苦手分野はどこか細かく分析する

 永野先生は「1学期までに学習した内容が定着していない子どもは少なくない」と言います。「ここから挽回するには、苦手分野を明確にすることが第一歩です。地理の中で特に何が苦手なのか、政治・国際であれば三権分立の仕組みが理解できていないのか、それとも地方自治がわかっていないのか、詳しく分析してください」
 苦手の傾向は、塾で行われている単元ごとのテストや模試の結果をチェックすることにより把握できます。「各問題の正答率をまとめた資料に目を通してください。そして、正答率70%以上の問題を間違えていたら、その部分は必ず復習しましょう」
 苦手分野が明確になったら、テキストに載っている空欄補充の問題を活用しましょう。「その際、問題を解かせるだけでなく、答えになっている人物名や事件などについて、子どもに説明させてください。しっかり説明できない知識については、予習シリーズを見直し、自分の言葉で話せるレベルまで仕上げます」
 地理、歴史、政治・国際、それぞれの単元については、次のようにアドバイスします。「偏差値45の子どもは、まだ都道府県の位置が十分に把握できていない段階です。たとえば浜松市と聞いたとき、それが静岡県の都市であることは何となくわかっているものの、静岡県のどの辺りにあるのかは覚え切れていない。特に子どもにとって縁の薄い工業都市はあやふやになりがちなので、重点的に覚えさせましょう」
 歴史は、各時代のイメージが曖昧なままである可能性が高いと言います。「たとえば、"奈良時代はどんな時代ですか?"という問題に対して、大仏や正倉院などの知識が頭に浮かばず、平安時代と混同して"貴族が政治をしている時代"などと答えてしまいます。各時代のイメージが大まかにでもつかめると、歴史分野の穴が少なくなるので、夏の間に強化したいところです」
 そのためには、小学校の教科書が役に立つと言います。「小学校の教科書には図やイラスト、写真が多く使われているので、各時代の様子をイメージしやすいと思います。"奈良時代はこんな服装と髪型で、平安時代になると貴族は十二単衣を着るようになって……"というように理解できるのではないでしょうか?中学入試で出される歴史の問題は、小学校の教科書がベースになっているので、入試本番まで繰り返し活用してほしいですね」
 そして、政治・国際については「なぜそのような仕組みをとっているのか、理由を考えるのが大事」と言います。「なぜ二院制をとっているのか、なぜ三権分立という仕組みをとっているか、なぜ国民が裁判に関わるようになったのか、自分なりの言葉で説明できれば、偏差値50 以上が見えてきます」
 さらに、夏の間に漢字の書き間違いを減らすことも目標の一つ。「前述した違憲立法審査権だと、"憲"の字を"権"と間違えて書くケースがよく見られます。"憲法に違反している"という語句の意味をしっかり理解させることが、漢字のミスを防ぐことにつながります。『四科のまとめ』の巻末には、漢字を間違えやすい語句をまとめた練習問題があるので、言葉の意味を考えさせながら解かせてみましょう。そのときに子どもが漢字を間違えたとしても叱らず、"しっかり覚え直すチャンス"と捉え、勉強を見守ってあげてください」

細かいところまで詰め偏差値60を目指そう

 偏差値55の子どもには、大きな穴となる単元はほとんどありません。「しかし、細かい部分が詰め切れていないため、偏差値60に手が届かない。テキストの太字部分は覚えているけれど、その内容を説明させると少し曖昧な部分があると言った状態でしょうか。対策としては、予習シリーズの巻末に載っている索引を使うのがおすすめです。そこに載っている語句を一通り説明させ、子どもが言葉に詰まったら、内容を見返しましょう」
 地理の勉強については、「グラフにこだわる姿勢が大切」とアドバイスします。「たとえば、年ごとの漁獲量の変遷を、遠洋漁業や沖合漁業、沿岸漁業などの業態別に示した折れ線グラフが問題で出されたとします。偏差値55の子どもは、どのグラフが遠洋漁業で、どのグラフが沿岸漁業かを答える問題は解けます。しかし、"なぜ沖合漁業が減ったのか?"などの突っ込んだ問題にはなかなか対応できません」
 そうした問題を解けるようになるには、社会の知識を複数の視点で捉える姿勢が欠かせません。「たとえば、石巻が漁港として発展した理由を考える場合、リアス式海岸であること、暖流と寒流のぶつかる潮目、大陸棚になっている海底など、複数の要素が絡みます。こうした要素を見落とさずに把握できるようになると、偏差値60が見えてきます」
 一方、歴史については、「時代の始まりと終わりを強く意識させたい」と言います。「子どもに一つの時代の流れを語らせると良いでしょう。具体的には、"いつ、どこで、誰が、何をして、その結果どうなった"と言うことを説明します。鎌倉時代であれば、頼朝の幕府成立により時代が始まり、承久の乱で幕府の勢力が強まり、元寇を機に衰えが見え始め、最後に幕府が滅びると言う流れです。その際、時代の全盛期と衰えるきっかけとなった出来事に注目させると、子どもは理解しやすいでしょう。一つの時代を10分程度で説明させる練習を、数日に1回ぐらいのペースでやるといいのではないでしょうか。子どもが苦戦しているときは、年表を見せながら説明させてみましょう」

偏差値65の子は何をする?

入試本番に向けてプラスαの訓練を

 このレベルの子どもには、「テキストに書いていないことにも目を向けさせてほしい」とアドバイスします。「難関校の入試では、社会の出来事に対して自分の意見を答える問題が出されます。ニュースを見て、新聞を読み、自分の意見を考える習慣を夏休み中に確立させてください。“日本で高齢者の人口比が25%を超えたら、若年層にどんな影響があるか” “消費税が上がったが、数ある税のうち、なぜ消費税が引き上げられたのか”などの疑問を持てるようになると良いですね」
 社会の入試問題では、時事問題対策も大きなカギを握ります。「今年起きた出来事の中では、ロシアのソチで行われた冬季五輪と、ブラジルで開催されているサッカーW杯が多くの学校で出題されるのではないでしょうか?テレビや新聞で取り上げられる内容を親子でチェックし、食事のときなどに話し合えると理想的です」

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