情報収集
基本は塾からの情報と学校見学のみでOK
受験情報の収集については、家庭で躍起になる必要性はなく、塾から得られるもので十分。これもまた、3人の意見が一致するところでした。
「ネットや口コミなども含めると情報過多になりがちな昨今。あまり振り回されないように心がけましょう。迷ったら、"自分の目で見て確かめる"が鉄則です」(白岩校舎長)
「口コミについては、お父さんの職場の同僚や上司などから得られる情報は信用できる傾向にあります。男性ならではの、客観的かつ合理的に物事を見るフィルターがかかっているためでしょうか」(根本校舎長)
無理に情報集めに奔走しなくてもよさそうですが、志望校と子どもの相性だけは、実際に学校に行って見てこないとわからない面が大きいので、家族でサポートする必要があると言います。その際、うまく父を引っ張り出して協力を仰ぎたいもの。
「私はまず、両親だけで学校を見て回ることをおすすめしています。両親にとって好ましくない学校を、子どもが気に入ってしまうのを防ぐためです。やはり小4のうちから、志望校として考えているか否かを問わず、さまざまな学校を見るといいでしょう。広い視野で受験に臨めるようになりますから」(藤井校舎長)
「お父さんにはぜひ、学校説明会に参加して、教育理念を理解してほしいですね。そうしないと、受験直前に志望校で揉めるケースが少なからずあるからです」(白岩校舎長)
「お父さんが学校見学に消極的な場合、日常会話の中で、"どんな学校がいい?男子校?附属校?"などと、大まかに父が望む学校像、そして理想の息子像を聞き出しておくとよいでしょう。それを参考にして志望校を決めれば、後のトラブルが避けられるはずです。また、説明会で掴めるのは学校の"表向き"の姿ですから、普段の授業や放課後の様子も見ておきたいものです」(根本校舎長)
父の気を引く作戦について、藤井校舎長は次のように語ります。
「諦めず、日常生活で話題に出すようにしましょう。"この学校、お父さんはどう思う?"というレベルの問いかけでいいと思います。返事が素っ気なくとも怒らないように」
「お母さんがスケジュールをひと通り把握して、"○月○日の○○中学の体育祭、お父さんに行ってもらえないかな"などと具体的に頼むのがいいでしょう。あとは、受験情報誌などを見せるのも手。興味を持ってくれなかったとしても、たとえば"博物館特集"など、お父さん自身が興味を持ちそうなネタを突破口に、さり気なく渡すのも手です。経済誌の受験記事でも構いません」(白岩校舎長)
そのほか、受験情報誌の使い道として白岩校舎長は次のように話します。
「祖父母が受験校決定に関わってくる場合は、祖父母の時代とは、学校の校風や偏差値が変化していることに気づいてもらわなければなりません。その際に受験情報誌は有効と言えるでしょう。たとえば、近年格段に進学校化した中学校などは、あれこれ説明せずとも大学合格実績を見せるだけで、学校が変わったことを理解してもらえるはずです」
分担率
誰が何をした?

●私が学校訪問、塾への質問、ネットでの情報収集を担当。夫は、同居している間は受験誌の購読、同僚からのアドバイス。単身赴任後は、塾の面談日に合わせて、質問したい内容をメールで送ってきた。(桜蔭)
●学校訪問は主に私が。そのほか、受験情報誌から情報を集めた。夫は会社の同僚からアドバイスをもらっていた。いろいろな私立校出身の方がいる会社だったので、非常にためになった。(逗子開成)
●学校訪問、塾の父母会は、ほとんど私がひとりでこなしたが、夫が納得していないときのみ一緒に塾に行き、先生と面談。夫はときどき書籍などから情報を得て、有効そうなものを教えてくれた。(サレジオ学院)
●学校説明会、文化祭、体育祭などは、私が子どもと一緒にできる限り参加した。夫が同行してくれることはほとんどなかったが、塾の送迎のときに、塾の先生と立ち話をして情報収集をしてくれた。(市川)
●平日の学校説明会は私が担当。夫は新聞の受験コラムを毎回欠かさず読み、有益な情報を私に教えてくれた。また、模試の付き添いはすべて夫が担当し、会場になっている学校の話を聞いてきてくれた。(桐朋)
●我が家では、何ごとも夫が最終的に判断をするので、受験校の説明会、オープンスクール、文化祭などはすべて夫に任せた。その代わり、受験校が定まってからの資料取り寄せなどは私が行った。(早稲田)
挿絵
家族がサポートすべきこと

