〝感染〞するとすぐに症状が出るわけではない

 新型インフルエンザやSARS、エボラ出血熱など、近年、世界を騒がせているさまざまな感染症。これらはどのような病気なのでしょうか。
 「感染症とは、細菌やウイルスなどの微生物が身体に侵入したことが原因で起きる病気のことです」と、感染免疫学を専門とする岡田晴恵氏は話します。「細菌やウイルスなどが鼻や口などから身体の中に入って増えることを〝感染〞と言います。ただし、感染したらすぐに〝病気〞になるわけではありません」
 細菌やウイルスに感染すると、身体に備わっている免疫という機能が、細菌やウイルスを攻撃します。
 「免疫には、私たちの身体の外からやってくる悪いもの、つまり病原体から感染症を引き起こす病原体には、ウイルスや細菌などがあります。次のうち、正しいものはどれ?①ウイルスは生物だが、細菌は生物ではない②細菌もウイルスも生物③細菌は生物だが、ウイルスは生物ではない細菌とウイルスの違い私たちの身体を守る機能があります。免疫が病原体を排除するよりも速く、細菌やウイルスがたくさん増えてしまうと、せきやのどの痛み、熱などの感染症の症状が出て、〝病気〞の状態になります」
 受験生にとって身近で怖い感染症の一つがインフルエンザです。
 「インフルエンザに感染した人が、せきやくしゃみ、会話をすることなどによって周囲に唾液や鼻水などの微粒子がまき散らされます。その微粒子には、おびただしい数のインフルエンザウイルスが含まれていて、それを別の人が吸い込んだり、ウイルスがついた手で鼻や口に触れたりすることで感染します。なお、風邪も、インフルエンザと同様のメカニズムで感染する、細菌やウイルスによる感染症です」
 1個のインフルエンザウイルスは、人間の体内に入ると、1日で約100万個にまで増えます。
 「インフルエンザを発症させないためには、ウイルスの体内への侵入を少しでも減らすことが大事です。手洗い・うがいで身体に付着したウイルスを洗い流す、人混みはなるべく避けてウイルスに接触するリスクを下げるなどの対策が考えられます。マスクは自分の体内へのウイルスの侵入を防ぐとともに、自分の体内からウイルスを放出させず人にうつさないという重要な働きがあります。学校でも、友だちに病気をうつさないよう、お互いに気を配りましょう」
 

社会が国際化すれば感染症のリスクも高まる

 最近、世界中の注目を集めている感染症と言えば、西アフリカを中心に大流行しているエボラ出血熱。
 「エボラ出血熱自体は、昔からある病気ですが、これまでは、流行したとしても人口があまり多くないところで終息していて、患者数は400〜500人ほどに留まっていました」
 しかし、今回は首都など、人口が集中する都市部で多くの感染者が出ました。
「首都には空港がありますから、感染者が世界中へ出かけることで、ウイルスも広まってしまうわけです。エボラ出血熱の流行は、飛行機が飛び交う高速大量輸送時代においては、遠隔地に拡大する恐れもあります。社会の国際化が進むのは概ね良いことなのですが、こうしたリスクを生む側面もあるのです。エボラ出血熱に限らず、これまでは一つの地域内での流行ですんでいた病気が、世界中をかけめぐる可能性があります。こうした現状にどう対応していくかは、今後の国際社会にとって大きな課題になるでしょう」

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