毎日生まれるさまざまな悩みを少しでも減らすためにはどう対処したらよいのでしょうか? 大美賀直子氏が、具体的な解決方法を紹介してくれます。


相談できる人を増やしてみよう
心の不安や悩みを軽減し、ストレスをため込まないためには、問題焦点型や情動焦点型のコーピングをバランスよく行うことが有効というのは先のページで述べました。続いて大美賀直子氏に、より効果的な解決方法を紹介してもらいました。
「問題焦点型と情動焦点型、それぞれのコーピング・レパートリーを増やしていくことがポイントです。問題の直接的な原因に目を向ける問題焦点型の場合は、相談できる相手や場所を広げていきましょう。専門の相談機関や塾の先生など、コンサルタント(問題解決方法を提供してくれる専門家)を大切にしてみてください」
もし身心の状態が不安定な場合は、病院やクリニックに足を運ぶ方法もあります。
「今はいろいろな機関にコンサルタントやカウンセラーがいるので、積極的に活用してほしいと思います。また、諸問題の解決のヒントとなる本を読むことでも、自分の悩みが整理され、解決の糸口が見つかることでしょう」
一方、自分の感情をコントロールする情動焦点型の場合は、人によってさまざまな方法があります。
「ただ、同じ方法を繰り返していると、少しずつ効果が薄れることもあります。そのため、自分なりの気分転換法をいくつか持っておきたいものです」
ただし、インドア派の人が無理をしてアウトドアでの気分転換にチャレンジするなど、ガラリと変えると逆にストレスになるケースも。
「まずは、今行っている方法を少しずつ変えてみてはどうでしょうか? たとえば、友だちとランチを楽しむことが気分転換になる人なら、メンバーの顔ぶれや利用するお店をときどき変えるだけでも効果がアップします」
さらに「のんびり過ごすだけでも立派な情動焦点型アプローチになる」と続けます。
「家でちょっと昼寝をするときに、"これは自分にとって最高のストレス・コーピングなんだ"と、ポジティブに考えればいいんです」


自分の思考パターンをチェックしよう

次に大美賀氏は、自分の思考パターンをチェックする方法を挙げます。ストレスを抱え込みやすい人は、独特の考え方のクセを持っている場合が多いそうです。
「認知療法で知られるデビット・D・バーンズの定義によると、思考のパターンは10通りあります(左の図参照)。ほとんどの人は思い当たるところがあるのではないでしょうか。たとえば、子どもの成績が伸び悩んでいると"合格できる学校はどこにもないかも"などと決めつける『感情的決めつけ』に陥りがちです。まずは、自分の思考がどのパターンに当てはまるか理解することが肝心。そうすれば、ストレスを抱えやすい考え方を変えるきっかけが生まれます」
認知のゆがみを修正するためには「コラム法」が有効です。
「これは、ストレスを感じたときに自分の考えや状況をノートに書き出すシンプルな方法です。ノートにコラム(欄)を作って、不快な感情が起きたときの状況と思い浮かんだ考えを記入するのです。そして、少し時間が経ってから、考え直した別の見方も記入します。たとえば子どもが体調を崩して、"私がもっとしっかりしていれば……"と落ち込んでいる状況があるとします。でも、コラム法を活用して状況を整理すると、『少し熱が出ただけだから大丈夫』『これが模試の直前じゃなくてよかった』など、別の考えが浮かびやすくなります」

子どもの勇気を親が受け入れる
マイナス思考から抜け出すには、ネガティブな言葉を使わないことも大切です。
「しかし、単に"子どもにネガティブな言葉を言わないようにしよう"と心掛けても、なかなか難しいものです。そんなときは、心の『フレーム』を変えることを意識してみましょう。フレームとは、その人独自のものの見方。ポジティブなフレームにすれば、前向きな言葉が思い浮かぶようになります」
たとえば、子どもがテストで70点を取った場合、次のような手順を踏みます。
「テストの点数を見たとき、"30点もミスをして……"と感じたら、一旦ノートに書き出してみましょう。そして、"70点は正解している" "平均点と大きな差はない"など、別の表現に書き変えてみる。とてもシンプルな方法ですが、自分の気持ちを文字にしてみる効果は、予想以上に大きいものです。この作業を繰り返すことで、ネガティブな考え方を少しずつ変えられることでしょう」
そして最後に、子どものほめ方について、次のようにメッセージを送ります。
「『ほめる』というと、優れた点を見つけるといったイメージを抱く人が多いかもしれません。しかし、心理学者のアルフレッド・アドラーは、"子どもの成長にもっとも大切なのは勇気づけである"と語っています。大人に比べて子どもは『不完全』な存在であり、子ども自身もそれに気づいている。けれど、彼らは勇気を振り絞ってチャレンジを繰り返しているのです。親がその気持ちに寄り添い、"よく諦めなかったね" "こんなに難しいことにチャレンジしたね"などと勇気ある行動を認めることが、子どもにとって何よりのほめ言葉になるのではないでしょうか」
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