2年以上におよぶ中学受験では、子どもだけでなく、親もさまざまな悩みを抱えます。そんなときに頼りになるのが、塾の個人面談です。本特集では、多くの保護者から寄せられる悩みを9つのテーマに分けて、四谷大塚講師からのアドバイスとともに紹介します。あなたが抱えている悩みを解決する鍵も、きっと見つかるはずです。
取材・文/船木麻里、C-side(塩澤真樹)、國天俊治 撮影/東京フォト工芸(桑原克典) イラスト/大野舞

1.入試直前のプレッシャーに負けそうになる

2.テストの点数がどうしても気になる

3.がんばる子どもの体調が気がかり

4.子どものやる気を信頼できない……

5.苦手教科の学習から逃げようとする

6.志望校について迷いが生まれる

7.挫折や失敗を乗り越えてほしい

8.子どもの変化や言動に戸惑う

9.塾の学習方法に疑問がある

ひとりで抱え込まず悩みを打ち明けよう

中学受験は、多くの家庭にとって、親子で初めて挑戦する大きな試練です。そのため、親が不安やストレスを感じる場面も多く、「入試本番が迫っているのに、テストの点数が落ちてきた」「ウチの子どもはゲームばかりやって、一向に机に向かわない」「娘と塾の先生の相性が、悪いんじゃないかしら……」など、さまざまな悩みを抱えます。 

そのような悩みは、自分ひとりで解決しようしても、答えがなかなか見つかりにくいものです。場合によっては、不安やストレスを子どもにぶつけてしまう恐れもあります。 

子どもの前では笑顔を見せ、全力で学習をサポートするためには、塾の個人面談で、悩みや不安を打ち明けることが、とても大切です。個人面談では、テストの点数や志望校選びについての悩みだけではなく、家庭学習の方法や落ち込んでいる子どもの励まし方など、幅広い悩みの相談に応じています。 

しかし、「相談に行きたい」と考えていても、いろいろ思い悩んでしまい、気軽には足を運べない人もいるかもしれません。 

そこで、本特集では、個人面談で多くの親から寄せられる悩みをテーマ別に紹介。面談の経験が豊富な先生たちからのアドバイスには、今、あなたが抱えている悩みを解決させるヒントが、きっと隠れているはずです。

お 話 を 伺 っ た の は …

村松 靖夫校舎長
四谷大塚巣鴨校舎校舎長。巣鴨校舎の開校当初より校舎長を務め、国語の指導も担当。
→悩み1~5を解説
辻 庸光先生
四谷大塚巣鴨校舎専任講師。算数の指導を担当し、学校別対策コースも受け持つ。
→悩み1~5を解説
原 健治 先生
四谷大塚あざみ野校舎専任講師。国語の指導を担当し、講師歴は17年。

→悩み6~9を解説
小川 智弘 先生
四谷大塚あざみ野校舎専任講師。あざみ野校舎の開校当初から、算数の指導を担当。
→悩み6~9を解説

悩み1入試直前のプレッシャーに負けそうになる

入試までの日数が減る中、テストの点数が落ちたりすると、不安がさらに強くなります。子どもを勇気づけるためには、どうすればよいのでしょうか。

「落ちるかも」の不安は親のほうがずっと強い

毎年、入試本番が近くなるにつれて、塾では小6の親からの相談依頼が多くなります。
「特に、夏期講習以降の時期は、母親の不安が急速に高まります」 と、四谷大塚巣鴨校舎の村松靖夫校舎長は話します。 「今まで子どもと一緒に、一生懸命がんばってきたのですから、無理もありません。『落ちるかもしれない』という不安は、子どもよりもお母さんのほうが、ずっと強いと思います」 

この時期の相談内容としては、「本番まで時間がないのに、成績が伸びない!」「本当に受かるのか、不安」「必死でがんばっている子どもを見るのが辛い……」など、さまざま。四谷大塚巣鴨校舎で、算数の指導を担当する辻庸光先生は、 「入試本番が近づくにつれて、『ウチの子は受かりますか?』と、ストレートに聞いてくる保護者が多いですね」 と、話します。

ただ、そのような不安や悩みには「2種類ある」と、村松先生は語ります。

「ひとつは、個人面談を通して、その悩みを本当に改善したいと思っているケース。もうひとつは、とにかく現状を肯定してもらい、『大丈夫です』と言ってほしいケースです。入試直前になると、意外にも後者のケースがほとんどです」個人面談では、面談を担当する先生が、改善策を提案することで不安が軽減されると判断すれば、具体的な方法を示して、親とともに改善策を考えます。

