小6の1年間に、飛躍的に偏差値を伸ばした先輩に、その勉強方法を聞いてきました。それぞれ自分なりのスタイルで、地道に努力を続けた先輩たちの話には、ヒントがたくさん詰まっています!

理 科

課題は“知識不足” 焦らず計画を立てる

越 智紀くん

●東邦大学付属東邦中学校1年
小学校ではロボットクラブに所属し、現在は化学部エレクトロニクス班でゲームやロボットを作ることに夢中!

小6になる頃、自分の意志で中学受験を決めたという越智紀くん。昔から勉強は好きで、得意な算数では難しい問題を解くことが楽しかったそうです。しかしそれはあくまで自主学習での話。春期講習を受けた時点で、受験勉強においての、周りとのレベルの差を感じたと言います。

「それまで学校のテストの成績はよいほうだったのですが、塾のテストでは4教科全部が10点以下……。塾では自分が勉強していない範囲を、すでにみんなは勉強し終えていました。小学校で習っているところも、より深い知識を求められますし、最初は本当に難しいと思いました。でもそれがおもしろいなとも感じていましたね。春期講習を終えて、お父さんと一緒に塾の勉強に追いつくための計画を立てました」

しかし、そもそも小6以前の基礎部分でまだ覚えていないことが多く、塾の講義を聞いてもなかなか理解できません。そこでお父さんが買ってきてくれたのが、マンガの参考書。それを読むことで中学受験の全体像をイメージしました。

「理科もまずはマンガから入りました。もともと本は大好きですし、親しみやすかったです。4月までにひと通りの分野に目を通しました。もちろんその時点ですぐに成績が上がるわけはありませんが、中学受験ではどんな知識が必要になってくるのかが、何となくつかめました」

小5の教材を使い知識を蓄える

マンガ本と並行して取り組んだのが、小5の『予習シリーズ』。一単元ずつ読んで、覚え、練習問題を解いていき、理科は7月までに終わらせました。

「もちろん一度やっただけでは全然覚えきれず、知識にかなり抜けがありました。それをフォローするために活用したのが『四科のまとめ』です。ほかのみんなにとっては復習用の教材だったと思うのですが、僕にとっては初め て出会うような知識ばかり。とにかく繰り返しやるしかないと思い、夏の間は、家庭学習でもひたすら『四科のまとめ』をやっていました」

算数が得意だったこともあり、物理や化学の計算が絡むような問題では点がとれていましたが、反面、生物や地学といった暗記が必要な分野での知識が足りず、偏差値は55 前後で足踏み状態。それでも焦らずマイペースに勉強していきました。

そして夏が終わると、積み重ねてきた勉強の成果が表れます。

「クラスのテストで上位に名前が出るようになってきた時に、力がついてきたなと思えるようになりました」

最後の組分けテストでは、最上位のクラスにレベルアップしました。しかしそこで難関校のハイレベルな問題にぶつかり、再び受験勉強の厳しさを感じます。偏差値も60前後で、最上位校にトライするにはもう少し欲しいと感じていました。

それでも、勉強の中心はやはり基礎固めの『四科のまとめ』。10月からは過去問や『実力完成問題集』も解きましたが、受験直前まで徹底的に『四科のまとめ』を繰り返し学習しました。

「受験までの間に、全範囲を少なくとも3回は繰り返し解きました。そしてできない問題には印をつけていき、できるようになるまでやりました。一番多く解いた問題は、7〜8回は繰り返したかな」

得意な算数と、国語は点数が取れるようになっていましたが、理科と社会の知識がまだまだ不足していたため、9月までは勉強時間のほとんどを理科と社会に費やしました。

得意を伸ばすより苦手分野を克服することに時間を割き、やり残しを作らないよう、繰り返し学習を続けまし た。塾がない日は3〜4時間、塾がある日でも必ず1時間は家で机に向かっていたそうです。

「勉強が嫌になるときもありましたが、自分から言い出したことなのであきらめずにがんばろうと思いました。疲れた時は、大好きな読書をしていました。小説を深夜まで読みふけってしまうこともありましたが、それも僕にとってはいいリフレッシュ方法だったのだと思います」

12月になり、『四科のまとめ』での学習はほぼ完成。そこで一気に理科の成績が飛躍します。

「理科ではどんな問題にも結構答えられるようになっていましたし、計算ミスなどもほぼなくなりました。74という偏差値を見た時は、これなら合格できるかもしれないなと思いました」

そして晴れて東邦中学校へ合格。現在は、ハイレベルな授業に楽しさを感じる毎日を過ごしています。

「苦手克服が合格への近道です。得意分野は何もやらなくともある程度できますから、時間がないならとにかく苦手克服に時間を使い、できる限り繰り返し学習して穴を減らすことで、受験直前まで成績は伸びると思います」

越くんに3つの質問

当時の勉強道具を見せて!

 

(1)徹底的に解いた『四科のまとめ』
(2)マンガで全体像を把握
(3)秋からは『実力完成問題集』も利用
(4)小5の『予習シリーズ』で知識の拡充

手ごたえを感じ始めたのはいつ?

塾の週テストなどで、上位に名前が出るようになってきた時です。勉強の成果が出ていると感じ、やる気がさらにアップしました。

他教科との勉強の兼ね合いは?

