旅に出たくなる本
第8回
楽しい旅を想像して日常から抜け出そう!

今回は「旅」をテーマにセレクトした作品を紹介します。旅の大きな目的は、日常生活からの脱出でしょう。毎日の生活から離れ、いつもと違う土地、景色、食べ物を味わい感じることが旅の楽しみです。そして、そんな旅を、本を読みながら「想像する」ことも、また同じくらい楽しいことです。行きたい土地に思いを馳せたり、なぜ旅をしたいのかを考えてみたり……。読書自体も非日常への小さな旅と言えます。 今回紹介する1冊『クローディアの秘密』の旅はなんと「家出」。不満な毎日から脱出したいという動機と、旅を終える条件──旅に出る前とは違う自分になっていること──。そんな深いテーマに考えさせられることでしょう。

『旅の絵本 Ⅶ』
安野光雄【作・絵】09年刊/福音館書店/1,470円

文字のない絵本で中国の雄大な景色を味わう

字のない絵本ですが、「絵を読む」といっていいほど細かく描き込まれた作品。 近代的な街ではなく、素朴で雄大な中国の河沿いの街が舞台。河を上流までさかのぼって行く形で描かれています。 風景や建物に見応えがあり、そこで暮らす人々の息吹まで感じられるようです。 画中の人々が何をしているのか、想いをめぐらせてみてはいかがですか? 本の最後に添えられた各場面の詳しい解説を読みながら、絵本を見返してみるのも楽しいでしょう。1~6巻までの「欧米の旅」もぜひどうぞ。

『ねぎぼうずのあさたろう その1 とうげのまちぶせ
飯野和好【作・絵】99年刊/福音館書店/1,260円

ねぎぼうずが旅に出た! 粋で元気な時代劇

旅は道連れ、世は情け──登場人物がみんな「野菜」の時代劇です。わけあってふるさとを後にして旅に出る、ねぎぼうずの「あさたろう」。まわしがっぱに三度笠のスタイルが何とも粋です。自分の足で街道を歩く。そんな旅がとても贅沢に感じられます。

『ジス・イズ・パリ』
ミロスラフ・サセック【著】松浦弥太郎【訳】04年刊/ブルースインターアクションズ/1,680円

とびきりおしゃれな気分でパリを楽しめる

「世界一おしゃれなパリ案内」と副題がついた、実に美しい絵本。セーヌ川、ノートルダム寺院、ポン・ヌフ、ルーヴル美術館……。 レトロなイラストを眺めているだけでも、旅の気分を楽しめるでしょう。世界中の都市がシリーズ化されています。

『クローディアの秘密』
E.L.カニグズバーグ【作】松永ふみ子【訳】75年刊/岩波書店/714円

旅を通して成長する思春期の子どもの繊細な心

12歳の少女クローディアは、周囲の不公平な扱いと繰り返しの日常に嫌気がさし、弟を誘って出かけますが、 それは気楽な旅ではなく「家出」でした。行き先は、なんとニューヨークのメトロポリタン美術館。周到に計画を練り、仲間を選び、美術館の中での生活を始めます。 2人はミケランジェロの作品とされる「天使の像」に興味を持ち、謎解きを始めます。そしてクローディアがこの旅で得たものは、胸に秘めておく「秘密」──。 思春期の入口にいる子どもの心情を描き出した、上質な物語です。

『ピッピ南の島へ』
アストリッド・リンドグレーン【著】桜井誠【絵】大塚勇三【訳】00年刊/岩波書店/714円

今度は南の島へ! 「長くつ下のピッピ」が活躍

「長くつ下のピッピ」シリーズの第3作。代わり映えのしない毎日を退屈に感じていた友達のトミーとアンニカを連れ、 ピッピはお父さんが王様を務める南の島へ出かけます。自由な生活を楽しんでいる、世界一強い女の子・ピッピが島でも大活躍します!

『くまのパディントン』
マイケル・ボンド【作】ペギー・フォートナム【絵】松岡享子【訳】67年刊/福音館書店/1,365円

礼儀正しい子ぐまが主役 世界中で愛される傑作童話

くまのパディントンは、行ったことのない土地へ行って、知らない人々に会うことが大好き。 人間の言葉をしゃべり、礼儀正しく正義感に満ちていますが、ときにやっかいなことをしてしまい……。古いスーツケースがお似合いの、旅するくまのお話です。

『おはなし音楽会5 新装版 ルイ・アームストロング ナレーション入りCD付き
外山喜雄【監修】07年刊/博雅堂出版/3,150円

名演奏と共に振り返るジャズ界の大御所の人生

アメリカ・ニューオリンズの黒人スラム街に生まれ、ジャズ界を代表する大音楽家となったルイ・アームストロングの生い立ちと人生についてわかりやすく書かれた1冊です。ジャズは南北戦争後に奴隷から解放された黒人たちが生み出した、新しいジャンルの音楽。日本の子どもたちの生活とはほど遠い気がするルイの生い立ちですが、そこから感 じ取れるものは少なくないはずです。「この素晴らしき世界」をはじめ、ジャズの名曲を収録した付録CDを聴きながら楽しんでください。

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