一方、相談者が精神的に不安定な状態で、「安心したい」という気持ちを強く感じさせる場合、「普段の実力が出せれば、きっと大丈夫ですよ」という話をするそうです。「直前期は、どんなこともポジティブに考えることが大切です。仮に、本番直前のテストで悪い点数を取っても、『これで悪いところは、すべて出し切りました。あとはよくなるだけですね』と、励まします。悪い方向に考えて、入試でプラスになることなど、何ひとつありません」(村松先生)

子どもには涙を見せず面談で悩みを話そう

親の不安が、これほどまでに大きくなるのは、「人生経験が長い分、これから起こることを計算して生きているから」と、村松先生は分析します。「将来を計算できるからこそ、志望校に落ちた時のことまで考えてしまうのです。深刻に悩んでしまうお母さんには、中学受験を自分のことのように真剣に考える人が多いですね」「志望校を決める時期になると、それまでほとんど受験に関して、口出ししなかったお父さんが突然、志望校や受験に関して意見を言い出す家庭もあります。その場合、お母さんと意見が衝突することが多く、結果として不安がさらに大きくなります」(辻先生)

しかし、入試直前の時期は子どもも相当なプレッシャーを感じます。そんなときに、親が不安な感情を表に出すと、子どもはいたたまれなくなります。そのため、「子どもの前で不安な表情を見せたり、ネガティブな言葉を口にするのは、"絶対に"やめてください」と、2人の先生は口をそろえます。

「ご主人に不安な気持ちを伝えて、共感してもらえると、気持ちがずいぶんと楽になるはずです。それが難しい場合は、塾で悩みを打ち明け、愚痴を言えばよいのです。以前、2月2日、3日の入試で、連続して不合格になった子どものお母さんが面談に来て、塾の面談室で泣き出したことがあります。私はそのとき、『1時間でも2時間でもつき合いますから、ここで泣いてください。その代わり、子どもの前では絶対に泣かないでください。泣き終わるまで、帰っちゃダメですよ』と、声を掛けました。そのお母さんは1時間ずっと泣かれましたが、その後は『もう大丈夫です』と言って、すっきりした顔で帰っていきました」(村松先生)「漠然とした不安であっても、塾に来て話をすれば、心配の原因がクリアになることが多いはずです。プレッシャーが強くなる時期ほど、遠慮せずに塾へ相談してほしいですね」(辻先生)

A D V I C E 子どもに不安を見せないためには?

    親子で笑顔の挨拶を心がける
  • 親が眉間にしわを寄せていると、子どもはます負けそうになるます気が重くなることでしょう。反対に、微笑みがあると、心にも余裕が生まれます。子どもの笑顔が少なくなったと思ったら、親から努めて笑顔で話しかけてください。朝は明るく「おはよう!」と言うなど、まずは笑顔の挨拶を心掛けたいですね。(辻先生)
    パートナーの前や塾の面談で愚痴を言う
  • 子どもの前で平静を保てなくなりそうなときは、子どもがいないところで、パートナーに愚痴を聞いてもらうのが、一番よい方法です。ただ、なかなか時間が作れない家庭が多いと思います。そんなときは塾へ相談に来てください。1時間ずっと、愚痴を言ってもらっても大丈夫ですよ。(村松先生)

悩み2テストの点数がどうしても気になる

子どものテストの結果に喜んだり、落ち込んだり……。毎回、アップダウンするテストの点数や偏差値に、どう向き合えばよいのでしょうか。

点数や偏差値の意味を正確に把握する

「テストの点数が伸びない」「偏差値が下がった」と言って、相談に来る親は多いですが、それに対する個人面談でのアドバイスは、テストの種類によって少し異なるようです。「進学塾が行うテストには、学力別に分けたクラス内で行う確認テストもあれば、一般の受験者もたくさん参加する大規模な模試もあります。子どもがクラス替えのテストで高得点を取り、上位のクラスに移ったのであれば、受けるテストの難易度も当然高くなります。仮に、そのクラスの中では、テストの点数や偏差値が低かったとしても、受験生全体の中での学力は、上位に位置している場合も多いものです。単純な『数値』だけで、子どもの学力を計ることはできません」(村松先生) 

