作戦(1) 何のために勉強するのか最初に目的を明確にする。
作戦(2) 問題演習を繰り返して自分の頭で考える力を鍛える。
作戦(3) 答えを教えるのではなく解き方の筋道を示してあげる。

最初に勉強の目的をはっきりさせる

理科の場合も、基礎力さえ養えれば偏差値を45から55に上げることは難しくありません。ただ、中久木先生は「家庭学習の習慣がついていない子どもが、基礎力を上げるのは簡単ではありません」と話します。

「これまで勉強の訓練をしてこなかった子どもが、すぐに学習習慣をつけることは容易ではありません。その困難を乗り越えるためには、勉強に対する動機づけと、家庭における徹底した学習管理が必要です」

志望校に対する思い入れが強い子どもや目標が明確な子どもは、自ら率先して机に向かうものです。

「まずは親子間でよく話し合って、目標を定めることが大事。また、子どもが独力で学習習慣をつけることは難しいので、最初は親が勉強の面倒を見て あげる必要があります。特に自分の頭 で考えるクセがついていなかったり、 誘惑に駆られやすい場合は、解答や解 説はなるべく親が管理して、簡単に見 られない環境をつくりましょう」

自分の頭で考えるクセをつける

知識分野の問題だけでなく、計算を伴う問題や、グラフや表を読み取る問題がよく出ることが理科の特徴です。

「知識分野を充実させるだけでも、ある程度の成績は残せますが、さらに上を目指すには、計算力はもちろんのこと、データから条件などを類推する『思考力』を養う必要があります」 

計算力や思考力は、日頃の訓練で伸ばせると言います。

「思考力は一朝一夕には養えませんが、問題をたくさんこなしているうち自分の頭で考えるクセをつけるに、考え方のコツや解き方のパターンが見えてきます。ですから、まずは問題に慣れることが大事。難しい応用問題に手を出す必要はないので、『ちょっとがんばれば手が届く』レベルの問題をたくさん解くようにしてください」

家庭で問題演習するときに気をつけたい点として、中久木先生は“答えを教えないこと”を挙げます。

「偏差値45前後の子どもは、物理を苦手にしがちですが、大人から見ると簡単な問題が多いので、親はついつい解き方や答えを教えてしまいがちです。しかし理科は『自分の頭で考える力』をつけることが重要です。子どもが問題に手こずっているときは、答えではなく”ヒント”を示すことが大切。『最初はどこに着目すればいいの?』『次に何を見つけたらいいの?』と問いかけを繰り返し、解き方の筋道を示してあげるようにしてください」

作戦(1) 解けそうもない問題に時間をかけすぎない。
作戦(2) 問題を後回しにするときの“マイルール”を決めておく。
作戦(3) 苦手分野に背を向けず真正面から取り組む。

いい意味で“いい加減”に

偏差値55前後の子どもについて、中久木先生は「真面目すぎることが災いして、かえって点数が伸び悩んでいるケースが散見されます」と指摘します。

「真面目な子どもは、難しい問題に直面したときに、自分の力で解こうと努力します。そして時間をかけ過ぎるあまり、ほかの解ける問題に時間がかけいい意味で“いい加減”にられず、トータルで点数が伸び悩むというパターンがよく見られます」 

偏差値60以上を目指すには、いい意味での”いい加減さ”や”割り切り”を身につける必要があると言います。

「解けそうもない問題が出てきたら、『わからないから、飛ばしちゃえ』と後回しにできる精神的な余裕や柔軟な思考をぜひ身につけてほしいものです。そもそも焦りのせいか問題文を読み違えて解けないという子どもも多く、その場合はいくら考えても解けるはずはないので、諦めるか、あるいは後で再トライするべきです」

難しい問題に時間をかけ過ぎてしまう子どもの場合、あらかじめ”マイルール”を決めておくといいそう。

「たとえば、『30秒考えても糸口が見つけられなかったら、後回しにする』などの決まりを作っておくといいでしょう。時間を置いてから同じ問題に取り組んでみると、さっきは気づかなかった糸口が急にひらめくこともあります。子どもがひとつの問題に手こずっている様子だったら、声をかけてあげてください」

嫌なことから目をそらさない

得意・不得意がはっきりしていることも、このレベルの子どもの特徴です。

「物理はすごくできるのに、生物にな嫌なことから目をそらさないると途端にできなくなるなど、単元ごとの出来・不出来が激しい子どもが目立ちます。しかし偏差値60以上を目指すなら、苦手分野の克服が必要になってきます」

そのため、夏休みに入ったら得意分野の勉強はいったん脇へ置いて、苦手分野の勉強に専念すべきだと言います。

「子どもは嫌がるかもしれませんが、この時期になると、単元の好き嫌いは言っていられません。合格のためには『嫌なこともやらなければいけないんだ』という意識を持たせることがとても重要になってきます。気持ちを切り替える必要がありますから、子どもに対して、ある程度は危機感をあおることも有効でしょう。いずれにせよ、新しいアクションを起こさないと偏差値アップは望めませんから、夏休みを機会に、学習スタイルを思い切って変えてみるべきです」

作戦(1) 『四科のまとめ』を活用して知識をまんべんなく習得する。
作戦(2) まとめて暗記するのではなく小刻みに覚えていく。
作戦(3) 語句は漢字とセットで覚えるようにする。

