「お花屋さんになりたい」「オリンピック選手になりたい」。子どもは、さまざまな夢を持ちます。子どもが夢を持つということは脳科学的にどういう意味があるでしょうか? そのメカニズムを脳科学の第一人者、林教授に聞きました。

将来へ希望を持たせることが夢をかなえるための大前提

心のモヤモヤを記録することで、目標を明確にして願望を実現しようというのが岡崎さんの提唱する「夢実現モチベーションシート」。多くのビジネスパーソンから熱い支持を受けているそのシートを、子ども向けに応用する方法を聞きました。

「親が子どもの夢の実現を応援しようにも、まず子どもが夢を持っていなければ、そこに向かっていけません。それには、将来に対して希望を持てるかどうか。大人を見て、子どもが何だか楽しそうだな、素直にいいなと感じられるようでなければ。ですから、両親が仲よくしているのは大前提。お父さん、お母さんは子どもの前では決して言い争ったり、ケンカをしないこと。もうひとつには、働く楽しさを体現してみせることです。いつも仕事で疲れ切った顔を見せていると、子どもは途端に希望をなくし、夢どころではなくなってしまいます」 岡崎さん自身、高・中・小の3人の子どもを持つ父親。自らの経験に基づき、子育てには理不尽なことも多く、そこに難しさがあると言います。

「自分が子どもの頃を思い出せばわかると思いますが、子どもたちは親や先生のコントロールの外にあります。たとえイジメを受けていたとしても、大人に相談できないものなんです。先回りをして、その障害を取り除いてあげることができないなら、違うアプローチしかないでしょう。なるべく早い段階から自立させ、一人で生きていく力をつけさせてあげるんです」

そのための格好のトレーニングになるのがスポーツやピアノなどの習いごとなどを継続し、徹底的に取り組ませること。その過程で自ら課題を発見し、克服する経験を積んだ子どもは飛躍的に成長を遂げられると言う岡崎さん。そして、もうひとつの自立を促す方法として、ビジネスパーソン用に作られた「夢実現モチベーションシート」の一部も活用できると言います。

よかった出来事を記録して幸せの領域を広げる

では、具体的なモチベーションシートの書き方はどうすればいいのでしょうか。子どもの場合は、好きなノートなどを用意して、2点についてのみ、毎日書き出す習慣をつけます。ひとつ目は「今日よかった出来事」。「大人でも、この1週間でよかった出来事を3つ書き出すとなるとなかなか出てきません。それでも、考えてみるとほとんどの場合は誰かから"もらった"ものになる。つまり、何かプレゼントをもらったとか、やさしい言葉をかけてもらったとか、いい評価をしてもらったとか。テイクばかりです。でも、テイクと同じだけのギブもあるはず。たとえば、プレゼントをあげて相手が喜んだのでうれしい。そういう自分発信の"よかった"があるでしょう。自分からよいエネルギーを自分以外の誰かにお裾分けして、循環させるという概念をわかっていない子どもは多い。それを口で説明しても理解できないから、子どもの体験をもとに学習させるんです」

テイクの喜びからギブの喜びへ---子どもが気づいたとき、「そこをグイッとつかまえる」のが親の役割。説明する必要はありませんが、しっかりとほめること。すると、フォーカスが移り、さらにもう一段階上のステップに進むことができます。

「幸せを感じるアンテナの領域が広がれば、ほかの人の身に起きたことに対しても喜べるようになります。たとえば、仲のいい友だちが大事なものをなくしてしまい、ようやく見つかった。そのとき、素直に喜べるかどうか。『○○ちゃんの△△が見つかってよかった』と書けるでしょうか。同じ現象に対しても、よかったと感じられる人と感じられない人がいるものです。子どもには、豊かな感情を持ってもらいたいですよね。こうしてよかった出来事を毎日、記録していくと、子どもは自信がついて落ち込まなくなります。自分はこれだけちゃんとやっているんだからと、自分で自分を認めてあげることができるようになるでしょう」

強く心に思ったことから関心を知るのが夢への第一歩

もう1点は、自分の興味や関心を記録すること。憧れや願いなど、その日に「○○したい」と「強く心に思ったこと」を書き出すのです。

「興味や関心は人伝えやテレビ、インターネット、雑誌などの情報に触れることから起こります。ところが、その接触が切れるとすぐに失われてしまう。しかし、シートに『英語がしゃべりたい』と書いた日が1年で25日あったとわかれば、まずは本でも買ってみようという気になりませんか。ひとつでも実際に行動に移せば、前進できます。これが夢への第一歩。何でもない毎日の中に、ヒントがあるんですよ」

たくさんの情報から頭に思い浮かんだことを記録するのは、自分の感情を言語化するトレーニングにもなります。「うまく言えない」という状態が解消され、コミュニケーション能力の向上も期待できるのです。最後に、岡崎さんは次のような質問を投げかけます。

「予算は1万円、何をプレゼントすれば子どもは一番喜ぶと思いますか。こうして聞いてみると、答えられない親が意外に多いんです。子どもは刻々と変化していくもの。そもそも親子が完全にわかり合えるなんてことはあり得ません。ただ、お互いにわかり合っていこうという方向性が大切なんです」

その方向性を探るためにも、この方法は大いに役立ってくれそう。親も実践して、互いに見せ合えば、親子のコミュニケーションも深まるはずです。

岡崎太郎
(株)アイティマネジメント代表。マーケティングなどのビジネスセミナーを全国で開催する一方、子ども向けの講演も多い。3人兄弟の父。著書に『1日3分「夢」実現ノート』など多数。

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