クイズ感覚で親も中学入試問題に挑戦!
「わかるオモシロさ」「解ける喜び」を再発見してください。 

次の文章を読んで後の問いに答えなさい。

問 上の図は、和歌山県の地図です。円で囲まれた部分に飛び地があります。なぜこの地域は和歌山県に所属しているのでしょうか。この地域で昔から行われてきた産業や地形を考え、その理由を答えなさい。

制限時間 5分 難易度★★★★
吉祥女子中学校(第1回)[平成19年度 一部改]

   紀伊山地で盛んな産業は何でしょう?その産業を川とがどう関わるのかを考えてみてください。

上流と下流の結びつきを意識して産業を支える川への理解を深めよう。

先生

このあたりは紀伊山地がありますよね。ここで盛んな産業と言えば、何でしょう?

カチ恵 

紀伊山地と聞けば、やはり林業ですわね。

先生

はい、そうですね。

カチ恵 

そして、地図にわざわざ川の名前が書かれているのですから、川と関わりがあるのでしょうか。

先生

その通りです。林業と川を結び付けて考えましょう。

カチ恵 

では、こんな答えでよろしいかしら?「この地域では昔から林業が盛んで、上流で切った木を川に浮かべて運び、下流で利用していたため」。

先生

川の上流と下流の結びつきが指摘できているので、ほぼ正解です。

カチ恵 

どこで減点されますの?

先生

材木を河口に運ぶために、行われていたことを盛り込んでもらいたいですね。林業と言えば、「いかだ流し」がキーワードになります。

カチ恵 

なるほど。木をいかだに組んで運ぶんですね。

先生

いかだ流しは廃止されて、日本国内ではもう行われていません。なぜだかわかりますか?

カチ恵 

トラックなどで運ぶようになったからでしょうか?

先生

林業自体が衰退してしまったこともありますが、第一に各地にダムができて、川がせき止められてしまったからです。

カチ恵 

なるほど、確かにそうですわ。

先生

いかだ流しにはいろいろなメリットがあるんです。たとえば、船を使ってものを運んだら、川を下って目的地に着いた後は、その船を馬などに引かせて上流まで戻していました。しかし、いかだ流しなら、そのまま木材として利用されるので、その必要がありません。

カチ恵 

とても効率的な運搬法ですわね。

先生

その上、水に浸かっているので、乾燥して木材が反ってしまうのも防げるんです。

カチ恵 

木材には理想的な方法だったというわけですね。それにしても、こんなに離れた場所が同じ県として認められるというのは不思議な感じもしますわ。

先生

川の上流と下流は深く結びついているんですよ。子どもたちにそのことを知ってもらいたくて、白神山地の話をよくします。世界自然遺産に登録される前、白神山地に林道が建設される計画があったのですが、それにいち早く反対したのは漁師でした。森林の栄養分は川に流れ込み、海で魚のエサとなるプランクトンを育てます。林道ができれば、それは海の生態系にも影響を及ぼすのです。森と海は離れているようで、川を通じて結ばれている。漁師さんたちはそのことをよくわかっていたんですね。

カチ恵 

知りませんでしたわ。本当に、その通りですわよね。

先生

環境の面だけではありません。盛岡の南部鉄器をご存知ですよね。あれは北上川の上流から流れてくる砂鉄を原料にしてつくられたものです。その鉄器が北上川を利用して運ばれ、河口の石巻に集められ、江戸や大坂まで広まっていきました。川からの恵みによって、さまざまな産業が発展しているんですよ。

カチ恵 

そういうつながりは、普段はほとんど意識していませんでした。

先生

特に都会に住んでいると、川を身近に感じる機会も減ってきています。でも、都民の利用する水道水の約8割は群馬県などを流れる利根川が水源になっていたり、私たちの生活から切り離せないものなんですけどね。

カチ恵 

今回も、とても勉強になりましたわ。

地図で示されている地域には紀伊山地があります。ここは降水量が多く、温暖であることなどから昔から林業が盛んでした。現在は、トラックやヘリコプターなどで木材を運んでいますが、昔は木材の運搬に川は欠かせないものでした。

解答解説A.この地域では林業が盛んで、川の上流で伐採した木材をいかだに組んで河口に運んでいたことから、川の上流地域と河口の地域との結びつきが強かったため。

川の恵みを意識する機会は減ってきていますが、地域の川が現在、どう役立っているのかを調べてみるとおもしろいですよ。

永野 太郎先生
四谷大塚高田馬場校舎校舎長。自宅では小4の娘に教えるため、数学と格闘中。

日頃、川を意識することって少ないですわよね。この機会に、川の恵みについて子どもと話してみようかしら。

真堅カチ恵さん
何ごともカッチリ、キッチリ進める教育お母さん。子どもは中2と小6兄弟。

取材・文/西田知子 写真/アーク・フォトワークス(清水亮一)、石井和広 イラスト/曽根愛

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