<?php echo SYSTEMNAME; ?>

何かが欠けたり、何かを忘れたり、なくしてしまったり……。それは宿題かもしれないし、大事な人、もしくは大切な思いかもしれません。人はどのようなシチュエーションで、心が薄暗くなるような喪失感を覚えるのでしょうか。今回は漠然とした喪失感に焦点を当てた本を紹介したいと思います。

 

まず低学年向けには、『りんごの花がさいていた』。いつもお母さんが座っていた椅子を形見として譲り受けたサブロ。それがもとで、いろいろとつらい目にもあいますが、今はもういないお母さんの思い出がつまった品を大切にすることで、サブロの心は満たされていきます。また、上手な嘘をつけば宿題を忘れても叱られないという、逆転の発想がおもしろい『先生、しゅくだいわすれました』は、子どもたちが共感できる楽しい一冊だと思います。『消えた犬と野原の魔法』では、行方不明になった飼い犬のベスを心配し、悲しい気持ちに包まれた少年ティルは、一生懸命、推理を働かせて探します。それに不思議な魔法の力も加わり、推理小説仕立てで楽しめるお話です。また、今は亡きお父さんと死んでしまったカタツムリ、二つの死を兄弟で乗り越える『ゆうたの小さなカタツムリ』(国土社)も、おすすめの一冊です。

 

続いて高学年向けには、『真夜中の電話』に収録された〈屋根裏の音〉を。戦場から逃げてきた脱走兵のお父さんを許せないマギー。戦争によって少女の心は何か大切なものをなくしてしまったようです。『ゆめみの駅遺失物係』は、心に浮かんだお話をなくしてしまった主人公が、駅の遺失物係と一緒に、そのお話を探していくという、一風変わった物語。遺失物係とのやりとりの中で、だんだんお話が見つかっていく過程がワクワクさせてくれます。何かを奪われてオリに入れられた動物たち、そうした背景を知らずに動物を見て幸せな気持ちになる人間たち――。『しあわせな動物園』ではこの二つを対比させることで、忘却や無知ということ に関して考えさせられるお話です。

 

喪失感とは、あまり心地よい感情ではありません。だからこそ、そこに真剣に向き合ったとき、何かが生まれてきます。塾では新学期を迎えた時期ですね。一つ大人になった子どもたちに、そういったほろ苦い感情を感じ取る感性を磨いてほしいと思っています。

『りんごの花がさいていた』

森山京【著】、篠崎三朗【絵】
14年刊/講談社/1,100円+税
Amazonで購入

不器用な息子を幸せに導く
亡き母の思い出の品

母さんの形見にサブロが選んだのは、古い木の椅子。母さんはいつもその椅子に座って、家に帰ったサブロを優しく迎えてくれました。つらいことがあっても、母さんの思い出が詰まった椅子を大事にすることで、サブロは温かな家庭を築いていきます。

『先生、しゅくだいわすれました』

山本悦子【著】、佐藤真紀子【絵】
14年刊/童心社/ 1,100円+税
Amazonで購入

宿題を忘れても、上手に嘘をつけたら叱られない!? 逆転の発想で子どもたちを楽しませてくれます。

『消えた犬と野原の 魔法』

フィリパ・ピアス【著】、ヘレン・クレイグ【絵】、さくまゆみこ【訳】

14年刊/徳間書店/ 1,800円+税
Amazonで購入

消えた犬を探すため、ティルは不思議なおじいさんの魔法の力を借りながら、さまざまに推理を進めます。

『ウェストール短編集  真夜中の電話』

ロバート・ウェストール【著】、宮崎駿【絵】、原田勝【訳】

14年刊/徳間書店/ 1,600円+税
Amazonで購入

戦争は少女の心から
何を奪い去ったのか?

おすすめの一編は〈屋根裏の音〉。お父さんを戦地に送り出した少女マギー。ある日、屋根裏から音が聞こえ、そこには戦場から逃げ出してきたお父さんが。父親が脱走兵であることを許せないマギーの心から、失われたものとは……。

『ゆめみの駅遺失物係』

安東みきえ【著】
14年刊/ポプラ社/ 1,400円+税
Amazonで購入

ゆめみの駅遺失物係には、なくしてしまったお話が届けられます。遺失物係と一緒に主人公が探したお話とは。

『しあわせな動物園』

井上夕香【著】、葉祥明【絵】
14年刊/国土社/ 1,300円+税
Amazonで購入

飼育員のカトちゃんに徹底的に反抗するゾウのマシューア。そこには、とても悲しい理由がありました。

『光と音のない世界で
盲ろうの東大教授 福島智物語』

池田まき子【著】
14年刊/岩崎書店/ 1,400円+税
Amazonで購入

苦難の連続の人生から
生まれた真の聡明さ

両目を失明し、聴力も失いながら、東京大学先端科学技術センター教授として活躍する福島さん。その生い立ちから現在までを追ったノンフィクション。

今月の新刊案内
仕事について考えてみる秋
「子どもには世界を視野に入れて夢を追ってほしい」と考えているお父さんお母さんに、ぜひ読んでいただきた...>>続きを読む
今月の新刊案内
深まる秋を彩る秀逸な物語たち
児童文学のノーベル賞とも言われる国際アンデルセン賞作家賞を受賞した上橋菜穂子さん。大人も夢中にさせる...>>続きを読む
サイトマップ
人気記事ランキング
01 特集
そのひと言が子どもを変える! 学力を伸ばすほめ方・励まし方
02 スペシャルウィーク
9歳までに身につけたい国語力
03 子育てに効く脳科学のお話
頭をよくする方法はある?

サイト内検索
 

RSS登録
これまでの特集記事



気になる記事ピックアップ
これまでに公開された記事の中から気になる記事をランダムでピックアップし、表示しています。