この夏に克服したい!4教科別重要ポイント

得意、不得意に関わらず、夏休みの家庭学習で必ず克服しておきたい重要ポイントを4教科別に紹介します。「夏の家庭学習の組み立て方」でお話を聞いた先生方に解説してもらいました。

 

どんな学校でも出題される最頻出単元「平面図形」

多くの学校で出題される「図形」「数の性質」

算数の最重要単元は、なんと言っても「図形」と「数の性質」です。

「特に平面図形は、どんな学校でも出る出題率100%の単元と言えるでしょう。苦手な子どもも多いのですが、解法イメージが比較的つかみやすく、努力すれば成果の出やすい単元でもあります。算数が苦手なら、まず平面図形の克服にチャレンジするとよいでしょう」(松寺先生) 

平面図形の基本は、5年生のうちにひと通りの学習を終えていますが、1年経って忘れている場合も多いよう。

「もう一度、図形の面積や角度などの基礎知識をおさらいし、その知識を問題に当てはめて解いていく練習が大切です」 

また立体図形も上位校、特に男子校では頻出の単元。切断では図を書くことが立体思考そのものです。時間を確保して練習不足を解消しましょう。「数の性質」も多くの学校で出題されますが、上位校を目指すなら、「基本事項プラスαの力」が必要です。

「約数や倍数そのものを聞かれるだけなら簡単です。でもたとえば"約数の差"のようなちょっと変わった問い方をされたとき、基本事項をどう使えるかが勝負。そのためには問題に沿って数を書き出す、場合分けするなど、書いて気づく感覚を身につけることが大切です。実際に手を動かして調べることをコツコツ練習しましょう」 

上位難関校を狙うなら長い「文章題」にも慣れておきたいところ。

「当たり前のように感じるかもしれませんが、まずは問題の意味を正しく理解できるかどうかが大切です。また、多くの条件のうち、まずどれを使うといいのか、または条件を整理すると見えてくる規則性に則って適切に処理できるか、といった力が要求されます」

上位難関校を狙うならば、速さや濃さの文章題の練習も、夏の学習メニューにはぜひ組み込みましょう。一問一問、丁寧に向き合い、条件を整理して粘り強く考える練習をすることで、難しい文章題を解く力もついていきます。

[平面図形]

右の図のように、点Oを中心とする円の一部があり、角AOBは直角です。円周の上に点Cをとり、半径CO、BOの上にそれぞれ点P、Qをとります。このとき、点Pは半径COの真ん中の点で、角APOと角CQOも直角になりました。図の色のついた(ア)の部分の面積と、図の色のついた(イ)の部分の面積の差は何平方cmですか。

解答

AO:OP=2:1だから三角形AOPは 30°-60°- 90°の三角定規(正三角形の半分)

同様に三角形COQも 30°-60°-90°の三角定規でこの2つの三角形は合同。

(ア)(イ)の面積の差は おうぎ形AOCとおうぎ形COBの面積の差に等しいから
6×6×3.14×60/360-6×6×3.14× 30/360
=3×3.14
=9.42(cm2)

 

[立体図形]

直方体をななめに切断してできた右の立体の体積と四角形ABCDの面積を求めなさい。(影をつけた部分が切断した面である)

解答

この立体の平均の高さは71+152 =43(cm)
だから体積は48×15×43=30960(立方cm)
向かいあう辺の和は等しいからDC+51=71+15よってDC=35(cm)
四角形ABCDの面積は(71+35)×48÷2=2544(平方cm)

 

[数の性質]

整数Aを2つの整数の積で表すとき、その2つの整数の差の中で最も小さい数を《A》と表すことにします。たとえば3は3×1と表せるので、《3》=3-1=2です。4は4×1と2×2の2通りに表せるので、《4》=2-2=0です。次の問いに答えなさい。

(1)《61》、《180》をそれぞれ求めなさい。
(2)《A》=6となる整数Aを最も小さいものから順に3 つ書きなさい。
(3)整数Aが1000より小さいとき、《A》=1 となる整数Aは全部で何個ありますか。

解答

(1)
《61》=61-1=60
《180》=15-12=3

(2)
差が6になる整数を小さい方から順に書き出してその積を求めると
1×7=7
2×8=16
3×9=27
4×10=40
5×11=55
6×12=72

この中で約数の差の最小が6になるものを小さい方から順に3つ書くと7、27、55

(3)
差が1になる整数を小さい方から順に書き出してその積を求めると
1×2=2
2×3=6
3×4=12

31×32=992
これらの数はすべて条件を満たすから31(個)