9月中までは、理科4、社会4、国語1、算数1の割合で勉強していました。その後は全体をバランスよく勉強していきました。

社 会

苦手な公民を集中して学習

大塚 悠矢くん

●早稲田中学校1年
鉄道研究部に所属し、週3回の部活が学校生活の中で一番楽しいとか。家族旅行でも必ず旅行先の土地の電車に乗るそう。

大塚くんにとって、社会は勉強というより“趣味”に近いものだったそうです。

昔から歴史マンガをよく読み、戦国時代の武将たちの人物像や戦略に心奪われました。気に入った本はセリフを覚えてしまうほど熱中したと言います。

地図を見るのも大好きで、コンパクトサイズの地図帳をどこに行くにも持ち歩いて、空き時間に眺めたり、家族旅行で自分が通るルートを書き込んだりしていました。

「鉄道が好きだったので、旅行はとにかく楽しかったです。鉄道好きには社会が好きな人が多いのですが、僕もそのひとりでしたね」 中学受験を決めたのは、小5の夏期講習。

「ハイレベルな学校にチャレンジしたいと思いました。それまで社会は通信教育の教材をやる程度でしたが、もともと好きだったので成績は悪くなかったです」

しかし受験となると、趣味の知識だけで社会の成績を上位校合格レベルまでもっていくのは厳しいところ。それを実感したのが、小6の4月の合不合判定予備テストでした。

「この時初めて塾の社会のテストを受けたので勝手がわからなかったし、なにより勉強していなかった公民が不出来でした。準備不足もあってそこまで落ち込みはしませんでしたが、得点源であり、自信があった社会で56というのは少しがっかりしました」

地理、歴史はそれまでの知識で補えても、公民は手探りの分野。一から勉強しなければなりませんでした。

「まずは公民の授業をとにかく一生懸命聞き、夏からは『四科のまとめ』を集中してやりました。ニュースや新聞をよく見るようにもしました」

とは言え、苦手だった理科や算数などやらなければいけない教科があり、社会にはそれほど時間が取れなかったと言います。

そこで勉強を手伝ってくれたのが、お母さんでした。「ノートなどに書くと時間がかかるので、『四科のまとめ』の要点チェックを母が口頭で問題を出して僕がそれに答える、という勉強法をしていました。

週一回、30分程度ですが、テスト前には必ずやっていて、これを直前期までずっと続けました」

問題を解くスピードの重要さを知る

公民の勉強の成果はすぐに表れ、7月の合不合では62まで偏差値がアップ。

ただこの時、大塚くんは再び中学受験の社会の難しさを感じました。

「正攻法で最初の問題から解いていったのですが、最後まで終わりませんでした。
よりにもよって手をつけられなかった最終問題が自分の得意な分野で、それが悔しかったです。知識だけではなく、解くスピードも重要なんだと初めて意識しました」

それ以来、テストでは問題を最初にざっと見て、解けるところから取りかかるようになりました。

9〜10 月は、よくも悪くも社会の成績に変動がなかった時期。ただ、そのほかの教科が伸び悩み、算数や理科に苦戦していました。

そこで息抜きになってくれたのは、“趣味としての社会”でした。

「『日本国勢図会』という社会のデータ集があります。毎年発刊され、さまざまな統計データが掲載されているのですが、そのデータを見るのが以前から好きで、息抜きとしてよく読んでいました。去年とここが違っている、この収穫量が上がっている、と比較検討するのが楽しいんです」

これは、実は成績アップにつながる効果的な勉強法でもありました。なぜなら、受験の問題に掲載されているデータや図の出典元はほとんどこの『日本国勢図会』だからです。

「テストの図や統計などの出典を見ると、かなりの頻度でこの本の名前があったのは知っていました。読んでおもしろいし、一石二鳥という感覚でしたね」

11月、冬を迎えるにあたり力を入れたのは時事問題集。同時に、過去問も解くようになりましたが、ここで今までの成果が花開きました。

「公民分野も、過去問でいい成績が出たので、そこで手ごたえを感じました。

直前期は、受験が終わってから行く旅行について思いを巡らせることが、いい気分転換になりました。

社会はがんばってきたし大丈夫と思えましたが、ほかの教科に不安があったのが正直なところです。でも、やるだけやったのでこれで駄目ならしかたない、と開き直って受験に臨みました」

社会に苦手意識を持っている人は、好きになるきっかけをつくればいいと大塚くんは話します。

「空き時間に歴史マンガを読んだり、旅行先の地図を眺めたりするだけで、社会という科目を学ぶおもしろさに触れられます。勉強ではないところで楽しむことで、成績にもよい影響が出るのではないでしょうか」

大塚くんに3つの質問

当時の勉強道具を見せて!

 

(1)小6の家族旅行の際に作ったしおり
(2)肌身離さず持ち歩く地図帳
(3)好んで読む歴史本
(4)眺めるだけで気分転換になった『日本国勢図会』

手ごたえを感じ始めたのはいつ?

12月に過去問を解いていて、いい成績が出た時です。苦手だった公民分野でもしっかり点が取れたことで、自信がつきました。

他教科との勉強の兼ね合いは?

数学と理科が苦手だったので、多くの時間を使いました。社会は全体の1割くらいの比重で、そのほとんどを公民にあてていました。計算の練習もコツコツ続けたそう。

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