偏差値についても、その捉え方に注意が必要です。「『偏差値50前後は大したことない』と考える親もいるのですが、これが上位クラスでの成績なら、超難関校にチャレンジできる力があるという目安になります。テストの偏差値をチェックする時は、『どのような子どもたちの中で行われたテストの偏差値なのか』という視点を持ってほしいですね」(辻先生)「大手進学塾が行っている模試で、偏差値50前後の成績を残したのなら、おそらく公立小学校に通う子どもの中では、上位4分の1に入ることでしょう。中学受験の偏差値は、同学年の子どもが大勢参加する、高校受験や大学受験の偏差値とは、意味合いが大きく異なることを認識しましょう」(村松先生) 

一方、「ウチの子どもは、がんばっているのに、点数や偏差値が上がらない」という悩みには、親の誤解が含まれている恐れがあると、村松先生は続けます。「長時間机に向かっている姿や、親がやらせている問題集を素直にこなしている様子を見て満足し、『ウチの子は、がんばっている』と判断する親は多くいます。しかし、親に言われているから、取りあえずやっているだけでは、学力はなかなか伸びません。大事なのは、子ども自身に『今の自分には、この学習が必要だ』と、感じさせることです。自発的に学習する姿勢が身につかなくては、いくら学習時間が長くても、点数アップにはなかなか結びつきません」

点数が上がるまで辛抱強く待つ

さらに、学習の成果が点数に表れるまでには、時間がかかります。「機械的に問題数をこなす学習ではなく、一問一問正確に正答へ辿り着こうとする『精度の高い学習』をすれば、学力は確実にアップします。それでも、点数アップという目に見える結果を手にするためには、『わかる力』を『解ける力』に昇華させなくてはいけません。その過程をクリアするには、少なくとも2~3か月はかかると思ってください」(辻先生) 

夏期講習で1か月間、精度の高い学習に取り組んだとしても、その成果を9月のテストや模試の結果に期待するのは、早急と言えるでしょう。「まして、小6の子どもならば、みんながんばっているのですから、その中で飛び抜けて成績が上がるというのは、非常に稀なケースです」(村松先生)

さらに、テストの点数がアップしないことの原因としては、正答率が高い問題を落としている可能性も考えられます。「多くの子どもが正解している正答率70%以上の問題をすべて落とさずに正解できれば、かなりの高得点が取れるものです。普段の学習では、無闇に難しい応用問題にチャレンジさせるのではなく、基本的な問題をミスなく答えられるように、基礎の学習を徹底させてください」(辻先生)

また、個人面談の場では、子どもの学力には、ムラがあることも伝えているそうです。「どんなに学力が高い子どもでも、テストの出来には、どうしてもムラが出てしまいます。おそらく、同じテストを同じメンバーで2回行った場合、上位の半分くらいは、入れ替わってしまうのではないでしょうか。このような話も交えながら、相談に来る親には『待つ』ことの大切さを伝えています」(辻先生)

A D V I C E テストの点数をアップさせるには?

    テストの予想点を立てさせる
  • テストを受けた後に、子どもに点数を予想させてみましょう。それにより、解けない問題や現在の学力を、子ども自身が理解でき、入試本番でも「この問題は解ける!」などの判断ができます。大切なのは、希望を込めた予想ではなく、できるだけ1問1問、具体的に理由を話させることです。(辻先生)
    正答率の一覧表で正誤を確認する
  • テスト結果が返ってきたら、正答率70%以上の問題を間違えていないか、1問ずつチェックさせます。そして、間違えていたら、その原因を親子で考えてみてください。注意不足による計算ミスなのか、その単元を根本的に理解していないのか、原因がわかれば、具体的な学習方法も見えるはずです。(村松先生)

悩み3がんばる子どもの体調が気がかり

子どもの体調が悪そうなときに心配するのは、親としては当然なこと。しかし、過剰に心配してしまうと、よい結果に結びつかないこともあるようです。

親が思っているより子どもは強い!