好きな分野から暗記し勉強のペースを作る

暗記要素が強い社会は、いかにして知識を定着させるかが偏差値アップのカギを握ります。

「偏差値45で伸び悩んでいる子どもは、全単元において知識があやふやなところがあります。一方で、好きな単元と嫌いな単元がはっきりしている子どもも多く、たとえば歴史の知識は完璧に押さえているのに、ほかの単元はほとんど暗記できていないというケースもあります。偏差値50の壁を突破するには、知識をまんべんなく習得する必要があるので、まずは基礎を充実させることが必要です」 

基礎固めのツールとして、金井先生は、四谷大塚の『四科のまとめ』のような基礎力固めの問題集を推奨します。「『四科のまとめ』はまさに基礎固めの問題集ですので、1単元ずつ着実にクリアしていくこと。学習習慣がつくまでは、小刻みにスケジュールを組み、着実に終わらせていくことも大切です。そうすると『ここは終わったから、次に移ろうか』と親が誘導しやすく、子どもも達成感を感じて勉強が進みやすいでしょう」 

最初のうちは、子どもの好きな単元から始めてもいいそう。まずは勉強のペースを作ることが大切だと言います。

「『四科のまとめ』をすべてやり切ることができれば、間違いなく基礎力は向上しているはずです」

語句は漢字で書いて覚える

 基礎固めをする上で、盲点になりやすいのが「漢字」です。

「漢字を苦手にしている子どもは、社会も苦手にしている傾向が見られます。特に、難しい漢字がたくさん登場する政治分野でその傾向が顕著です。たとえば、『違憲立法審査権』という言葉があります。この言葉の意味を正確に理解していれば、そこから漢字を類推できるはずですが、それができずに正しく書き取れない子どもが目立ちます」

原因は、「語句」と「漢字」を別々にとらえてしまっていることです。

「まず『いけんりっぽうしんさけん』という言葉を暗記して、その後に漢字だけ別に覚えようとするのが、漢字を苦手にしている子どもの特徴。難しい 単語を覚えるときは、必ず漢字と語句をセットで理解するようにしてください」

社会科は、地道な努力が必ず報われる科目。金井先生は、「知識さえ定着させれば、必ず偏差値を50台に乗せることができます。毎日の積み重ねを心がけてください」とエールを送ります。

作戦(1) 問題にしっかり目を通しケアレスミスを減らす。
作戦(2) 苦手分野を最優先する勉強スタイルに切り替える。
作戦(3) 部分的に覚えるのではなく全体像をつかむようにする。

一つひとつの問題にシビアに取り組む

偏差値55の子どもの課題について、金井先生は”勉強の精度を高めること”を挙げます。

「基礎力はついているので、どの子どもも各単元の暗記はひと通りできています。そこからさらに上を目指すためには、よりシビアな姿勢で勉強やテストに臨む必要があります」

このレベルの子どもは、問題を解き慣れていることが災いしてか、解き方 が雑な場合があると言います。

「問題文を読み間違えたり、漢字を書き間違えたりと、ケアレスミスが多いことが偏差値55前後の子どもの特徴です。問題文を途中まで読んだ段階で『答えはこれだ』と早合点し、選択肢を勘違いするといったケースも目につきます。そういう単純なケアレスミスのせいでなかなか偏差値が上がらない子どもが少なくありません」

ケアレスミスを減らすためには、丁寧に問題に取り組むことが大切です。

「問題文にしっかり目を通し、細心の注意を払って解答するクセを今のうちに身につけてください。偏差値60の壁を突破するには、一つひとつの問題にどれだけシビアになれるか、丁寧に取り組めるかがカギを握ります」

点ではなく、線で覚える

偏差値55で伸び悩んでいる子どものもうひとつの課題は、「苦手分野の底上げ」です。

「『このくらいの成績で十分だ』と現状に甘んじて、苦手分野を避け、得意分野の勉強にばかり注力する子どもが目立ちます。反対に、偏差値を上げたいと思って苦手克服に取り組むものの、途中でつらくなって苦手克服を諦点ではなく、線で覚えるめる子どももいます」

現状を打破して偏差値を60台に乗せるためには、いつかは必ず苦手分野の克服に取り組まなければなりません。

「そのチャンスが夏休み期間です。苦手分野克服には時間がかかる場合も多いので、夏休みは苦手中心の勉強に切り替えてください」

また、応用力の向上も偏差値アップに欠かせない要素です。

「暗記要素が強いとは言え、社会でも思考力を要する問題は出ます。そういう応用問題は、個別の出来事を部分的に覚えているだけでは解けず、出来事の全体像をつかんでおく必要があります。ですから、暗記する際は『点』ではなく『線』で覚え、細かいところまできちんとチェックすること。少しでもあやふやな部分があると応用問題は解けないので、偏差値を60台に乗せるためには必須の勉強と思いましょう」

サイトマップ
人気記事ランキング
01 特集
そのひと言が子どもを変える! 学力を伸ばすほめ方・励まし方
02 スペシャルウィーク
9歳までに身につけたい国語力
03 子育てに効く脳科学のお話
頭をよくする方法はある?

サイト内検索
 

RSS登録
これまでの特集記事



気になる記事ピックアップ
これまでに公開された記事の中から気になる記事をランダムでピックアップし、表示しています。