うちの子の夏休みスケジュールを立ててください!

ここでは四谷大塚の先生たちが、4月15日に開催した合不合判定予備テストの結果をもとに、読者親子の第一志望合格夏休みスケジュールを作成します。学習内容だけではなく、子どものやる気を引き出すコツも聞いてきました。

〈相談に乗った先生〉
算数:岩室圭先生(大船校舎専任講師)
国語:高須大先生(渋谷校舎専任講師)
理科:中久木智和先生(あざみ野校舎専任講師)
社会:齊藤啓先生(渋谷校舎専任講師)

IT授業を見るだけの家庭学習に不安……。書く学習をさせたい!

息子はパソコンが好きで、パソコンを使った予習ナビや復習ナビ(四谷大塚が配信しているIT授業)は自分からやるのですが、テキストやノートを開いて学習をしている様子がないんです。自分の手で書いて覚えないと、わかっても解けるようにはならないのではないかと心配しています。

塾のある日は無理せず2時間集中して勉強


【現在の家庭学習の状況】
●塾のある日
塾に行く前にテキストを30分程度見る。帰ってきてからは疲れているようで、復習しなさいと言っても嫌がる傾向がある。
●塾のない日
時間は計ったことがないのでわからないが、復習ナビを熱心に見ていることが多い。

【各教科について】
算数が一番得意で、最近、国語の成績も上がってきた。苦手教科は理科で、毎回偏差値が50を下回る。社会は分野によって波があり、地理や時事問題は得意だが、歴史が苦手。

【性格】
マイペースでのんびりしているところがあるので、こちらがイライラして勉強に口を出すと「今やろうと思っていたのに!」と嫌がる。確かに自分で計画をしているところもあるようだが、本当に任せっきりにすると十分に家庭学習をしているとは言えない。自分のやりたいことややりたくないことに関しては、はっきりと言うタイプ

IT授業を見ているだけでは学習効果は出ないというのが、先生方の共通意見。理科の中久木先生は「IT授業を見ながらノートを取ったりしているならいいのですが、鈴木くんの場合、見ることそのものが目的になっていて、勉強という本来の目的から逸れてしまっているのではないでしょうか」と指摘します。いわば鈴木くんは家庭学習をあまりやっていない状態だと言えます。だからこそ、夏休みのがんばり次第で、成績が劇的に変わる可能性があると言うのは、算数の岩室先生です。

「入試の最重要事項をまとめた四谷大塚の教材、『四科のまとめ』を徹底的に解くだけで成績は飛躍的にアップするはずです。そのためには夏休み中塾のある日は無理せず2時間集中して勉強に350題ほどの問題をすべて終わらせ、2回目に取りかかるぐらいのやる気はほしいところです。できれば、塾のある日も算数だけで2時間は勉強してもらいたいと思いますが……」

もちろん、算数以外の教科も、毎日コツコツ取り組むことが理想ではあります。しかしノートやテキストを使っての学習習慣がついていない場合、現実的には2時間が限度と推定し、「塾のある日は算数だけ2時間やればいい」と言うのは中久木先生。その代わり、理科や社会は電車で移動中の時間など、細切れの時間を活用したり、国語の物語文を読むだけでも、毎日の生活に取り入れることを勧めます。

「ただし、国語の記述問題は解答を見てわかったような気になっただけでは力は伸びません」と国語の高須先生。

「塾のある日は算数メインで勉強するとしても、夏期講習で間違えた問題だけは当日のうちにやり直しておいた方がいいですね。記述問題は自分の言葉で書くことで身についていきます」

頭がすっきりしている午前中をメインに学習

では、塾のない日はどのくらいの勉強時間を確保すべきなのでしょうか。

「理想を言えば6、7時間程度勉強して欲しいのですが、鈴木くんの場合、急に詰め込みすぎるのはNGでしょう」と言うのは中久木先生。

「午前中は勉強、午後は自由時間とメリハリをつけたほうがいいかもしれません。最低限、午前中に3時間勉強し、できるようなら午後に1時間加えるといいでしょう」

 国語と理科、社会は、塾のない日しか、まとめて勉強する機会がありません。社会の齊藤先生は、次のような勉強スタイルを勧めてくれました。

「時間がある夏休みだからこそ、地図や年表の作成に取り組んで欲しいですね。自分でつくることで定着度が高まるし、その成果物を9月以降の勉強に活かすこともできます」 

また、午前と午後に勉強時間を分ける場合、「頭の冴えている午前中は文章読解問題に取り組んでほしい」と言うのは高須先生。

「午後は手を動かすような漢字の書き取りなどをするといいでしょう。たとえば1日20個は練習すると決め、夏休み中続ければ、多くの漢字を覚えられるはず。書けなかった漢字のリストをつくれば、社会の地図や年表のように、夏の成果物になります」

