相手に伝わっているか?繰り返し確認する

ブラジルでの主な仕事は、ブラジルが抱える課題の分析や、その解決方法をブラジル政府や関係機関などと一緒に模索し、日本からどのような協力ができるか検討すること。それから、現地事務所の管理・運営などです。現在は東京の本部で、中南米に対する日本からの支援戦略を検討する部署に勤務しています。
中学生のときにフィンランドで3週間のホームステイを経験したこと、高校時代に1年半チリに留学したことが、海外に目を向けたきっかけです。チリはスペイン語が公用語ですが、最初はまったく話せませんでした。でも、現地で一緒に暮らしたチリ人の家族や友人と接する中で、語学と異文化への適応力が身につきました。
ブラジルでは、仕事は基本的にポルトガル語で行いました。そもそも、ブラジルは多人種の国なので、公用語のポルトガル語でも言語力には人によって差があるもの。だからお互いに言葉が拙くても理解しようとする姿勢がありました。また、同じブラジル人といっても、もとはイタリア系移民だったり、スペイン系移民だったり、ルーツが異なるので、文化や考え方もさまざまです。そのため、ブラジルの人は会話中に「あなた、わかっている?」とたびたび確認します。もう、5分に1回くらいのペースで(笑)。文化も母語も異なる者同士で会話をするから、"わからないことがあって当たり"なんです。何度も確認するのは、リスク回避の手段であり、失礼なことではありません。私も、ブラジルで過ごすうちに、自分が話していることは本当に伝わっているのか?とよく考えるようになりましたし、まめに確認するようになりましたね。
海外でやっていくコツは、何でも興味を持つことではないでしょうか。私は子どもの頃から、人から頼まれたら断らないし、すすめられたことは何でもやってみるタイプ。その結果、さまざまな新しいことに出会い、自分を成長させる機会が増えました。

拙くても一生懸命なら相手にも伝わる

私の仕事は、おもにアメリカの二輪車やバギー(砂地などを走ることを目的とした軽量の車)、スノーモービルのメーカーに対して、日本製やアジア製の部品を売り込むことです。単に部品を売るのではなく、お客様の求めることや悩みなどを聞きながら、どのような製品を開発すれば良いのか、そのためにはどんな部品が必要なのかを一緒に考え、お客様の要望に合う製品をともにつくりあげます。また、一つの製品を開発するのに数年はかかるので、その間のスケジュール管理などもしています。
日本の部品メーカーと、アメリカの二輪車などのメーカーとの間に立つ役割なので、双方に誤解が生じないように、お互いの言い分をしっかり聞き、伝えるように努めています。日本人なら何も言わなくても察してくれるようなことでも、アメリカ人にはきちんと言葉にしなければ伝わりません。ときには伝え方を変えてみたり、図や絵を使ってみたりと、わかりやすく伝えるように工夫しています。
また、文化が違えば、製品開発に対する考え方も違ってくるように感じます。たとえば、日本のメーカーは、一つひとつ確認し、積み重ねて、最終的な結論を出すようなやり方を好む傾向がありますが、アメリカのメーカーはもっスピーディーに結論を出したがるというか、細かい段階を踏まなくても、決定権のある人がパッと決めてしまうところがあります。こうした考え方の違いを理解した上で、双方が動きやすいように調整していくのが、難しいところでもあり、やり甲斐を感じるところでもあります。
わからないことは、知ったかぶりをせず、しっかり聞くことも大事ですね。これは、日本でも海外でも同じですが、アメリカに来てから、より強く感じます。言葉に関しても、技術的な知識に関しても、まだ拙いところはありますが、わからないことは素直に聞き、一生懸命に取り組んでいれば、相手も信頼してくれます。

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