりましたが、輸入品にかける税を日本だけで決めることはできませんでした。

ウ この戦争では、鹿児島の士族たちが政府の政策に反対して、熊本県や宮崎県をも戦場として戦うことになりました。

エ この戦争が始まると、アメリカが兵器など大量の物資を注文したので、日本の産業が活気づき、特需景気とよばれる好景気になりました。

オ この戦争で日本軍が中国や東南アジアに勢力を広げたので、国民生活は豊かになり、「ぜいたくは敵だ」という標語も生まれました。

カ この戦争の後、連合国軍が日本を占領して、民主主義の改革をすすめた結果、新しい憲法が公布され、国民主権などが定められました。

キ この戦争の後、納めた税金の額に関係なく、だれもが選挙権をもつべきだという思想や運動が強まり、やがて満25 歳以上のすべての男子が選挙権をもつようになりました。

ク この戦争の後、版籍奉還や廃藩置県が行われ、日本では近代的な政治制度が整えられていきました。

ケ この戦争の後、日本は韓国の人々の抵抗をおさえ、韓国に対する支配を強めて、日本の植民地としました。



正解
A:西南戦争 ウ B:日清戦争 ア C:日露戦争 ケ D:第一次世界大戦 キ  E:太平洋戦争 カ F:朝鮮戦争 エ

解けなかった場合は…
戦争後の影響に注目
右の表に載っている年号は、必ず覚えておくべき基本知識です。また、戦争に関する内容を学習するときは、「この戦争は、どうして起きたのか」「戦争の後、日本や世界はどう変わったのか」という視点を持たせましょう。

解けた場合は…
農業史も得点源にしよう
歴史が得意な子どもでも、農業史の学習が疎かになっている場合があります。各時代に起きた農民の一揆や、農業に利用された肥料の変化を理解することで、解ける問題がさらに増えるはずです。

三権分立の仕組みを押さえよう

問:下の図を見て、後の問いに答えなさい。

(1) 下線1について、次の問いに答えなさい。
a)内閣を構成する国務大臣は、どのようにして決まりますか。次から選んで、記号で答えなさい。
ア 国会が指名し、天皇が任命します
イ 内閣総理大臣が任命します
ウ 国民の選挙によって選ばれます
エ 天皇が指名し、国会が任命します
b)ア~コ以外に「省」という名がついた機関が2つあります。その省の名をすべて答えなさい。

(2)A ~ Fのように、国会・内閣・裁判所はおたがいに力をおさえあい、つり合いを保っています。このようなしくみの名を漢字で答えなさい。また、A・Fにあてはまるものをそれぞれ、次から選んで記号で答えなさい。
ア 内閣不信任の決議
イ 最高裁判所長官の指名
ウ 国民審査
エ 弾劾裁判

正解
(1)a) イ b) 環境省、防衛省 (2) 三権分立、A:ア F:エ

解けなかった場合は…
矢印の部分に注目しよう
三権分立の理解を深めるためには、国会、内閣、裁判所の関係をまとめた左のような図を活用するのが基本です。特に、矢印部分に注目して、お互いにどのように働きかけるのか、理解させましょう。

解けた場合は…
国会の種類を押さえる
政治に関する問題では、国会の種類も頻出です。通常国会、臨時国会、特別国会の3種類があることを理解し、それぞれの違いも説明できるようになれば、得点アップにつながります。

自然エネルギーの特徴を整理しよう

問:東日本大震災により、福島第一原子力発電所が大きな被害を受けました。そして、原子力発電の危険性が指摘され、自然エネルギーへの注目が高まっています。下にある、日本の発電についてまとめた表を見て、後の問いに答えなさい。

(1) Aにあてはまる言葉を答えなさい。

(2) Bにあてはまる文として、正しいものを次から選んで、記号で答えなさい。
ア 一部の地域にエネルギーの輸入を頼らなくてはならない
イ 発電所を海ぞいにしかつくれない
ウ 大規模な発電ができない
エ 近い将来なくなってしまうエネルギーである

正解 (1) 放射性物質(2) ウ

解けた場合は…
エネルギー供給の変化に目を向ける
日本の発電のエネルギー源は、1950年頃まで水力発電が8割以上を占めましたが、1970年頃からは火力発電が6~7割を占めています。エネルギーの供給割合を示した帯グラフなどを活用しながら、理解を深めましょう。

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