読む、理解する、書く。3つの手順を意識
「中学受験突破のために必要な国語力は、文章を読む力、問題内容を理解する力、答える力の3つです」と話すのは、四谷大塚あざみ野校舎で国語の専任講師を務める原健治先生。
さらに中学受験で問われるのは表現力や想像力ではなく、書いてあることから答えを導く力であると続けます。
「中学受験の国語は、文章中の内容から、必ず答えが出せる問題がほとんどです。中には『夏に友だちと遊んだときの経験を具体的に教えてください』といった、その子ども自体の表現力や想像力を問う問題を出す学校もありますが、それは極めてまれなケース。先に挙げた3つの力を、どこまで完成させられるかが勝負です」
では、その3つの力について、一つひとつ見ていくことにしましょう。
まず「文章を読む力」とは、制限された時間の中で、より多くの文字を読み進める力です。
「受験の文章題は、平均して1題3000文字程度の文章です。だいたい2題の文章題を出す学校が主流なので、トータルで6000字程度。つまり、新書だと10ページ前後、日経新聞だと1面分くらいの量ですね。試験時間から逆算すると、具体的には3000字を5分で読むくらいのスピードが必要になります」
次に「問題内容を理解する力」とは、問われている内容を正確に把握するための力です。
「国語の読解問題のうち、傍線部に関する問題は『どういうことか?』と意味を問うパターンか、『これはなぜ?』と理由を問うパターンかの、どちらかに分類されます。どんなに文章が難解であっても、意味と理由のどちらを問われているかを把握できれば、答えへの足がかりになります」
最後に「答える力」とは、自分が見つけた答えを正確に書き出せる力のことです。
「文章中に答えが必ずあるわけですから、それを見つけたら、あとは文字数制限や時間制限の中で、いかに速く的確に答えをつくれるかが重要となります。文章を読み、問題の意味を把握し、さらに考えをアウトプットできるようになって初めて、受験に必要な国語力が身についたと言えるでしょう」
原先生は国語はセンスではなく、努力で必ず学力がアップできる教科だと言います。
「中学受験の国語に限って言えば、この3つの力を着実に伸ばしていけば、学力は必ず伸びます。早い段階で、国語にはその3つの力が必要だと気づけるかどうかは大きいでしょう」
また、出題される文章は、中学生向け程度の文章であることが多く、小6の段階で1~2学年ほど上のレベルの文章を読めるようになっておく必要があるそうです。
「中には新聞記事をそのまま出題したり、大人が読む新書の文章を出したりする難関校もありますが、説明文においては、基本的に『岩波ジュニア新書』のようなレベルの文章がよく出題されます。やはり環境問題などの社会問題を反映した新刊が題材になることが多いですね。物語文は古典から現代作家まで幅広く題材にされますが、近年のトレンドは女性作家。文体がやわらかく読み取りやすいのですが、文章が長めなので出題される文字数も増加傾向にあります」

好奇心を刺激すると国語力も伸びる
中学受験で鍛えた国語力は、そのまま大学受験にもつながる実践的な力になります。
「文章読解の手法は、大学受験でも基本的に変わりません。国語力の高い子なら、中学の段階でも大学受験の問題を解くことができるでしょう。早い時期から意識して国語力を育むことは、のちの大きな財産になると言えます」
では、小4で中学受験の国語にスムーズにシフトするためには、低学年のうちにどのようなことに取り組んだらいいのでしょう。
「文章の読み取りは、一文単位で正確に読めるかどうかがスタート地点です。音読させるときなど、親が言葉や文章の意味をしっかり理解できているかを確認してあげましょう。文字を丁寧に書くことも大切です。読み書きは、双方向で覚えていくのが効率的で、丁寧に文字を書くことで、より単語の意味を覚えやすくなります。さらに漢字の学習も、語彙力アップには不可欠です」
国語力の表れのひとつであるのが、語彙力です。たくさんの言葉の意味を知っているほど表現の幅も広がり、正確に文章を読むこともできます。
「語彙を増やしたいなら、その言葉だけを覚えさせるのではなく、例文ごと覚えるように意識させるといいですね。トレーニングとしては、『この言葉を使って文章をつくってごらん』となどと問いかけるといいでしょう」
原先生は、最終的には批判的に読む姿勢も身につけてほしいと言います。
「書いてあることを的確に受け取ることに加え、『本当にそうなのか、この内容は正しいのか』と問題意識を持って読む積極性は大切です。批判的に読むことで、論理的思考の癖がつき、国語力が飛躍的に伸びることはもちろん、社会性も養われていきます。それは受験だけではなく、社会に出てからも必要な力と言えるでしょう」
とは言え、低学年のうちから批判的に文章を読むことは難しいもの。最初は何から始めればいいのでしょう。
「さまざまなことに興味を持つことが第一歩です。身の回りのことや世の中のことに『どういうことか?』『これはなぜ?』と疑問を持ち、それを知ろうと自分から行動するうちに、考え方の幅が広がり、批判的に文章を読める知識がつきます。親は、いろいろなことに興味を持つ機会を積極的につくってあげたいですね」
国語力は勉強だけではなく、生きることそのものの基本になります。低学年のうちから、親がそのことを意識して、子どもの将来を豊かにするために、積極的に国語力を身につけさせたいものです。

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