算数・国語の1時間の学習内容

 1日の学習スケジュールが決まったら、今度はその中での1時間のスケジュールを立てて、子どもが最も集中して学習ができるやり方を考えていきましょう。
 前述の通り、理科と社会はまとまった時間で勉強するよりも、隙間時間を使って勉強する方が効果が高いと言われています。ですので、まずは算数と国語の2教科を中心に、1時間の使い方を見ていきます。
 では1時間の勉強時間をどのように割り振って考えたら良いのか、その流れについて聞きました。
「算数は、最初に基本的な問題を解き、知識や考え方の確認をし、その後、発展問題に手をつける形が良いでしょう。四谷大塚で言えば、演習問題集の基本問題から始めて、次に練習問題をやるイメージです」(伊奈先生)
 問題の難度が高く、解くのに時間がかかってしまう場合であったとしても、1問に15分以上かけないことが一つの目安となります。わからなかったら飛ばして次の問題に取りかかり、〝最低でも2問"などと自分なりの目標を持って取り組むと良いと伊奈先生はおすすめします。
 算数はこのほかに1日10分の計算演習と、塾の授業の復習も必要になってくるので、トータルで見ると長時間を算数に費やすことになります。しかし、受験の合否を大きく左右する科目ですので、最低でも1時間はしっかり確保し、考える時間をつくることが大切と言えるでしょう。
「国語は、大きく言えば1時間で塾の予習や復習をこなせればいいと思います。目安としては予習に20~25分、復習に30~40分くらいと、復習に重点を置いた方が良いでしょう。特に記述問題に関しては苦手意識のある子も多いので、1時間の学習時間内で〝記述問題で空欄はつくらない"といった目標をつくって、モチベーションを持続させることができると良いですね」(小峰先生)
 漢字や言語要素の学習は、この1時間には含めず、隙間時間を活用するようにしましょう。

理科・社会は週末に時間をとる

 理科と社会については隙間時間を使った方が良いと前述しましたが、週末などは、平日の隙間時間でやってきた内容をまとめる意味でも、演習問題集などに30分~1時間ほど取り組み、理解を深めるのが理想です。
「理科に関しては、塾のテキストの新しい単元を読んで、いったん閉じてから問題集を解いてみる。そしてその後、テキストを見ながら、できなかったところを穴埋めして解答を完璧にする、といった学習ができるといいですね」(熊澤先生)
 さらに熊澤先生はこう続けます。「テキストを読んでから問題を解き始めたとしても、最初は記憶の定着が十分ではないので、解答欄に空欄ができてしまうこともあると思います。そういうときは、正解を思い出すことに時間を費やしても、あまり効率的とは言えません。ですので最初は、テキストを見ながら問題を解いてみる、という形でも良いと思います。そうしてある程度覚えることができた時点で、今度はテキストを閉じて問題を解いてみましょう。ここで大事なことは、〝一度頭の中に知識を入れて、それを自力で取り出す"という過程です。空欄を眺めるよりも、そういった時間の使い方をしてほしいですね」
 また、社会について横濱先生は次のようにアドバイスします。
「社会にまとめて時間をとれるのであれば、知識の定着を図る基本問題を解き、その発展問題までやってみると良いでしょう。四谷大塚で言えば、演習問題集の〝まとめてみよう"を15分、練習問題を10~15分ぐらい、というのが目安です。また塾のテキストの、次の授業で習う部分を10分程度で良いので読んでおくことも有効でしょう。そういった勉強を続けると、かなり力はつくと思います」
 テキストを読む、という点で理科と通じるところもありますが、横濱先生はさらに音読の重要性を教えてくれました。
「テキストを、黙読するのではなく、音読することが大切ですね。それを親が聞いてあげることによって、語句を間違って覚えていないか、確認することができます。たとえば、〝ニューヨーク"を〝ニユーヨーク"、〝リユース(再利用)を〝リュース"と覚えてしまっている子もいました。こうした細かい記憶の誤りは大人が指摘してあげましょう」

子どもが納得できるスケジュールが大事


 ここでは、1時間のスケジュール例を挙げていますが、授業や試験は1コマ50分の場合が多いので、家庭学習でも「50分やって10分休み」のペースで良いと先生たちは言います。適度な休憩を挟むことは、子どものモチベーションの持続につながります。
「また朝学習に関しては、最初から〝朝食前の1時間"などとせず、まずはいつもより10分程度の早起きから始めて、20分、30分……と徐々に長くしていく方が、早起きを習慣にしやすいですね」(伊奈先生)
 大切なのは、「1時間ぴったり勉強する」ことよりも、「この1時間で予定した分量の問題をやる」という意識で臨むことです。スケジュールを作成するというと、とかく時間の区切りを決めるものだと考えがちですが、そうではなく、「その時間で何をするか」という視点を忘れないようにしたいものです。
 1週間、1日、1時間と学習スケジュールの立て方を紹介してきました。ポイントとして、スケジュールは「子どもと一緒に立てること」、「子どもの意見を尊重して、子ども自身の希望をスケジュールに反映し、主体性を育むこと」が、何よりも大切です。子どもが納得していないスケジュールは、親に〝やらされている感"しかないので、モチベーションも上がりません。その結果、当然学習効果も期待できないでしょう。
 中学受験はよく長距離を走るマラソンに例えられますが、2年、3年と続 く、長期間のマラソンです。無理のない速さで、長く走れるようなスケジュールづくりを心がけてください。

50分集中して10分休憩をとるのが1時間の上手な使い方

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