長田 未央 氏
東伏見校にて、ジュニアクラスと大人クラスのコーチを担当。一人ひとりの成長に気を配り、子どもの挑戦する気持ちをサポートする。

ほめ方のブレを減らし成長をサポート!
水泳の技術を教えるとともに、子どもが社会に出てから困らない素養を身につけさせることを大きな目標としている長田未央氏。
「あいさつや整理整頓、相手の目を見てハキハキと受け答えをすることの大切さを伝えています。子どもができていないときは、私自身が実践できていない恐れもあるので、我が身を振り返ることも忘れないようにしています」
イトマンスイミングスクールでは、水泳の技術に応じた25段階の級があり、月1回の昇級テストに向け、子どもたちは練習に励んでいます。
「子どもはテストで結果が出たときに一番喜びますが、私は普段のがんばりを注視するようにしています。小学校高学年になると、言葉よりも行動で努力をアピールする子どもが増えてきます。そんなときに漠然と"がんばったね"と声をかけるのではなく、"ちゃんと腕を曲げようとしているね" "最後まで正しいフォームで泳げていたよ"など、一人ひとりの努力を具体的に伝えるようにしています」
さらに、自分の気持ちを言葉に込めるのも、ほめ方の秘訣です。
「"上手になってくれて先生もうれしい!"という声がけをすることがあります。自分が決めた目標や将来に向けて努力することはもちろん大切ですが、他人のために力を注ぐことのすばらしさにも気づいてほしい。それが社会に貢献できる人財の育成につながると考えています」

人のためにがんばる大切さを伝える
生徒の中には練習では上手く泳げるものの、昇級テストや大会になると、力を十分に発揮できない子がいます。
「多くの場合、自信のなさが原因だと思います。大会の直前にリラックスさせることも重要ですが、やはり普段から過去の積み重ねに目を向けさせ、子どもの心に自信が沸いてくるようにすることが肝心。練習の様子を見守りながら、"これだけ練習してきたんだから大丈夫!" "テストでもいい結果が残せるよ"などと声をかけています」
すべての子どもに、「コーチから特別扱いを受けている」と感じさせるのも、ひとつのテクニックです。
「控えめな子は個別に呼んで、成長した部分を具体的にほめる。反対に、目立ちたがり屋の子は皆の前でほめたりと気を遣います。なかなか上達できない子どもがいた場合でも、"○○くんはゆっくりだけど確実に進歩しているから、先生も教えがいがあるよ"などと声をかけて、子どものモチベーションが続くように働きかけています」
イトマンでは、級ごとに担当コーチが変わりますが、コーチ同士で密にコミュニケーションを取り、一人ひとりの長所を共有しています。
「そうすることで、ほめ方のブレが減り、子どもが戸惑いません。家庭でも夫婦でほめ方について話し合い、共通認識や役割分担を考えておくといいかもしれません」





玉置 晴一 氏
高校卒業後に川崎フロンターレに加入。2005年からスクール担当コーチを務め、現在はU-12の監督を務める。

自分で考えてプレーできる選手を育てる
川崎フロンターレの指導方針は自分で考えてプレーできる選手を育成すること。U-12の監督を務める玉置晴一氏は、指導内容を次のように語ります。
「監督やコーチがある程度の方向性は示しますが、『それは考える上でひとつのヒントであり、絶対的な正解ではない』というスタンスです。たとえば最近は、"相手ゴールに向かう意識を強く持とう"と指導していますが、選手全員が前がかりになると、攻守のバランスが悪くなる。そんなとき、あえてポジションを下げる選択をした選手をほめたりしています」
サッカーの試合では、状況が絶え間なく変化し、ポジションごとに求められる役割も異なります。
「さらに、子どもによって性格はバラバラ。同じ言葉をかけても、心に響く子と、そうでない子がいます。また、声をかけるタイミングで反応が違ったりと、考慮すべき要素が多いです」
玉置氏はいろいろな指導者が書いた本を読んで、日々勉強しています。
「やはり、一人ひとりをよく観察することに尽きるのかなと思います。子どもの行動をメモするなどして記憶に留め、変化が起きたときにタイミングよく言葉をかける。そのサポートが、成長を早めるのではないでしょうか」

