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文章の論理的な構造を捉えるためには、まず、その文章の言いたいことを捉えなければならない。その文章の言いたいことをAとしよう。すると、その文章のほかの部分はAを支えたり補ったりする役割を持つ。

文章を読むときに一番だいじなのは「言いたいこと」です。その人が何を言いたいのか、まずそれをつかまえる。言いたいことをAとしましょう。 

Aと言ったとき、それに対してふたつの反応がありえます。ひとつは、Aの意味がまだよくわからない。そこで「どういうこと?」と尋ねる。もうひとつは、意味はわかるのだけど、なぜそう言うのか、なぜそう言えるのか、理由・根拠がわからない。そこで「どうして?」と尋ねる。

Aの意味がわかりにくいだろうと思ったら、もっとわかりやすい言い方(B)で言い換え、説明します。また、抽象的・一般的にすぎると思ったら具体例(C)を示す。そうして、Aをちゃんと意味のよくわかるものにします。それから、Aという主張にはまだ説得力が足りないなと思ったら、理由・根拠(D)を述べる。こうして、Aは意味がよくわかり、説得力があるものになるわけです。

それから、Aを言うとき、相手の反応を先取りしておくことがあります。相手の考えそうなこと(E)に対し、「Eと考えるかもしれない、しかしAだよ」とあらかじめ言っておくのです。また、Aに対して補足(F)をした方がいいときは「ただし」でつなげます(ただし書き)。

こうして、ひとつの言いたいことが終わったら、次の言いたいこと(G)に移る。そのときには、付加だから、「そして」や「また」などを使う。ただし、付加の接続詞はなくてもわかるので、しばしば省略されます。

これが、論理的な文章の基本型です。もちろん、実際の文章はこんなにきれいにはなっていません。だけど、この基本型を頭の中に入れておくと、論理展開が見やすくなって、論理的な文章が読めてくる。それから、自分で書くときに論理的に明確な文章が書けるようになります。



次の空欄に、下の枠内から適切な接続表現を選んで入れなさい。(同じ語を繰り返し使用してもよいし、使わない語があってもよい。)

2文をつなぐ適切な接続表現は?


先生

さあ、第3問。もうわりと楽に答えられるのもあるはずだから、そういうのはサクサク行きましょう。
(1)。はい、全員「しかし」でした。
(2)は? 「たとえば」。正解。
(3)は? 全員「また」ですね。正解。
ここらへんからだんだん文章が理屈っぽくなってきます。(4)はちょっと手応えがあるよ。どうかな?

生徒全員

難しい~・・・・・・。

先生

しかも、「理由を言え」って言われるともっと難しいでしょう。でもやっぱり、理由が言えないとだめなんですね。「そんな感じ」とかって、自分の雰囲気や気分でやっていると、いつまでたっても論理力はつかない。しかもそれを、まだその理由がちゃんとわかってない人に向けて、きっちり説明できるということが、ものすごくだいじなことなんですね。

さて、「また」と「なぜなら」に分かれました。じゃあ「また」と答えた人は、「なぜなら」と答えた人に向かって自分の意見を述べてください。

櫻井

えっと、「なぜなら」だと、(4)の前の段落の内容が(4)の後に書いてあることの結果じゃなきゃいけないのに、後を見てみると「イ」をつけて形容詞にするということ、前を見てみると「イロ」をつけて言うかどうかということで、理由や根拠になってなくて、並立関係になってる。

先生

藤田くんは「なぜなら」だね。櫻井くんは「なぜなら」じゃだめだって言うわけだけど、どう思う?

藤田

(4)の前の前の段落で、「アカとアオの二つだけなのである」って言って、その後に、ほかの色は違うっていう説明が来て、その次の段落の一番最後に「イロ」という語なしで用いられるって書いてある。(4)の後ろはアカとアオだけ「イ」がつけられるって書いてある。前の前の段落に対して、説明をふたつ言っているから「なぜなら」。

先生

なるほど!「アカとアオの二つだけなのである」に対して理由を述べてる。直前の段落じゃなくて、ふたつ前の段落に対して理由を述べてる。だから『なぜなら』にしたというわけだ。これ、理屈通ってますね。ただ、書き方としては不親切だよね(笑)。

飯野

ちょっと遠い……かな。

先生

そうだね。もし、そういう書き方をするなら、もう一度「色専用語はアカとアオの二つだけなのである」と書いておいて、「なぜならアカイ・アオイと言えるけど、ほかの色は言えないからだ」と書いた方が親切だね。でも、藤田くんが「なぜなら」と答えた気持ちはよくわかりました。

いま、藤田くんが言ったように、「色専用語はアカとアオの二つだけ」ということに対し、その下の段落はその理由を述べていて、ふたつの理由があげられています。ここ、整理しておきましょう。(論理CHECK5)表にまとめるとよくわかるように、「色専用語はアカとアオの二つだけ」ということの理由はふたつ。このふたつの理由をつなげるから、「また」。

生徒全員

あ~・・・・・・。(納得)

先生

一番目の理由がある、「また」、二番目の理由もある。このつなぎ方なんだよね。細かく読んでいくと、実はその前にもヒントがあります。(論理CHECK1)

(5)は? はい、「たとえば」でいいですね。さて、その次です。実はこの問題は(6)や(7)を問題にしたくて作ったんです。(6)はどうかな?分かれましたね。「ただし」が4人、「しかし」がひとり、「したがって」がひとり。(7)も一緒に見ていきましょう。

(7)は生徒全員「しかし」だね。岡添さん、(7)を「しかし」にした理由は?