子どもの体調を気にする親は、最近とても増えているようです。特に、秋からは学校での行事も多く、子どもたちも慌ただしい時期。受験本番まで、まだ1年以上ある小4や小5の子どもは、「疲れたから、塾に行きたくない」と言い出すことがあり、親から「今日は塾を休ませたほうがよいのでしょうか?」と、相談を受けるケースがあるそうです。「疲れがあまりにもひどいのであれば、休むのも止むを得ません。ただ、小4、小5の時期は、授業内容が1週間単位で新しい単元に変わることが多いので、『その単元の1回目の授業は、できるだけ休まないでください』と伝えています。1回目の授業を休んで、塾とは異なる解き方を覚えると、後々の学習で行き詰まります」(辻先生) 

一方、小6の子どもにとっては、秋からの時期は、入試本番へのラストスパート。2人の先生も、「子どもにやる気があるのなら、多少きつくても突っ走らせてよい」という考え方です。「志望校合格という目標が明確で、学習が楽しくなってきた子は、私たちが止めようとしても、学習を止めません。親から見れば、『こんなに勉強ばかりして、大丈夫かしら?』と心配になるかもしれませんが、勉強のやりすぎで倒れた子を、私は今まで見たことがありません。子どもは、大人が思うほど弱くない。多少眠そうな顔をしていても、気力が充実していれば、問題ないと思います」(村松先生)

「親からは、『塾や学校の宿題を終わらせると、夜の12時を過ぎてしまい、睡眠不足が心配』という相談をよく受けます。そんな時は、問題の難易度や学習量を調整して、スケジュールを考えるので、遠慮せずに相談してください」(辻先生)

受験の辛さを乗り越え得られるものがある

親が、子どもの体調を心配するのは当然のことです。ただ、受験勉強に関して、「子どもが疲れているのでは?」と感じた場合、本当に子ども自身が疲れているのか、疲れているなら何が原因なのかを、具体的に考えることが大切だと、村松先生は話します。「実は、親が子どもを心配するあまり、『疲れているんじゃないの?』という言葉をかけ過ぎていることがあります。すると、大抵の子どもは、楽なほうに流れるので、『疲れた』と答えるようになります。そのうちに『疲れた』と言えば、学習しなくてもすむことを覚えてしまいます」(村松先生)「子どもが『疲れたから、塾を休みたい』と言ったら、『今日、休んでも大丈夫なの?』と聞いて、判断を促すのもひとつの方法だと思います。塾を休むと挽回するのが大変だとわかっていれば、甘えてはいけないことに気づいてくれるはずです」(辻先生)

また、子どもの体調を心配する親からは、「週4回受けている塾の授業を3回に減らしたい」というような相談も少なくありません。「ただ、さすがに小6の子どもが、秋以降の塾の回数を減らすのは、デメリットのほうが多いと伝えています。入試が近づく時期は、本番のテストに直結するような知識や問題の解き方などを学ぶことが多いのです」(辻先生)「私は、このような相談を受けたとき、スポーツの世界を例に挙げます。たとえば、野球のチームでレギュラーになりたかったら、それなりの努力が必要です。練習は無理せず楽しく、時間も短く、でもレギュラーになって活躍したいというのは、少し甘えた考え方ではないでしょうか。私は、受験も同じだと考えています。みんなが必死でがんばっている中で、『ウチの子は疲れちゃうから学習時間を減らすけれど、第一志望には受かりたい』と、言っているようなものだと思います。厳しく聞こえるかもしれませんが、この点は個人面談でも、しっかりと伝えています。もし、学習で疲れている様子なら、『このがんばりがきっと将来の財産になるよ』と、声をかけてほしいですね」(村松先生)

A D V I C E 子どもの疲労感を軽くするには?

    塾のお弁当に好きな食べ物を入れる
  • 子どもは塾でのお弁当をとても楽しみにしてい ます。手作り弁当なら、ぜひ子どもの好きな食べ物を入れてほしいですね。忙しい場合、お店で買った物でも、私はよいと思います。手作り弁当の子が多い中では、よい意味で注目を集め、マクドナルドのポテトを持ってきた子は、その日の「ヒーロー」です(笑)。(辻先生)
    厳しいスポーツの世界の話をしてみる
  • 甲子園に出場する学校の生徒やオリンピックに出場するような人は、みんな過酷な練習やトレーニングの結果、レギュラーの座を勝ち取ったり、記録を残したりしています。スポーツの世界には、大きな目標のために努力したエピソードがたくさんあるので、子どもに話してみてはどうでしょうか。(村松先生)

悩み4子どものやる気を信頼できない……

「言わなくても、自分から学習してくれればいいのに……」という悩みを解決するために、親はどんなサポートを心がければよいのでしょうか。

子どもの自立がやる気への第一歩

「勉強する」と、口では言っても、マンガを読んだり、ゲームをしたり……。そんな子どもの態度に、いらだちや不満を隠せない親が、個人面談には多く訪れます。「どうして、子どもは『勉強する』と言っておきながら、やらなかったり、親との約束を破ったりするのでしょうか。理由は簡単で、学習がつまらないからです。