挑戦する姿勢を何よりも評価する
玉置氏は保護者に「日頃の態度にも目を向けてほしい」と伝えています。
「子どもを観察するには、試合だけでなく、練習の細かいプレーや生活面もチェックすることが欠かせません。クラブでは、あまりサッカーに詳しくない保護者に向けて、"あの選手の効果的な走り込みで攻撃するスペースができた"などの解説を行なっています。そうして、"いいプレー"の基準を知ってもらうのです。受験勉強でも、塾の先生のアドバイスに親が耳を傾けることで、子どもの成長した一面に気づけるのではないでしょうか」
さらに、子どもへの声かけについて、保護者に話していることもあります。
「試合中に"そこはドリブルだろう!"とか、"右のスペースが空いているからパスを出して!"といったコート外からのコーチングはしないようにお願いしています。それよりも、"がんばろう!" "まだ逆転できるぞ!"といった励ましの言葉をかけてもらったほうが、自主性や判断力は磨かれます」
サッカーは、チャレンジとミスを繰り返すスポーツであり、普段の指導では挑戦する姿勢を何よりも評価します。
「ある選手が出したパスが味方に渡らなくても、その子なりの狙いを感じたら、"パスのコースとスピードは悪くないぞ"と声をかけます。これはシュートに関しても同じです。特に、プレッシャーのかかる試合では、最初のシュートがチームの緊張をほぐす効果もあるので、積極的にほめています」
受験のサポートにおいても、難しい問題にチャレンジした姿勢をまずは認めるといったように応用できそうです。



本田 小百合 氏
日本将棋連盟所属の女流棋士。女流三段。1992年にプロ入りし、女流王座戦などで活躍。子どもスクールにて講師を務める。

子どもの目線でほめるポイントを探す
子どもとの対局で「こんな手をよく見つけたね!」など、積極的にほめることを心がけている本田小百合氏。子どもの成長に気づいたときは、その場ですぐに声をかけています。
「将棋教室では、さまざまな指し方を教えています。しかし、習ったことを対局で実践するのは、そう簡単ではありません。ですから、子どもが教わったことをやろうとしただけでもほめます。また、ユニークな指し方をしたときは、多少破天荒であっても、その姿勢を認めるようにしています」
盤面を見せながら攻め方を解説する講義のときも、子どもの考え方を広げるように心掛けています。取材日の講義では、「"金"を使った攻め方」がテーマ。この場合、盤面の中央に相手の「王」があったら、その左右に「金」を打ち、詰みに行くのがセオリーです。
「横の関係で挟み撃ちにするだけでなく、上下の縦関係に応用することも教えます。しかし、横がマスターできても、縦の場面に遭遇したときに気づけない子が多い。けれど、一度にすべてを理解するのは、子どもにとって至難の業です。子どもの目線に立って、まずは基本の攻め方を覚えたことをほめています」
講義は、講師が子どもに指し手を質問しながら進みますが、中にはなかなか手を上げられない子も。
「そんなときは、簡単なレベルの問題を出します。たとえば、"金をどこに打てばいいでしょうか?"という質問をしたとします。将棋盤のマスで指せる場所は3つしか空いておらず、ふたつのマスは検証済みで、最後の1マスしか残っていない。そのような状態でも、子ども自身に答えてもらいます。この小さな成功体験を積み重ねることで、積極性が芽生えてくるのです」

1回の勝利で自信を取り戻せる
将棋は、才能やセンスが実力を左右するようなイメージがありますが、何よりも大切なのは日頃の勉強です。
「大会で結果が出始めた子どもには、"どういう勉強をしているの?"と声をかけ、日頃の練習量に注目します。すると、"将棋の本を読んだから勝てたのかな?"などと、子ども自身が勝因を考えるきっかけが生まれます」
将棋の世界では、どんな対局でも勝ち負けがつき、その結果に落ち込む子どもが少なくありません。
「だからこそ保護者には、"勝敗に敏感になりすぎないでください"と伝えています。家庭で将棋を指すときは、親がわざと負けてあげるのもときには必要だと思います。私も指導対局で、最善の手を知りながら、あえて悪い手を打って子どもに勝たせることがあります。私がわざと負けたとわかっていても、大抵の子どもはやる気を取り戻し、レベルアップの糸口を見つけてくれます。受験勉強に取り組む子どもにも、簡単な問題を解かせて自信を持たせるといったように応用できるのではないでしょうか



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