まずは基本知識の復習から取りかかろう

 中久木先生は夏休みの重要性について、次のように説明します。「6年生の子どもは、入試までに二つのヤマ場を迎えます。一つは入試の直前期、もう一つが夏休みです。ここでがんばらないと、合格は遠のくばかり。特に夏休みは多くの6年生が本気になる時期です。そのため相当がんばっても、すぐに偏差値を伸ばすことは難しい。ましてや漫然と過ごしていると、一気に差をつけられてしまいます」
 特に学力が伸び悩んでいる偏差値45の子どもは、この夏に気持ちを入れ替えて勉強に臨む必要があります。「このレベルの子どもは、さまざまな単元で基本知識のヌケ・モレが見られます。酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜると中性になる、BTB液に中性の水溶液を加えると緑になるなどの知識があやふやになっている子どもはめずらしくありません。基本が定着していないと応用問題は解けないので、まずは各単元の基本知識を固めましょう」
 このような勉強に力を入れることは、子どものモチベーションアップにもつながります。「知識系の勉強は比較的すぐに成果が表れるので、子どもも達成感を感じてがんばりやすいと思います。先に述べた分野以外にも、人体や生物に関する基本知識が身についていない子どもが多いので、夏の間に手をつけさせてください。偏差値45の子どもは、理科の学習時間を毎日少しでも確保してほしいですね」
 偏差値45の子どもの課題としては、計算問題を解けるようになることも挙げられます。「まずは計算力を身につけさせてください。27×3などの簡単な計算を間違える子どもがいるので、算数の計算練習にも力を入れながら数の感覚を養っていきましょう。"スケジュールに余 裕がない!"と言う人は、塾の休み時間を利用してかけ算や割り算の練習をするよう、子どもに声をかけてはどうでしょうか?6年生は他教科の勉強にも追われて、とても忙しい。だからこそ、5分、10分の隙間時間を有効活用してください」
 さらに、理科の計算問題を解けるようになるには、次のような工夫が必要です。「理科が苦手な子どもは、問題文に出てくる数字を適当に掛けたり、割ったりして答えを出そうとします。このような学習姿勢を夏の間に改善させましょう」
 具体的には、理由を考えさせることがカギを握ります。「比例だから掛ける、反比例だから割るなど、しっかり根拠を持って計算をさせましょう。親の方からも"どうして、そういう計算をしたの?"と声をかけてみてください」
 基本知識の復習に加え、計算問題の苦手克服。理科の学力を向上させるために、やることはたくさんあります。「そのため、多くの親は"あれもしよう、これもさせなきゃ!"と焦り、学習量を増やそうとする傾向が見られます」
 しかし、あまりにハードなスケジュールだと長い期間を乗り切れない恐れがあります。「まずは、"少し足りないかな"と感じるくらいの学習量を子どもに与え、それを確実にこなすことを目指しましょう。また、子どもが予定の時間より早く勉強を終えたときに、"じゃあ、これもやろう"とつけ加えるのも避けてください。子どものやる気を下げる恐れがあります」

この夏で得意単元をさらに伸ばす!

 中久木先生は、偏差値55の子どもについて「各単元の基礎・基本は身についている」と話します。「ただ、単元ごとの好き嫌いが多く、理解度にばらつきが見られます。まずはテストの結果を見直し、得意単元と苦手単元を整理しましょう」
 多くの親は苦手単元が気になるところ。しかし、中久木先生は「夏の間は得意単元の勉強に力を入れてほしい」とアドバイスします。「得意単元でどの程度の点数がとれているか、苦手単元がどれくらい足を引っ張っているかにもよりますが、私は得意単元をさらに伸ばす方向に舵を切った方が良いと考えます」
 その理由について、次のように解説します。「夏休みは1か月以上に及ぶ長い期間です。しかし、塾の夏期講習や1学期の復習、毎日取り組む算数の計算や国語の文章読解などに追われていると、あっと言う間に過ぎてしまいます。そんなタイトなスケジュールの中で、得意単元を伸ばすことと、苦手単元を克服することを両立させるのはなかなか難しい。それならば、どちらかに絞った方が学習効果は高くなります」
 得意単元の勉強に力を入れることには、さまざまなメリットがあります。「まず得意単元の勉強には、それほど長い時間がかからないので、勉強スケジュールが効率的に進みます。また、苦手単元に取り組むときより、子どもが高いモチベーションで勉強に臨めるでしょう。親の中には"得意単元なら、特に勉強することがないのでは?"と思う人がいるかもしれません。しかし、偏差値55の子どもの場合、得意単元と言えど多少の穴があり、そこを完璧にすることにより偏差値60が見えてきます」
 苦手単元については、「秋から集中して取り組もう」とアドバイスします。「残り時間がさらに短くなるので、子どもは良い意味でプレッシャーを感じます。その状況で集中的に取り組んだ方が効率的でしょう」
 子どもの苦手単元がどうしても気になる親には、こんなアドバイスも。「理科の全単元が網羅されている『四科のまとめ』を読み、基本知識のヌケ・モレがないか、確認してみましょう」

偏差値65の子は何をする?

この夏で応用力に磨きをかける

 中久木先生は、偏差値65の子どもに向けて「応用力をさらに磨いてほしい」とアドバイスします。「さまざまなパターンの問題にチャレンジし、理科の“経験値”をアップさせましょう。ただし、新しい問題集に手を出すのは避けてください。これまで使った教材やテストの中から苦戦した問題を選び、再チャレンジしましょう。子どもが理科好きの場合、親が『もっとやらせよう!』と考え、たくさんの問題を与えるケースがあります。しかし、今までの学習ペースを守れば心配ないと思います」
 むしろ、「子どもが理科に逃げないよう注意してほしい」と言います。「理科が得意な子どもの中には、他教科の勉強から逃げる子がいます。しかし、多くの中学校の入試は傾斜配点であり、算数や国語の勉強に力を入れることが必須。特に、理科以外の偏差値がまだ65以下の場合は、他教科の勉強に重点を置いた方が合格に近づきます」

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