 

[文章題]

AさんはICカードを使ってバスに乗ります。ICカードとは、チャージ金額が記録されているカードで、乗車するごとに運賃と同じ額だけチャージ金額が減るものです。正規運賃は210円で、正規運賃で4回乗車するごとに次の1回は割引運賃で乗車できます。1回目の割引運賃は100円、2回目の割引運賃は90円、3回目の割引運賃は80円、……というように割引運賃は回を追うごとに10円ずつ額が減っていき、0円になったらそれ以降は、4回乗車するごとに次の1回は0円、すなわち無料で乗車できます。Aさんがバスにはじめて乗車する前のチャージ金額は3000円で、チャージ金額が210円未満になったら次回乗車するまでにAさんが5000円チャージ(入金)することにします。

(1) Aさんは1回もチャージすることなく、このICカードで何回まで乗車できますか。
(2) はじめて0円で乗車できるまでに、Aさんは何回チャージすることになりますか。
(3) このICカードで2012回乗車するまでに、Aさんは何回チャージすることになりますか。

解答

(1)
210×4=840
(840+100)+(840+90)+(840+80)=2790
3000-2790=210(円)より
(4+1)×3+1=16(回)

(2)
840×11+(100+10)×10÷2=9790(円)
(9790-3000)÷5000=1……1790
1+1=2(回)

(3)
2012÷(4+1)=402…2
9790+840×(402-11)+210×2=338650(円)
(338650-3000)÷5000=67…650
67+1=68(回)

 

 

読解問題は「量より質」時間を計って読む練習を

読解問題の武器になる「知識」の復習も忘れずに

国語の学習と言うと、文章読解が中心になると思いがちですが、弦間先生は「基礎知識もおろそかにせずに取り組むべき」と強調します。

「漢字やことわざ、慣用句などの知識は、"文章読解の武器"になるものです。夏休みは読解問題と並行して、知識の復習も積み重ねていってほしいですね」(弦間先生)

また弦間先生は、入試にはあまり出ないと言われている詩、短歌、俳句などの分野も知識の復習は怠らないで欲しいと言います。

「確かに入試での出題は少ないですが、全く出ないわけではありません。今の段階でどうせ出ないと決めつけてしまう学習態度は、本当の学力にはつながらないと考えています」

もちろん、読解力の強化も夏休みに取り組みたいことです。

「読解問題は一日一題をしっかり解くのが理想。たくさんの問題を解く必要はありません。逆にたくさん解くと"読む→解答する→丸つけして終わり"の作業になり、意味がありません。国語は量より質。間違えた問題は"なぜ答えがそうなるのか"を納得するまで考えることを繰り返しましょう。そういった地道な努力が読解力のアップにつながります」

読解問題に関しては、自分で時間を設定し、その時間内で解くという練習が効果的だと先生は続けます。

「入試本番では、6000字の長文を10分で読むスピードが必要とされます。これは大人でもなかなか難しいスピードです。まだ今はできなくてもかまいませんが、この速さを目標にして、時間を計って読む練習を積み重ねましょう」

国語に苦手意識があったり、家庭学習で読解問題を毎日解く余裕がない場合、その日夏期講習で解いた問題を、もう一度読み返し、大事なところにマーカーで線引きすることから始めてみるといいでしょう。

「小5の問題をやり直してもいいですね。やさしい問題で自信をつけて、達成感を感じることが、読解力のアップにつながります」

[文章読解の道具]

「芭蕉」について、以下の(1)、(2)の問いに答えなさい。

(1) 弟子の曾そ良らをひきつれ、江戸を出発し約百五十日かけて大垣(現在の岐阜県大垣市)に着くまでの様子を、五十余句を散りばめながら記録した作品名を答えなさい。

(2) 右の地図は芭蕉が(1)の作品で旅した経路を示しており、次のア?コは芭蕉が経路上でよんだ句である。地図上の●地点でよんだと考えられる句として最もふさわしいものを次のア~コから一つ選び、記号で答えなさい。またそう考えられる理由を説明しなさい。

(ア)あらとうと青葉若葉の日の光
(イ)暑き日を海に入れたり最上川
(ウ)荒海や佐渡に横たう天河
(エ)五月雨の振り残してや光堂
(オ)行く春や鳥啼き魚の目は涙
(カ) 閑かさや岩にしみ入る蝉の声
(キ)夏草やつわものどもが夢の跡
(ク) 名月や北国日和定なき
(ケ) 風流の初めやおくの田植うた
(コ)草の戸も住みかわる代ぞ雛の家

