読解力をアップさせるために漢字練習を!

 国語の学力、特に読解力は一朝一夕ではアップしないものです。けれど、6年生の子どもに残された時間は、それほど長くはありません。それ故に、多くの親は「夏の間に何とか読解力をアップさせたい!」「読解問題をたくさん解かせなくては!」と焦りがちです。しかし、阿部先生は「まずは国語の正しい復習ができているかどうかをチェックすることが先決」と話します。「偏差値45の子どもは、まだ国語の正しい勉強方法をしっかり理解していない可能性が高いでしょう。授業中も文章の文字面を追うことしかしていない子どもが多く見受けられます。まずは、"夏期講習の授業に集中しよう""先生が重要だと言ったポイントをノートに必ず書こう"などの声かけから始めてはどうでしょうか?」
 偏差値45の子どもの特徴としては、計画的に勉強に取り組めないと言う点も指摘します。 「夏期講習が始まると、塾の自習室で勉強する子どもが増えます。しかし、計画性や目的を持たずに長時間勉強しても、成果はあまり期待できません。私は自習室に来た子どもに今日やることを自己申告させ、その内容を紙に箇条書きで書かせています」
 そして、子どもが一つクリアできたら、それに丸をつけたり、判子を押したりしているそうです。「とてもシンプルな方法ですが、子どもに計画性や目的意識を持たせる上で大きな効果があります。家庭学習をスタートする前にも、同じ方法を実践してみることをおすすめします」
 ただ、その際は注意点がいくつかあります。「取り組む内容を具体的に書かせるようにしてください。"国語の勉強をする""漢字をやる"ではなく、"国語のテキストの○ページをやる""漢字問題を10題解く"と言った具合にまとめましょう。子どもの口から学習内容がスムーズに出てこない場合は、"漢字を何題やろうか?""国語の先生から宿題は出されていない?"などと質問を投げかけてください。勉強が終わった後も、『どれだけできた?』と声をかけてあげると自分の学習内容を振り返ることができます。また、親のサポートを実感し、安心感にもつながるでしょう」
 偏差値45の子の課題としては、言葉の知識を増やすことも忘れてはなりません。「毎日5分でもいいので、漢字などの知識問題に取り組んでほしいですね。その学習は読解力アップにも確実につながります。たとえば、文章中に"英知"という言葉が出てきた場合、"知"という漢字を知っていれば、"知恵みたいな意味なのかな?"と見当がつけられます。新しい漢字の意味を一つ覚えれば、知らない熟語の意味を連想する力が自然と身につくので、一つひとつの語句を丁寧に勉強してほしいと思います」
 知識問題は漢字の書き取りのほかに、ことわざ・慣用句・四字熟語などがあります。その中でも特に重要なものとして、阿部先生は同音異義語と同訓異字を挙げます。「この二つは、国語の入試問題で漢字の書き取り問題として頻出です。また、この知識を習得すれば、読解力アップにつながります。さらに時間に余裕がある場合は、主語、述語、修飾語と言った『文の要素』の単元にも踏み込んでいきましょう。これらは文章内容を理解する上で何よりも大事な要素になってくるのです」

問題の解き直しで学習の質をアップ!

 偏差値55の子どもの特徴について、阿部先生は「まじめに取り組もうとする子が多い」と話します。「国語の正しい学習姿勢は、おおむね身についています。日々の学習量も多く、もしかしたら偏差値60、偏差値70の子どもより勉強しているかもしれません。では、なぜ学力が偏差値55で止まっているのか?その理由は学力が安定していないからです。このレベルの子どもは記述力が不安定で、選択問題でも確信を持てずに答えを選んでいます。このような点を夏の間に改善させましょう」
 具体的な学習方法としては、一度解いた問題の解き直しを徹底することがカギを握ります。「夏期講習の授業で取り組んだ問題、または一学期に塾の授業で解いた問題 にもう一度チャレンジさせてみましょう。新しい問題に手をつけるよりも、解き直しを徹底させてください」
 解き直しの方法については、問題内容によって少しずつ異なります。「基本問題の解き直しは、子どもに自力でやらせましょう。もし緊張感が欠けているようであれば、1回目に解いたときよりも制限時間を短く設定すると、集中できると思います」
 一方、応用問題の場合は、2回目のチャレンジと言えど、正解を導き出すのに苦労するかもしれません。「特に夏前に解いた問題だと、授業で聞いた先生の解説をぼんやりとしか覚えていない子どもも多いのではないでしょうか?そんなときは、授業ノートの出番です。そこに書かれている内容を見返せば、正解への道筋がイメージでき、授業の復習にもつながります。 また記述問題を解き直した場合は、塾の先生に答えを見せること。そうすれば、改善点を教えてもらえます」
 偏差値55の子どもが夏休み中に改善する点としては、問題の取り組み方も挙げられます。「このレベルの子は本文をしっかり読む割に、設問部分を読み飛ばしがちです。そのため、理由を問われている問題が出されたときに文末を『.だから』にしないなどのミスが減りません。このような点も夏休み中に改善できると、秋から取り組む過去問練習で得点アップが期待できます」

偏差値65の子は何をする?

塾での集中力が何よりの武器

 偏差値65の子どもは、塾の授業に対する集中力が高いという特徴があります。「夏期講習が始まっても、その姿勢を崩さないことが一番大切です。塾の授業では基本的に評論・説明文と小説・物語文を交互に勉強するので、そのカリキュラムに沿って一題一題を丁寧に解いていけば、学力は確実にアップしていくでしょう」
 塾で学習した内容は家に持ち帰らないことがベストです。「親は『わからないところがあったら、授業が終わった後にすぐ質問しよう』と声をかけてほしいですね。家庭学習については、知識問題に取り組むくらいで十分ではないでしょうか?その場合も、塾に行く前の朝10分など、短い時間で集中して取り組ませましょう。このレベルの子どもは国語の学力をさらに伸ばすよりも、4教科のバランスを重視した方がいいと思います。そうすることで、9月から始まる模試でも良い結果が出ることでしょう」

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