特別な声かけはかえって逆効果
受験直前期にふさわしい声かけ術とはー。不安が募る時期に、子どもを励まし、やる気をひき出すには、どんな言葉がふさわしいのか。四谷大塚センター南校舎の岩室校舎長、蒲田校舎の戸部校舎長、2人の先生のアドバイスは、意外にも「直前期だからといって、それまでと接し方を変えてはいけない」というものでした。「9月からは月1回の模試が始まりますから、親もその結果に一喜一憂してしまう時期です。でも、ご家庭ではプレッシャーをかけるより、普段通りの声かけで落ち着かせてあげてほしい。そうでなくては、子どもが本来持っている力も出せません」(戸部校舎長) 岩室校舎長は「9月は油断しやすい時期」と指摘。そのため、塾では厳しい言葉をかけることもあるようです。「志望校別対策コースの振り分けが終わると、希望のクラスに入れただけで合格した気になる子が出てくるんです。受験は長い人生における通過点でしかないのに、これでは困る。ですから塾では、ゴールのはるか手前で満足することがないよう、子どもの気持ちをひき締めるような声かけもしています。だからこそ、その上さらにご両親が厳しく接する必要はありません。そこは塾に任せ、家では子どもを温かく迎えてほしいですね」(岩室校舎長) 家庭での声かけに悩むシチュエーションといえば、たとえばテストの結果が思わしくなかったとき。「本番まで時間がないのに」と、親子ともにこれまで以上の焦りを感じるはずです。「点が悪かったのは仕方がない。そこを責めても子どもは余計に落ち込むだけです。ほめられるところをほめてあげてください。『前できなかったこの単元ができるようになったね』などといった小さなことで構いません。ただし、〝具体的.にほめることが子どものやる気をひき出すポイント。できなかった問題についても『この問題が解けたらもっと点が伸びたね、ここを復習しようか』などと、やはり具体的に指導するようにしましょう。模試の狙いは弱点を探ること。その弱点を潰していけば合格に近づく、本番前に弱点がわかってよかったと、前向きに考えることが大切です」(戸部校舎長) 避けたいのは、親が感情的になってしまうこと。子どもは萎縮し、ますます力を発揮できなくなります。「どんなに点数が悪くても、できたところを探して、そこをほめてあげてほしいんです。普段の勉強態度でもいい。探す姿勢さえあれば、ほめるべきところはいくらでも見つかるはず。それでも子どもに当たり散らしてしまいそうなら塾に電話を。いくらでも相談に乗りますから、講師にストレスをぶつけてください。その代わり、子どもには優しく接してあげてほしいのです。親が上手に気持ちをコントロールしている家庭ほど、受験はうまくいくものです」(岩室校舎長)「子どもを叱りつけることがあっても、必ず逃げ場を用意してあげてください。お父さんが叱ったらお母さんがフォロー。お母さんが叱ったらお父さんがフォロー。ご両親は子どもにとって一番身近な存在です。2人から厳しくされたら、気持ちが休まる場所がありませんから」(戸部校舎長)

手取り足取りではなく独立自尊を養うケアを
試験が近づいているのに、なかなかやる気を見せない子ども。逆に入れ込み過ぎて夜遅くまで勉強してしまう子ども。どちらも親には心配の種です。「自ら進んで勉強できる子は、決して多くありません。だからといって厳しく叱るのは避け、そこは塾に任せてください。その代わり、体調管理は親の責任になります。多少、夜が遅くなるのは本人のやる気の表れ。7時間程度の睡眠時間は確保しつつ、温かいものを食べさせたり、風邪の予防をしたりといった気づかいをお願いしたいと思います」(岩室校舎長)「普段からやらない子にプレッシャーを与えると、余計にやる気を失います。そういう子には"目標の再確認"をするといい。『これまで何のためにがんばってきたんだっけ?』『これが最後のがんばりだね』などと、これまでのがんばりを認めたうえで、あと少しでそのがんばりが実を結ぶことを示してあげるんです」(戸部校舎長) それでも心配は尽きない時期。手厚く子どもをケアしたいと思うのが親心です。しかし、あまりに密な声かけは逆効果だと岩室校舎長は話します。「入試当日、子どもは自分ひとりの力で合格を勝ち取ってこなければなりません。独立自尊の精神を日常生活の中で培っていないと、本番でも力を発揮できない。仮に合格できても、親の手が離れたところで、何もできない子どもになってしまうかもしれません。ちゃんと自分の力で生きられる子どもになるように。声かけするときも、その意識を忘れないでいてほしいですね」(岩室校舎長)

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