生徒に卒業後をイメージさせる


 佼成学園女子中学高等学校の書道部は、個人で作品を書くだけでなく、数人でチームをつくり、音楽をバックに振りつけを交えながら文字を書く書道パフォーマンスにも力を入れています。全国大会にも出場する同部の顧問を務める櫻井直毅先生は、生徒の指導方法について、次のように話します。
 「パフォーマンスの構成や振りつけ、音楽などは基本的に生徒たちが話し合って決めています。私は全国トップクラスの学校が行うパフォーマンスを映像で数多く見せ、生徒たちのやる気や想像力を刺激するようにしています。個人の作品についても、美術館で本物の作品に触れる機会を多く与えています。そうすることにより、生徒はレベルが高い作品とはどういうものかを理解し、自分なりのテーマや表現方法を考えるようになります」
 櫻井先生は、生徒のモチベーションをアップするために「卒業までにどうなっていたいか」という問いかけを入部当初にしています。
 「中学生が考えるにはなかなか難しいテーマです。しかし、先輩の作品や他校のすばらしい演技をヒントに、少しずつイメージを膨らませていきます。まずは目標を明確にしてあげることですね。すると自分で考えて動くようになる。部活動を通して、"今までは、先生や親から言われるままに生きてきた"と気づく生徒もいます」
 しかし、やる気のスイッチが入ったとしても、それが長続きせず、自主的に行動できなくなるケースはめずらしくありません。
 「精神面で波があるのは当然です。特に書道は、目に見える結果がすぐに出るわけではないので、どうしても練習に身が入らなくなることがあります。そんなときはあえて何も言わず、生徒が自分で気づくまで見守ります。その一方で、日頃から"先生が口を出すのは間に合うかどうかの瀬戸際だけだよ"と声をかけ、生徒が自ら考える環境を整えるように工夫しています」
 我が子に対して手や口を出してしまう親に向けては、「子どもに質問させることを習慣にしてほしい」とアドバイスします。
 「親子ともに今の状況や疑問点を整理できるようになります。しかし、親は答えを与えず、子どもに考えさせてください。私もよく生徒から"どうすればいいですか?"と尋ねられますが、"あなたはどうしたい?"と質問を返し、その返答から話を進めています。子どもが壁にぶつかったとき、自分の頭で考えて言葉にする習慣をつけることで少しずつ成長していきます」
 加えて、ほめることの大切さも強調します。
 「最近、勉強以外でほめてもらうことに飢えている生徒が多いように感じます。親はつい勉強や成績に目が行ってしまいますが、部活や学校行事など、子どもはさまざまな場所で努力しています。そうした話題を自然に話せる家庭環境を整え、努力を認めてあげることにより、子どもの意欲や行動力はさらに磨かれていくのではないでしょうか」

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