苦しい夏を乗り越える意識づけと環境整備を

「夏期講習の復習も欠せません」と言うのは算数の岩室先生。

「特に間違えたところはきちんと解き直しましょう。わからない問題は解説を読んでしまって構いません。その後、時間をあけずにすぐ自力で解き直す」ことが力をつけるポイントです。理科の中久木先生も夏期教材の復習を中心に学習することを勧めます。

「夏期教材をしっかり学び『四科のまとめ』で知識の補強をすれば、学力はぐっと伸びます。お母さんは勉強そのものを見てあげる必要はありませんが、『わからないことは塾の先生に聞きなさい』と質問に行くことを促してください。家庭では勉強時間を計るタイムキーパー役に徹しましょう」

鈴木くんのようにマイペースでのんびりした性格の場合、たとえば1問の回答時間を10分ごとに区切って時間を知らせてあげることも効果的です。

また、夏休みのこの時期に第一志望への気持ちを高めるのも、親の大切な役割のひとつと言うのは齊藤先生。

「親子ともども『この学校に行きたい、行かせたい』という気持ちを再確認することが大事。たとえば安全圏だからといった理由で志望校を決めるご家庭もありますが、合格を願う気持ちがなければ、苦しい夏休みの勉強は乗り越えられません。ご父母はお子さんの勉強する意欲を盛り上げ、勉強環境を整え、夏の天王山を乗り切ってください!」

塾のある日は算数に特化。最低2時間の学習を習慣づけて。

今まではIT授業を見るだけだったので、塾のある日は最低2時間の家庭学習をするところからスタートしましょう。2時間では全教科に手が回らないため、算数の勉強のみでOK。その代わり、塾のない日は倍の4時間を目標に。頭がすっきりしている午前中の3時間は、算数や国語の記述問題に取り組むといいでしょう。午後の1時間では社会の地図や年表づくり、理科のまとめを。学習態度が本気になっていないのは、志望校に対する熱意が低い可能性もあるので、意識づけをしっかりとしてあげましょう。

算数

まずは『四科のまとめ』を徹底的に解くこと!間違えた問題、わからなかった問題は解説を読んで、すぐに解き直すことが重要。

国語

記述問題は解説を読むだけではダメ。しっかり手を動かして、自分の言葉で書く練習をすることが大切。漢字は1日20個をノルマに総復習を。

理科

夏期講習のテキストをしっかり復習し、『四科のまとめ』で知識を補強!集中力が続かないときは、1問10分の時間設定をするのも有効。

社会

時間のある夏休みは地図や年表をつくるチャンス。知識を定着させる効果があるとともに、成果物を使って夏以降の勉強につなげられる。

受験のプレッシャーからなのか成績も、モチベーションも下降気味なのが心配……。

娘は受験が近づいてプレッシャーを感じているのか、小6になってからイライラすることが増え、モチベーションが下がっているように見えます。その影響かもしれませんが、最近では成績も下降気味で……。家庭学習のときも「集中できない」といらだつことがあり、気になっています。

苦手な読解力を伸ばし他教科のミスも減らす


【現在の家庭学習の状況】
●塾のある日
塾に行く前に30分ほど宿題をやるぐらい。帰ってきてからは早く寝かせるため、特に勉強はしていない。
●塾のない日
学校から戻って夕食前の17時~19時30分くらいまで勉強している。たまに「宿題が終わらないから」と夕食後も勉強することがある。

【各教科について】
もともと得意・不得意の差があまりないが、最近は全体的に下降気味で、特に算数が下がっている。星座が苦手な理科の成績も下がっている。一番苦手意識のある国語では、物語文で知らない語彙が出てくると文章全体がわからなくなると言う。社会は歴史や地理が苦手だが、勉強したときは成績が上がる。

【性格】
陽気で好奇心旺盛、積極的な性格だが、辛さを我慢してまでがんばろうとするタイプではなく、粘りがないと感じるときも。勉強は自分からコツコツやるほうだが、ときには集中できずにダラダラ続けていることもある。

小2まで海外で暮らしていた帰国子女の佐藤さんは国語が苦手。ボキャブラリーが少ないため、物語文を読んでいる途中で意味がわからなくなってしまうことがあるそう。

「語彙力をつけたいなら、辞書を引く習慣をつけましょう。全て調べるのは大変なので、その日解いた問題文の中でわからなかった言葉を2・3語調べるだけでいい。これから受験まで仮に100本読むとしたら200・300の言葉を覚えることができます。さぼらずにコツコツ続けてください」と国語の高須先生。