そして、今まで同じような状況になったときに、約束を破っても、子ども自身は困らなかったからです。塾に相談に来る親も、『勉強しなさい』と何十回言ったところで、子どもが自分から学習しないことはわかっていると思います。それならば、命令するのではなく、学習したい気持ちにさせるような働きかけをしながら、自立させることに力を入れましょう」(村松先生) 

もちろん、すぐに子どもの態度が変わる魔法の言葉などはありません。しかし、毎日の言葉がけや接し方に注意することで、少しずつ子どももやる気の芽を伸ばすことができます。「遠回りのように思えますが、親が子どもの学習から少しづつ離れていく方法が、やる気アップの最善の方法だと私は考えます。小4の頃までは、親が手とり足とり学習をサポートしても、反復練習すれば成績が上がります。

しかし、小5の後半になると、学習内容が急に難しくなり、反復練習だけでは限界があります。そこでつまずいてしまい、やる気がダウンするよりも、小4や小5の頃から、簡単な問題を少しずつ自分で解かせるようにしたほうが、学習が楽しくなり、やる気も持続するはずです」(辻先生) また、子どもに約束を守らせる方法としては、三者面談が効果的です。「『親』と『子』という二者の関係だと、お互いに緊張感がなく、約束が守られないケースがあります。そのため、私は親と子どもを同席させて、そこで学習内容などに関して約束をしてもらいます。第三者を介することで、親子の間にも緊張感が生まれ、約束に対する責任感もアップするのです」(村松先生)

「1回10分」の集中タイムから始める

一方、小6の子どもの場合、入試本番まで残された時間が多くはありません。しかし、「自分の部屋で学習を始めたと思ったら、すぐにリビングへお茶を飲みにやってくる」という相談があるなど、やる気のなさや集中力の低さを嘆く親は、多いようです。「あまり集中力がない子は、塾で50分のテストに取り組ませても、10分くらいで集中力がなくなり、鉛筆を回したりしています。

まずは、『10分集中して、この問題を解いてみよう』など、時間を区切って集中させる練習を繰り返すとよいでしょう。また、『この3問の計算だけは、絶対に間違えないつもりで、できるだけ速く解いてみよう』といったアプローチでも効果が期待できます。短時間集中するという練習を繰り返せば、3か月で30~40分くらいの集中力が身につくと思うので、小6の保護者の方も、まだ諦めないでください。こういったアプローチは達成感を感じやすく、やる気アップにもつながるでしょう」(辻先生) 

ところで、男の子と女の子では、「やる気の見え方」に違いがあると、辻先生は指摘します。「男の子は比較的、気持ちが素直に表に出るので、やる気のなさが親の目にも明らかです。上で紹介しているような悩みは、男の子の親に該当する場合が多いでしょう。一方、女の子はやる気のなさをごまかす器用さを持っています。実際に、授業中に鉛筆を動かす振りだけして、ノートには何も書いていなかったり、模範解答を丸写ししたりする女の子がいます。ですので、女の子の親は、子どものノートを定期的に見て、やる気が続いているか、チェックしてほしいですね」 

これに対して、男の子の親は、「子どもに期待する設定ラインが高過ぎていないか、気をつけてほしい」と、村松先生はアドバイスします。「小学生の男女を比べた場合、男の子のほうがずっと幼く、精神年齢が3~4歳は低いというのが実感です。ですから、お母さんは自分の小学生時代と息子を比較しないで、3~4歳年下の子どもをイメージして、接してみましょう」

A D V I C E 子どもの学習意欲をアップさせるには?

    子どもと一緒に親も学習してみる
  • 家族でテレビを見ているのに、受験生の子どもだけ、部屋で学習に取り組むのは難しいはずです。そんなときは、親子一緒にリビングで「学習タイム」を取ってみてはどうでしょうか。親は子どもの学習を見るのではなく、仕事に関する勉強や読書をするのです。そのほうが、子どものやる気もアップするはずです。(辻先生)
    約束を破ったら困る体験をさせる
  • 「約束を破っても、許してくれる」と無意識に考えている子が多く、その積み重ねがやる気のなさにもつながっています。ですので、約束を破ったら、子ども自身が困る体験をさせてください。学校へ忘れ物をしたときなども、親が届けたりしないほうが、子どもに責任感が生まれ、学習意欲もアップするはずです。(村松先生)
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