学習姿勢を正して〝なんとなく?をなくす

国語の学力アップを目指す上で、まず身につけさせたいのは、基礎の部分となる漢字やことわざ、四字熟語、慣用句などの知識。国語が好きな子どもでも、知識問題の学習で手を抜く子がいるそうです。
「知識問題の中でも、特に漢字練習に力を入れてください。漢字のトメ・ハネまで気持ちを込めて、一文字ずつ丁寧に書くことを心がけさせましょう。宿題やテストの文字を見たときに、親が〝きれいに書けているね.とほめると、子どものモチベーションもアップします」
文字を丁寧に書くことは、言葉の知識を定着させる以上に、もっと重要な意味があります。
「文字を丁寧に書く習慣が身につくにつれ、自然と襟が正されるというか、国語の学習姿勢にも変化が現れます。これは、子どもたちを指導していて、いつも感じることです。テストの答案やノートに丁寧な字が増えるのは、国語が得意教科になりつつあるきざしとも言えるでしょう」
反対に、乱雑な文字を書く子は、相手に自分の意図をしっかり伝えようという気持ちが足りないと考えられます。「このような学習姿勢は、文章を自分勝手な読み方をする一因にもなるので、できる限り早めに直してほしいと思います」
知識問題の勉強に関しては、「なんとなく」を減らすことも重要です。「国語の学力が今ひとつ伸びない子は、〝あの言葉の意味は、だいたいこんな感じ.という具合に、理解が中途半端なレベルにとどまっています。これでは、知識問題の得点はアップしません。また、文章読解でも〝だいたいこんなお話.で済ませてしまう恐れがあります」
このような悪癖を直すためには、子どもに言葉の意味を質問したり、親が言葉の語源などを説明するサポートが効果的です。
「たとえば、『矛盾』という言葉を覚える場合、〝昔、中国の商人が『どんな盾も突き通す矛』と『どんな矛も防ぐ盾』を売っていて……』といった詳しい説明をしてあげれば、知識がしっかり定着することでしょう。中学受験の国語で学ぶ言葉はとても多いので、5・6年生でも抜け落ちている知識があるものです。親も『これくらいは知っているだろう』と安易に考えず、子どもの理解度を見極めてサポート内容を考えてください。語彙力がアップすれば、読解力の向上にも確実につながります」


登場人物の感情がわかっていない?

子どもが文章を自分勝手に読んでしまう癖を直す対策として、越智先生は「人間の基本的な感情や、大人の気持ちをしっかり教えることが肝心」と話します。
「その部分を理解できていない子が、最近増えている気がします。たとえば、野球の熱血コーチが登場する物語で、彼が〝お前なんか使い物にならん!.と選手を叱咤する場面が出題されたとします。このコーチの人物像を答える選択問題で、〝すぐ怒鳴る残酷な人物.といった選択肢を選ぶ子が少なくありません」
大人であれば、愛情深い人物が粗暴なふるまいをするには何か原因があるはずと考えるでしょう。
「しかし、子どもの場合、国語が好きな子でも表面的な描写にとらわれてしまい、その場その場で登場人物の性格が変わってしまったかのように誤解するのです」
越智先生は、「〝こういう場面で、普通の人はこう思う.といった具合に割り切って教えてしまうのも一つの方法」とアドバイスします。
「たとえば、〝選手の成長を実感したコーチは妬ましい気持ちではなく、うれしい気持ちを抱く"〝普段は思いやりのあるコーチが冷たい言葉をかけたのは何か理由があるからだよ"などと教えてみてください」
文章が好きな子どもの中には、「大人=悪」という先入観を持ち、そのせいで正しい読解ができていないケースもあるそうです。
「論説文の勉強で、環境問題や原発など人類に批判的な文章を読んでいるせいか、大人は経済効率ばかり考えていて汚いという感覚を持っている子どもが少なからずいます。これは、文章を冷静に読む上で足かせになってしまいます。大人が立派なことをしたニュースなどを話して、子どもの先入観を和らげる工夫をしてみましょう。地道な働きかけが、子どもを少しずつ変えていきます」


重要箇所をマークして正しい読み方を習慣に

国語が好きで文章を読むことに自信を持っている子どもは、問題文を読み飛ばす傾向があり、その姿勢を改めることも大切です。
「しっかり読むのは問題文の最初と最後だけであとは軽く流す、設問や傍線部の前後しか目を通さないなどといった学習姿勢は、できるだけ早く直すようにサポートしましょう」
有効な対処法は、普段から問題文に線を引きながら読み進めることです。
「小説や物語文であれば、登場人物の人柄や感情の変化が書かれている部分に線を引く。評論や随筆なら、接続詞や筆者の意見が書かれている箇所を丸で囲む。このような作業を習慣にしましょう。選択問題の選択肢をしっかり読まないで解く子どもも多いので、選択問題に取り組む際も同じことを心がけさせると良いでしょう」
一方、国語が好きな子どもの中には、真剣に文章を読むあまり深く考え込み、問題を解く手が止まってしまうタイプも。
越智先生は、「長い時間考え込むことを防ぐルールをつくるのがおすすめ」とアドバイスします。
「たとえば、〝本文中から10文字で書き抜きなさい.という問題があったとします。その際、〝答えがどこに書いてあるかの見当がつかず、本文を最後まで2回通して読み直してしまい、それでも答えが見つからなければ、とりあえず次の問題に手をつける.などのルールを決めておく。そうすると、勉強がスムーズに進むでしょう。また、テストの前日に〝どんな問題も5分以上は考え込まないようにしよう.などとアドバイスをすると、得点アップにつながるでしょう」
国語が好きな子の場合、同じ文章を読ませるよりも、さまざまな内容の文章に触れさせる方が、やる気と集中力はアップします。
「これまでに読んだことのない文章の方が、最後まで油断せずにしっかり読むでしょう。重要箇所をマークするといった地道な作業も、手を抜かずに取り組むと思います」

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