「時間」は命そのもの密度を濃くして使う

合格するまでには一般的に6~7年はかかると言われている難関国家資格の税理士試験。時間を上手に使った独自の学習法で勉強した結果、わずか4年で合格を果たした山本憲明氏。時間管理に関する多くの著書を執筆している山本氏は、「時間は命そのものと言えるほど大切」と言い切ります。
「時間は誰にでも平等に与えられていて、お金と違って増やしたり減らしたり、貯めておくこともできません。無意味な使い方をしていれば、どんどん失われてしまいます。でも大事に使えば、時間そのものは増やせなくても、密度を濃くすることはできるのです。時間に対する意識や姿勢が変われば生き方まで変わり、夢や目標が早く現実のものになることを、私は自分自身の体験で学びました」
 当時、山本氏は会社に勤めていたので、仕事をしながら税理士の勉強をしなければなりませんでした。十分な勉強時間を確保できない中、「どうしたら時間を有効に使えるか」をとことん考え抜いたと言います。
「人よりも短い勉強時間で合格しようと思っているのだから、当然人よりも密度の濃い勉強をしなくてはいけません。私は、一定の時間内でこのくらいはできると思う勉強内容に、プラスして20%くらい上乗せした計画を立てて、スケジュールは前倒しを心がけていました」
 ところが、やはり量が多過ぎて、どこかで苦しくなってきます。そんなときは、躊躇なくスケジュールを立て直したそうです。
「予定通り進まずに遅れてしまうと、多くの人は〝もう無理だ"と思ったり、あきらめたりしてしまうのですが、それをやめたんです。できなかった原因の究明もしません。意味がないからです。予定通りに行かなくて当たり前と考え、それよりも〝次、どうするか?を考えることが大事。できなかった自分を責めたり、罪悪感を持ったりしないことです」
 たとえば、1か月でテキスト100ページやるという計画で、15日経った時点でまだ10ページしか進んでいなかったとしたら、山本氏は「残された15日で90ページをやる予定」の計画に変更するのです。
「それでがんばってみてもできなければ、やっぱり計画していた内容が多過ぎたと冷静に認めて、次の計画では、必要ない内容はやらない、最優先させるべきものだけに削っていくのです。この見極めが難しいのですが、試行錯誤しながら自分のペースをつかみました。さらに、学習時間を確実につくるには、早起きして勉強することがとても効率的だということも実感しましたね」
 

子どもには時間管理より没頭できるものを

 山本氏は著書の中で、「早起きして朝1時間の勉強」をすすめています。そのメリットとして「脳がフレッシュな状態であること、時間に制限があることから、ほかの時間帯よりも集中力が高くなること」を挙げています。さらに、時間の大切さを実感できる意味でも効果的だと言います。
 そして、「この方法は子どもの受験勉強でも取り入れられる」と山本氏は続けます。
「ただ、中学受験中の子どもの場合、塾からの帰宅が遅いなど、翌朝早く起きるのは現実問題として難しいかもしれません。睡眠時間を削って朝学習をするのは本末転倒ですから、朝学習をするなら、前日は夜10時くらいには就寝する必要があるでしょう。それができるのなら朝学習はおすすめです」
 実際に山本氏は、2014年2月に次男の中学受験を経験しました。6年生になると塾から帰って来るのが夜10時を過ぎることもあり、朝学習よりは塾のない日の夕方や夜の学習を、いかに効率的にこなせるかがポイントだったと振り返ります。
「次男はまじめだったせいか、家庭学習もコツコツとやる方でした。でも、6年生になるとやらなくてはいけないことが急に増えて、スケジュールをこなすことに苦戦していましたね」
 特にスケジュールを考えるときに難しかったのは「過去問をどのくらいやればいいのか」という点だったとか。やればやるほどいいのかもしれないが、複数校受験するし……と、できる量には限度があることに気づいたそう。
「現実的な妥協点を見つけるには、親の判断が必要だと思いました。ですから、このときは私から塾の先生に相談しました。子ども自身が考えるのは難しいと感じ、ここは親のサポートが必要だと考えたのです」
 そのときのスケジュールは、4教科をそれぞれ塾の宿題と過去問に分け、細かく項目を立てて表にしてプリントアウト。次男がやったところをその都度チェックしていけるようにしました。項目を細かくすることで、チェックするたびに達成感が感じられます。
 また山本家では、直前期であっても学習時間について「何時から何時までは算数」などと、細かくは決めなかったと言います。
「子どもたちは、学校で時間割の通りに行動することを要求されています。それで十分じゃないですか。家では息子には〝〇時から勉強しよう"と言ったり、1時間以上ゲームをやっているのを見たときに〝ちょっとやり過ぎじゃない?"と言う程度の、本人に気づかせるような言葉がけはしましたが、あまり厳しくはしなかったですね」
 山本氏はこの時期の子どもに、時間管理について、あまり踏み込んで教える必要はないと考えています。それよりも「時間を忘れて没頭できるものがあった方が良い」からです。
 中学受験で言えば、第一志望校にどうしても行きたいという強い気持ちが、勉強に集中することにつながれば理想的です。そのためには親が上手にやる気を引き出しながら、子どもに寄り添っていくことが大切です。
 最後に山本氏は、ごほうびをうまく活用することを提案します。
「スケジュールがきつくなってくると、次第に精神的にも疲れてくるでしょう。〝次の模試で〇点以上ならケーキでお祝い"など、小さなごほうびがあると、モチベーションのアップになると思います。もちろん受験が終わったときのごほうびは、とっておきのものを用意してあげるといいですね」

時間を大切に過ごすことが自分の人生を有意義なものにする

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