解答

(1) 奥の細道
(2) ク

芭蕉は晩春に江戸を旅立ち(オ、コ)、その後、日光や平泉の古戦場を訪ねたり(ア、エ、キ)、田植えに風流を感じたりしながら(ケ)、夏の暑い盛りも旅を続けた(イ、カ)。秋の気配が漂う頃、佐渡を遠くに眺めながら西に向かい(ウ)、北国で名月を眺め(ク)、大垣についたのは旧暦の八月末だった。

 

[文章読解]

ツバメが、人家の軒下などで繁殖するということは、だれもが知っている。明治・大正時代は( B )、江戸時代や鎌倉・平安時代にまでさかのぼっても、おそらく人家で繁殖していたのであろう。日本で最古の物語である『竹取物語』にも、ツバメが人家の軒下で営巣している光景が描写されているように、ツバメが建物内で繁殖するという記録は古く、大昔からの習性のように思える。

( 1 )、ツバメが人家に営巣するという習性は、ツバメ本来の習性なのだろうか。鳥類の祖先である始祖鳥が、ジュラ紀の地層から出土しているように、人類の起源よりも、鳥類の起源のほうがはるかに古い。人類の出現よりも、ツバメが先に出現していたにちがいない。とすれば、人類もおらず、当然のことながら人家も商店街もなかった時代に、ツバメは自然のどこで、どのように繁殖していたのであろうか。そして、人類が出現し、集落を形成するにつれて、なぜツバメたちは自然の繁殖場所を放棄して、人為環境を選択するようになったのだろうか。

このように考えてみると、ツバメが人家の軒下などで子育てをするのは、太古の昔からの習性ではなく、過去のどこかで、人類と出会うことによって、繁殖場所を変更したにちがいない。変哲もないツバメの繁殖の場所であるが、疑問をもって考えてみると、急に謎めいたものに感じられてくるのである。

大自然の中での繁殖を放棄し、人家周辺をすみかとして選択した島としては、ツバメの他には、スズメも挙げられよう。

スズメは人の住む所に、人とともに生息している。森の奥深くや、山の中の一軒家などにはいない。ある程度の集落が発達し、人が定住しているとスズメも定着するようになる。過疎の村で、ついに人が住まなくなると、いつの間にか、スズメの姿も消えてしまうし、逆に、新しくスキー場やゴルフ場がオープンし、人が住み着くと、スズメも定着するようになる。スズメはその意味で、ゴキブリやイエネズミ、イエカなどと同様に、人類に随伴し、人為環境にうまく適応して生活している。

( 2 )スズメが繁殖し、定着しているかどうかは、その地に人が定住しているかどうかのバロメーターにもなっている。

今から十年ほど前、東京の都心部で、スズメもツバメも繁殖していない空白地帯を発見したとき、私は少なからず興奮したことを思い出す。スズメたちは、都心部を過疎の地として認識しており、都心部に人が定住していない都市空洞化現象を、空白の繁殖分布として表現していたのである。

問1
( 1  )〜( 2  )に当てはまる言葉として最もよいものを次から選び、記号で答えなさい。
(ア)だから (イ)しかし (ウ)あるいは (エ)また (オ)たとえば

問2
( B )に当てはまらない言葉を 次から選び、記号で答えなさい。
(ア)いうまでもなく (イ)もとより (ウ)さておき (エ)もちろん

問3
――線( 1 )「疑問をもって考えてみると」とありますが、この場合の疑問とはどのような「疑問」ですか。次から二つ選び、記号で答えなさい。
(ア)ツバメはどうして農村だけでなく、都会でも繁殖するようになったのだろうかという疑問。
(イ)人類が出現する前のツバメは、どこでどのように繁殖していたの だろうかという疑問。
(ウ)ツバメが人家の軒下などで子育てするのを、どうしてだれもが知っているのだろうかという疑問。
(エ)ツバメはなぜ自然の繁殖場所を放棄して、人の住んでいる環境の中で繁殖するように変わったのだろうかという疑問。
(オ) ツバメの繁殖場所に疑問をもつと、急になぞめいたものに感じられるのはどうしてかという疑問。


 

解答

問1
(1)イ(2)ア

問2


問3
イとエ

――線( 1 )内の「疑問」という言葉から、「~か」がイメージできる。すると線( 1 )より4行前の行にある「~だろうか」を発見できる。また、その文の冒頭に目を移すと「そして」が添加を意味するので、その前文の「~か」を発見でき、ふたつの疑問がそれとわかる。

 

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