入試本番に向けて受験生のプレッシャーがさらに高まる中、母親は子どもをどうサポートすればよいのでしょうか。これまで数多くの中学受験をする親子を支えてきた校舎長ふたりに話を聞きました。

どっしりと構える態度が子どもの不安を軽くする

菊池 忠明校舎長

●四谷大塚高田馬場校舎

日めくりカレンダーで緊張感をアップ!

入試本番が近づく時期は、子どもだけでなく、親の不安も増していきます。しかし、受験生の母親には、常にどっしりと構えて子どもをサポートする姿勢を忘れないでほしいと思います。

テストの結果に一喜一憂せず、できる限りポジティブな言葉をかけるように努めてください。

小6の9月からは、合不合判定テストなどの模試が繰り返し行われます。しかし、志望校の合格判定ばかりに目を向けるのは、あまり適切なサポートとは言えません。それよりも、過去の試験結果と見比べて、「前回のテストで間違えた問題が、今回は正解できているね」「国語の点数がアップしているよ」と言った、前向きな言葉をかけるように意識してみましょう。

受験生の母親の中には、「うちの子は、小6になっても、やる気のスイッチが入らなくて……」と悩む方もいます。そんなときは、家庭の雰囲気に少しずつ緊張感を持たせる方法がオススメです。

たとえば、今まで両親がテレビを見ていた時間を、本や新聞を読む時間に変えてみるのです。それだけでも、子どもは家庭内の変化を感じ取り、自分の学習態度を見直すきっかけになるでしょう。

さらに、日めくりカレンダーを用意して、子どもに毎日めくらせるのも効果的です。このサポートにより、入試本番が刻一刻と近づいていることを子どもが実感し、緊張感とやる気が自然とアップするはずです。

自分の心を落ち着かせ子どもを励ます

受験の直前期に、母親がいつもと違ったサポートをすると、子どものプレッシャーが、さらに増してしまう恐れがあります。そのため、できる限り普段通りの接し方を心掛けましょう。

どうしても自分の不安を子どもの前で隠すのが難しい場合は、塾の先生に相談したり、パートナーに悩みを打ち明けたほうがよいでしょう。

もし、併願校と縁がなく合格に恵まれなかった場合も、まずは母親が冷静さを保つようにしてほしいと思います。ただ、子どもと同じくらいショックを受けていたら、合格発表の場で励ましの言葉をかけるのは、避けたほうがよいかもしれません。

母親の不安や悲しみは、口には出さずとも子どもにも伝わるので、逆効果の場合があります。

それよりも、学校から少し離れた場所で、自分の気持ちを落ち着かせてから励ましたほうが、子どもの心に響くと思います。

また、受験する学校について、「どの学校もすばらしい!」というメッセージを、日頃から子どもに伝えておくことも大切です。それにより、子どもが感じる「第一志望に絶対合格しなくちゃいけない!」というプレッシャーを軽くすることができます。

私が過去に受け持った子どもの母親は、入試前に第一志望校の正門前で写真を撮り、そこに子どもの写真を組み合わせた合成写真を作っていました。それを子どもに見せて、合格するイメージを持たせたのでしょう。

直前期に少し時間が作れたら、子どもと一緒にもう一度志望校を見学するのがオススメ。それにより、子どもは志望校への想いを再び強めることができます。その時間を作るのが難しい場合は、志望校に合格したらどんなことをしたいか夢を話し合ってみましょう。子どものやる気は、きっとアップするはずです

メンタル面のサポートに力を注いでほしい

蛭田 栄治校舎長

●四谷大塚豊洲校舎

母親も問題を解いて子どもの努力を認める

私は1月の入試や2月1日の受験で、よい結果に恵まれなかった受験生に「必勝のお守り」として、小さな置物(招き犬)を渡したことがあります。

それはあくまでも、自信を失いかけていた子どもに、合格を信じるきっかけを与えることが目的でした。しかし、多くの子どもが気持ちを持ち直し、これまでの努力の成果を発揮し、見事合格をつかみ取りました。そして、合格発表の後に「このお守りがすごく効いた!」と言いました。

このことからもわかる通り、中学受験ではメンタル面のサポートが、大きなカギを握ります。

入試が近づくと、母親は志望校の偏差値や、ほかの子どもの学力など、いろいろなことが気になることでしょう。ですが、まずは子どもの普段のがんばりに目を向けてほしいと思います。

子どもが小6になると、「勉強について口出しすると、嫌がられるかも」と考える親もいるかもしれません。ただ、母親が手伝ってくれると、多くの子どもは喜びます。 

たとえば、学習机の上に散らかっているプリントを子どもと一緒に整理したり、親子で志望校の過去問に目を通してみる。このようなサポートをするだけでも、子どものやる気が一気にアップします。

また、子どもが普段取り組んでいる問題を、母親が試しに解いてみる方法もオススメです。子どもがどれくらい難しい問題にチャレンジしているのかを母親が実感することで、本心から「こんな問題が解けて、すごいね!」と言えるはずです。その褒め言葉を、気休めだと思う受験生は、ほとんどいないのではないでしょうか。

第一志望の学校は変えないほうがプラス

小6の秋を迎えても、模試やテストの点数が振るわないと、「子どもに辛い想いをさせたくない」「今の辛い状況から、子どもを救ってあげたい」と考えて、第一志望の学校を変えようとする母親もいます。

しかし、このサポートは、子どものモチベーションをダウンさせる恐れが高いので、できる限り避けるべきでしょう。

子どもの学力と志望校のレベルにもよりますが、12月頃までは第一志望の学校は変えないほうが、私はプラスに働くと思います。受験生の心に「このままじゃまずい!」という危機感が生まれやすく、集中力がアップすることが期待できます。

そして、子どもの学力がアップし、第一志望の偏差値をクリアした場合でも、母親は喜びすぎないように。それよりも、「受験は自分との戦いだよ」と声をかけることで、子どもはやる気をキープしたまま、入試本番に望めることでしょう。

入試が近づいてくると、「志望校の合格可能性が○%だけど、大丈夫かしら?」と言ったように、「志望校中心」の考え方に陥ってしまう母親がいます。しかし、私が過去に担当した子どもの母親は、いつも「子ども中心」の考え方を心がけて、サポートしていました。

子どもが入試本番、自信を持ってテストに臨めるかどうかが、合否を分けることも多くあります。入試の直前に、「これまでがんばってきたんだから、きっと合格できるよ」と心から言えるよう、普段の学習態度をしっかり見守るように心がけてほしいと思います。

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