どもの努力を認める姿勢が
親子の絆を深める

江藤 真規
(財)生涯学習開発財団認定コーチ、母のための学びの場「マザーカレッジ」主宰。2人の娘は中学受験に合格した後、ともに東京大学に入学する。

合格後の話題を出して
気持ちを前向きに


私には2人の娘がいて、2人とも中学受験を経験しました。それ以前は、アメリカで暮らしていたのですが、長女が小6、次女が小4の夏に、日本に帰国して、そこから受験という少し特殊な状況でしたね。

長女は、勝ち気な性格で、一番になるのが大好き。そのため、新たな知識を得られる場所である塾に通うのが、楽しくてしょうがないという感じでした。長女のときは、準備期間が短いこともあり、学習面は塾にほぼお任せ。私が褒めるだけで、どんどん学習する子でしたから、直前期は特に褒めちぎりましたね。あとは、よかったときの成績を壁に貼ったりして、モチベーションが上がるように工夫しました。

次女は、小4の夏からスタートということで、時間の余裕はありました。ただ、長女とは違い勉強が嫌いで、一番になることにも興味がないタイプでした。だから、とにかくつきっきりでサポートしました。ただ、直前期になっても、成績が思ったより伸びず、不安が大きかったです。

思えば、受験の間、次女とはケンカばかりしていましたが、それは結局、私の不安を娘にぶつけていたんですね。子どものためではなく、自分が安心したいがために、直前期にも「勉強しろ、勉強しろ」と、せっついてしまって..。今考えると、「それではだめだ」と思うのですが、当時は私も必死で、そこまで冷静にはなれませんでした。ですから、これから入試にチャレンジする人は、出来る限り笑顔で、子どもに接してあげてほしいと思います。

直前期に、娘たちが不安そうな表情を見せたときは、合格後のことを話題に出すようにもしていました。「受験が終われば、こんな楽しいことが待っているよ」と、できるだけ具体的にイメージさせることで、娘たちの気持ちが前向きになっていたと思います。

自分の役割を書き出し
声かけに力を注ぐ


私たち親子の中学受験は、私がワンマン社長のように全部を取り仕切っていましたが、思えばこれも私の不安から来ていたのでしょう。

親が、受験の不安に打ち勝って、余裕を持って子どもに接するためには、自分の役割を決めてしまうのが、よいと思います。たとえば「学習は塾に任せて、もう口を出さない」などと決めるのです。ある程度決まったら、声に出すか、書き留めておきましょう。そうすると、自分のやることがクリアになり、一歩下がったところから、冷静に我が子を見守れるようになります。

直前期の塾では、子どもたちの間で「あの子は、○○中学校を受ける」と言ったうわさが、飛び交うこともあります。それを子どもが聞きすぎると、自分の志望校に迷いが出る恐れもあるので、うわさを気にしないように伝えることも心がけてください。

直前期の親のサポートしては「声かけ」も、とても大切です。「よくここまで続けてきたね」「がんばり続けたことが、何よりうれしい」など、とにかくこれまでの努力を、全面的に認めてあげてください。そうすれば、たとえどんな結果でも、子どもが挫折感を感じることは、少ないでしょう。そして、受験が終わったとき、親子の絆が今まで以上に強くなるはずです。

年末・年始はどう過ごした?
クリスマスはいつも通り楽しみ、受験の直前期にも、家族で一泊旅行に出かけたりして、娘たちをリラックスさせるようにしていました。直前期とは言っても、学習と休みのメリハリをつけて、スケジュールを考えるのが、肝心だと思います。だから、お正月も勉強を休んで、のんびりする日を1日作りました。この段階で、無理に学習させるよりも、休むときはしっかり休ませ、できる限り気持ちよく受験当日に臨んでもらうほうが、よい結果につながると考えたからです。


どもの将来を見据えて
明るくサポート!

荘司 雅彦
弁護士。ひとり娘が中学受験に合格。娘の中学受験をつづったブログも話題になる。著書に『中学受験BIBLE』(講談社)など。

直前期は親もつらい
体調を崩すことも……


我が家では、学習面の管理は私、生活面のサポートは妻、と役割分担をして、家族全員で中学受験に臨みました。

受験の直前期に、私は不眠や食欲不振に悩まされ、気持ちもかなりピリピリしていました。でも、それを娘には見せるわけにはいかないので、娘の前では、余裕があるように演じていました。あれは、なかなか辛かったですね。聞いた話では、食べ物がのどを通らなくなり、点滴を受けたお母さんもいるそうです。それくらい親も大変な時期であり、まさに正念場なのです。

1月初旬には、今度は娘が体調不良を訴えるようになりました。娘が「胃酸が出ている..」と言うので、医師に相談すると、「さらに悪化するのを避けるためにも、学校を休ませてはどうか」と、提案を受けました。

私自身は、大学受験の際にも学校を一度も休まなかったので、この提案には正直悩みました。しかし結局、学校を休ませる決断をしました。小学校の学校長がこれに不満を示し、やや険悪な関係になりましたが、担任の先生は理解してくれたので、助かりましたね。

直前期には、外野の声も必要以上に入ってくるでしょうが、それに振り回される必要はありません。「我が子のことをもっとも知っているのは、親である自分だ」という自信を持って、決断してください。子どもの教育と、その人生について責任をとれるのは、最終的には親しかいないのですから。

楽観的な言葉をかけ
緊張を和らげる


私が、直前期に心がけたのは、とにかく娘の心にプレッシャーを与えないようにすることでした。

まず、「第1志望には、絶対受からなければいけない」ということを意識させないように心がけました。リラックスして、第1志望を受験させるためにも、第2志望、第3志望の学校を話題に挙げ、「この学校は楽しそうだ」「この学校もいいぞ」という具合に関心を向けさせました。もちろん、本音としては、第1志望に合格してほしい。ただ、あまり特別な気持ちで受験をさせず、普段の力を出せるような状態で、受験に臨んでほしかったのです。

あとは「大丈夫!受かる、受かる」と、楽観的な言葉を使うようにしました。直前期は特に、ネガティブな言葉をかけるのは禁物です。たとえ点数が悪くても、「満点だったら時間の無駄だったね。間違いがわかって、得したよ!」と、声をかけましょう。

そのほかに、娘が過去問の練習で、100点満点を取ったとき、きれいに答えがまとまっている解答があったら、115点をつけてあげる、などの工夫もしましたね。

また、試験の開始時間に合わせて過去問を解き始め、休憩も試験当日とまったく同じようにはさむという実践的な練習も繰り返しました。本番が近づくと、娘は時計を見なくとも、大体どれくらいの時間が経過しているか、わかるようになっていました。

中学受験は、どこの学校に入るかよりも、受験をすること自体に意味があると、私は思います。前向きに取り組めば、この時期に身についた習慣が、後々まで役に立つはずです。入試本番までの最後のひと踏ん張りを、親子で一緒にがんばりましょう!

年末・年始はどう過ごした?
娘が通っていた進学塾は、年末年始も塾の授業が入っていたので、娘は塾に行っていました。元旦に雪が降ったのですが、その中を送って行った思い出があります。とは言え、塾で教わる先生が魅力的な方ばかりで、娘は塾が大好きでしたから、むしろ喜んで通っていました。ウチのように、子どもが楽しみながら学習している場合は、正月でも無理に休ませる必要はありませんよね。ちなみに元旦は、「家では学習しなくてもよい」と決めて、娘を信頼していました。

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