中学受験では算数を中心に学ぶスタイルが一般的ですが、「佐藤さんの場合は国語に軸足を置いてもいいかもしれない」と言うのは理科の中久木先生。

「文章読解が苦手ということは、設問の意味を取り違える可能性があるということ。理科だろうと算数だろうと、問題文の解釈を間違えてしまうと、解ける問題も解けません。今のうちに読み取る力をつけておいた方がいいでしょう。理科では星座が苦手なようですが、知識問題の補充は夏から秋にかけてやれば大丈夫。佐藤さんは化学と物理はできるようなので、地学や生物の知識の穴を埋めていけばいいと思います。理科は、4単元のうち得意分野がひとつでもあれば、ほかの単元も克服しやすい教科なんですよ」 

歴史や地理が苦手という佐藤さんに、社会の齊藤先生は次のようなアド苦手な読解力を伸ばし他教科のミスも減らすバイスをくれました。

「夏休みは苦手な分野を集中して学んでもいいでしょう。ちなみに、地理と歴史では用語と意味をしっかり押さえることがポイントになります。夏休み中に『四科のまとめ』をきちんと終わらせることが優先課題です」

得意に見える算数はと言うと……。

「合不合判定予備テストだけ見ると理想的ですが、過去の成績を見ると波が激しいようですね。ばらつきが出る理由は、実力がしっかり定着していないからだと思います。夏期講習のテキストにきちんと取り組んで、得意と不得意のデコボコを埋めましょう!」と算数の岩室先生。

塾のある日は2時間、ない日は6時間を確保

塾のある日、ない日はそれぞれどのくらい勉強するといいのでしょうか。

「22時には就寝してほしいですから、帰宅後の時間から逆算すると、やはり2時間くらいでしょう」と中久木先生。佐藤さんは起床時間が6時30分と比較的早いので、朝の時間帯に1時間勉強時間をプラスするのもお勧め。ただし、生活リズムを崩さないように、子どものペースに合わせることが大切だと言います。

国語の高須先生からは次のようなアドバイスも出ました。

「塾のある日の2時間の家庭学習は、算数が中心でもいいと思います。しかし、夏期講習のテキストの中で間違えた問題だけは、その日のうちにやり直してください。テキストの文章を再度、黙読する習慣もつけましょう」

塾のない日は岩室先生によれば「最低6時間はやってほしい」とのこと。

「最難関校を受験する場合、夏休みに10時間くらい家庭学習をしている子もたくさんいます。佐藤さんも第一志望合格を目指して、午前中に3時間、午後に3時間は、学習時間を確保してほしいですね」

受験期のイライラは自覚が出てきた証拠

今回、先生方に提案してもらった学習内容とスケジュールをこなすには、本人のやる気も重要な要素になります。お母さんは受験期のプレッシャーからくるモチベーションの低下を心配していますが、佐藤さんはこの夏をうまく乗り切ることができるのでしょうか。

「プレッシャーは精神的な成長の証」と、肯定するのは中久木先生。

「受験のプレッシャーを感じているのは、佐藤さんに『自分は中学受験するんだ』という自覚が出てきた証拠。お母さんはその点を認めて、プレッシャーをやわらげる役割を果たしてほしいですね。集中力がないことを気にされているようですが、実はこれも頭の切り替えが早いという長所とも言えます。ダラダラ勉強をさせたくないなら、時間を細切れにし、インターバルを取りながら学習する方法もあります」算数の岩室先生も"インターバル学習"には賛成のようです。

「算数の大問1題に20分もかけていたら時間の掛けすぎです。ペンが止まってから5分たっていないか確認し、10分で終了するというようなやり方をしてもいいかもしれません」

佐藤さんがイライラしてしまうのは「あるべき自分と今の自分がきちんと認識できているせい」と齊藤先生。

「成績が悪くて腐っているわけではなく、むしろ上昇志向があるのに思うようにいかない自分にいらだっているのでしょう。お母さんは成績が下降気味と言いますが、過去の成績表を見くらべても決してそんなことはありません。今回は、佐藤さんがやるべき課題が見つかっただけ。私たちの意見や担当の先生のアドバイスを参考にして、前向きに努力すれば大丈夫です!」

子どもの性格や特性を反映させた学習スタイルが夏休みの家庭学習の成功秘訣。親子でがっちりタッグを組んで、夏休みを乗り切りましょう。

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