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右: 『美術、応答せよ! 小学生から大人まで、芸術と美の問答集』森村泰昌【著】/ 14年7月刊/筑摩書房/ 1,800円+税Amazonで購入
左: 『ぼくと数字のふしぎな世界』ダニエル・タメット【著】、古屋美登里【訳】/ 14年7月刊/講談社/ 2,000円+税Amazonで購入

子どもは不思議を見つける天才。良くも悪くも生きることに慣れてしまった大人の意表をつく角度から物事を捉えています。今月は子どものように新鮮な視点で、日常を驚きに満ちた冒険に変えてくれる本をご紹介しましょう。

まずはダニエル・タメット氏の『ぼくと数字のふしぎ世界』。著者は自閉症スペクトラムで相手の気持ちを汲み取ることは苦手ですが、ずば抜けた記憶力と共感覚を持っています。1から4までを意味する言葉がたくさんあるアイスランドのこと、円周率の暗誦でヨーロッパ記録を樹立したときの体験、母の年齢と不可解な微笑みについて綴った文章など25編を収録した「人生の中にある数学」にまつわるエッセイ集です。「数学」に抵抗をおぼえる人は、最初の「家族の価値」を試しに読んでみてください。愛と知性とユーモアにあふれた語り口、豊かな想像力にきっと魅了されるから。

「家族の価値」は、タメット氏が10代のときに、どこに行っても兄弟姉妹の人数を訊かれていたという話。彼には5人の妹と3人の弟がいるのだそうです。大家族を珍しがり蔑みもしている町の人たちに、タメット少年は苛立ちますが、9人の兄弟姉妹が十進法を表していることに気づきます。そして自分たちを9つの要素からなる集合と考えることで、周囲が押しつけてくる偏見から自由になるのです。アルゼンチンの作家ボルヘスがつくった架空の百科事典を引き合いに出すところも楽しい。〈文学作品と同じように、数学的 な発想は思いやりの輪を広げてくれ、一元的で偏狭な見方を強いる世界からぼくたちを解き放ってくれる〉という一文に深く首肯してしまいました。

森村泰昌氏の『美術、応答せよ!』は、芸術の秋に必読の一冊。今年の横浜トリエンナーレのディレクターも務める芸術家が、美術について寄せられた質問疑問に答えます。小学生から東大教授まで、質問者は33人。授業で裸体を描くのが気まずいとか、芸術の都と呼ばれるのはヨーロッパばかりでずるいとか、女子高生の質問が特に刺激的でした。それに対する森村氏の答えは、非常におもしろい美術史の講義になっています。ぬるい質問を送ってきた有名ギャラリストに、鋭く切り込んでいく回もスリリング。美術をつくるときも鑑賞するときも、自分なりの問いを立てることが大事なのです。




『ニコニコ時給800円』
海猫沢めろん【著】/
14年7月刊/集英社/ 520円+税
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個人経営の漫画喫茶、流行のアパレルショップ、裏社会とつながるパチンコ屋など、さまざまな職場を舞台に時給800円で働く人々を描いた連作短編集。過酷な環境でもがんばってしまう人たちの姿に胸を打たれる。





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