情報収集
大原則は褒めること 要所で引き締めも
受験生のメンタルサポートの基本は、褒めること。
「お母さんは、子どもの"できない部分"に目が行きがち。お父さん、兄や姉に"できている部分"を見てもらうようにしましょう」(藤井校舎長)
子どもの精神面をうまくケアできれば、それが学習へのモチベーションアップにつながります。
「ですから、学習意欲を削ぐような言葉はNG。よくあるのは、"うちの子は○○が苦手で……" などと、何気ないひと言で苦手意識を刷り込んでしまうケースですね」(藤井校舎長)
母が不安を感じたり、イライラしたりすると、それが伝染して子どもの心も乱すと言います。
「模試なども、結果がよかったときに褒めるのはよしとして、悪かったときは結果について聞かないぐらいにどっしりと構えてほしいもの。一方で、特に男の子には、のちのち精神的にタフな存在になってもらえるよう、あえて厳しい言葉などでプレッシャーをかけてもいいかとも思います。あくまで個人的な見解ですが」(藤井校舎長)
「言いたいことを言えずに我慢しているお母さんが多いのですが、たまに爆発させてしまってもいいのでは。母の本気が子どもに伝わることもありますから。ただ、爆発したら塾に一報を入れてほしいですね。その際には、講師が生徒の心を受け止め、リードしますから」(根本校舎長)
受験生のメンタルサポートにおいては、褒めるが原則ながら、ときには引き締めを行うことも重要です。
「引き締めに関しては、やはりここぞというタイミングでお父さんに登場してもらいましょう。そのときには、試験の結果や教科の出来不出来など、小さなことではなく、受験を通して成長することの意義、ひとつのことをやり抜く経験の大切さ、自らを律して大変な勉強に臨むことの重要性など、大きな視点から話をしてもらいたいと思います」(白岩校舎長)
受験について父と話し合って、事前に意見調整をしておくことも、母の重要な役割だと言います。
「"中学受験において何を一番重視するか"といった、根本的な部分であり、なんとなく父と母の間で合意ができているだろうと思っていた部分が、意外にも食い違っていて、入試直前で揉めるといったことがあります。父と母のトラブルは、子どもの精神状態にも悪影響を及ぼしますから、夏休みぐらいまでには、中学受験についてしっかりと話し合う時間をとっておきましょ う」(藤井校舎長)
子どもの精神面の安定には、リフレッシュ・息抜きの時間も欠かせません。
「子どもの逃げ道を意図的につくって あげましょう。お父さんや兄弟姉妹でもいいのですが、祖父母の家に食事に行くのも効果があります。普段と異なる場所で、あまりガミガミ言うことのない祖父母と食事をすれば、子どもの 精神面もリフレッシュすることでしょう」(根本校舎長)
「孫がかわいくてしかたがない祖父母は、褒め役に適任です。受験生のみならず、兄弟姉妹のケアも期待していいでしょう」(白岩校舎長)
確かに、一家が受験生本人に気をとられるあまり、ほかの兄弟姉妹に目が行き届かなくなるというのはよくある話。対策を講じておきたいものです。
「週単位で、兄弟姉妹をかまってやる時間を設けましょう。先述したように、送り迎えの時間を兄弟姉妹にとって楽しい時間にするという方法もあります」(白岩校舎長)
「受験生本人のケアで手一杯で、つい 兄弟姉妹を邪魔者扱いしてしまう、ということが現実的には少なくありません。受験生が塾に行っているときは、兄弟姉妹に目を向ける時間にする、といったルールを決めるといいと思います」(根本校舎長)

分担率
誰が何をした?

●やる気が見えないときには、志望校の建築現場に連れて行った。徐々に完成していく校舎と、人工芝のグラウンドを見せて奮い立たせた。夫は本人が好きなサッカーの練習につき合った。(中央大学横浜山手)
●子どもが荒れたときは、思うままに吐き出させてから、これまでのがんばりを褒め、学校との両立を讃え、ねぎらいの言葉をかけた。一方で内々に夫に状況を伝え、本人と話をしてもらった。(駒場東邦)
●塾のお迎えの帰り、夫はいろいろなことを子どもと話しながら歩いたそう。私は、直前期に布団に入っても寝つけない子どもの足をマッサージし、とにかくポジティブなことしか言わないようにした。(栄光学園)
●私は常に明るく振舞い、夫は自分の経験から中学受験のプラス面を説いた。弟はときどき、受験生の姉と怒鳴り合い、殴り合いのケンカをしていたが、それが2人ともにストレス発散になった面もある。(桜蔭)
●弱気になることはあまりなかったが、直前期に「受かるかな……」と不安を見せたときは、家族みんなで「大丈夫!」と励ました。弟はよい遊び相手になり、気分転換にひと役買っていた。(横浜共立学園)
●「なぜ受験をするのか」「なぜその学校なのか」という問いかけ、それと同時に息抜きのためのゲーム相手を夫がしていた。祖父母は子どもとの共感を大切にし、常に褒めるという応援団の役割をした。(開成)

家族がサポートすべきこと
サイトマップ
人気記事ランキング
01 特集
そのひと言が子どもを変える! 学力を伸ばすほめ方・励まし方
02 スペシャルウィーク
9歳までに身につけたい国語力
03 子育てに効く脳科学のお話
頭をよくする方法はある?

サイト内検索
 

RSS登録
これまでの特集記事



気になる記事ピックアップ
これまでに公開された記事の中から気になる記事をランダムでピックアップし、表示しています。