岡添

その前のところに、「色専用語に近いといえる」って言ってるのに、後では「色専用語とはいえない」って逆のことを言ってるから。

先生

そうだね。じゃ、(6)に戻って。分かれてるけど、少ない方から聞いてみようか。藤田くん、(6)を「したがって」にした理由はなんだろう?

藤田

アカとアオ以外の色は、イはつけられないって言ってて、だからキイロとチャイロはその点で微妙な例ってことだと思う。

先生

ちょっとまだ言葉が足りないような気がするから、ぼくが応援しましょう。アカとアオは1と2を満たすので、色専用語だとはっきり言える。緑やねずみ、藍や金などは1も2も満たさないから色専用語ではないと、これもはっきり言える。そのことから考えると、チャとかキとかは1が×なのに2が○で、だから微妙なんだ。微妙じゃないものは1も2もきっぱり○か×。したがって、○と×が混ざってるのは微妙。というわけで、「したがって」が入る。皆、どうですか?

飯野

「したがって」は入らないと思うんですけど。

先生

どうして? 先生がこんなに力説したのに(笑)。

飯野

「したがって」は結論を示すから。「キイロとチャイロは微妙」って、結論と言えるのかなあと思って。

先生

なるほどねえ。これは言いたいことじゃないから、「したがって」みたいな結論を導く言葉を入れちゃいかんってことだね。藤田くんもそう言われると反論できないね。じゃあ次は「しかし」を入れた岡添さん、なぜ?

岡添

ミドリは「イ」がつかないけど、チャイロやキイロは「イ」がつくから。

先生

うん、方向としては違うことですよね。岡添さんの意見を応援しますと、色専用語以外の語は2が×だっていうのに対して、でもチャイロやキイロは2が○だから、逆になってる。だから「しかし」で受けるのがいいんじゃないか。どうだろう。

山田

私は「ただし」なんですけど、「ただし」の前の部分は、それが原則であるっていう風に考えられて、それに対して「微妙」っていうのは例外ということで、「原則はこうだけど、ただし例外もある」って。

先生

例外的だと「しかし」じゃだめ?「しかし、例外もある」は?

生徒全員

うーん?

先生

逆のことを言ってるってだけで¥は、「しかし」と「ただし」の区別がつかない。でも、「しかし」と「ただし」って、やっぱり違うんだよね。

飯野

「しかし」はそのまま逆のことを言うけど、「ただし」は・・・・・・。

先生

いま櫻井くんが、ちょっと自信なさそうに「補足」と言いましたね。山田さんも含めて3人の意見をまとめましょう。つまり、例外的な補足を「ただし」って言ってるわけ。さっき言ったこと覚えてるかな。「しかし」の後には言いたいことが来る。「ただし」のあとは補足だから、言いたいことではない。(論理CHECK6)

「AしかしB」も「AただしB」もBはAと逆のことを言おうとしてるんだけど、「AただしB」はどっちが言いたいこと?

飯野

Aが言いたいこと!

先生

ってことなんだね。

櫻井

全然違う~。

先生

そうしたら(6)の答えは、どっちがいいだろうか? 岡添さん。

岡添

「ただし」。前の方が言いたいことだから。

櫻井

そう、チャイロとキイロが微妙であることは、特に言いたいことじゃない。その代わり、(7)の方は「しかし」でいいね。チャイロとキイロが色専用語とは言えないってことは、この筆者が言いたいことだから。

さあ、最後の段落です。段落の冒頭にある「なお」というのも、「ただし」と同じように補足を表す語ですね。

(8)はどうかな。「つまり」が4人、櫻井くんが「したがって」、甲斐崎さんが「また」。甲斐崎さん、理由は?

甲斐崎

アカとアオと同じ条件のことを書いてて、⑧の後ろも同じことを書いてるから。

先生

いまの甲斐崎さんの意見に対して、誰か何かある?

山田

それを言うなら、同じ方向性で入れ替えてるんだから、換言の「つまり」でもいいんじゃないかなあ。

先生

そうだね。同じ方向ってだけなら「つまり」や「だから」でもいい。「つまり」と「また」を分けるポイントってなんだろう?

櫻井

「また」は、「また」の前後の内容を入れ替えても通じる。

先生

「AまたはB」は「BまたはA」とも言える。・・・・・・そうだけどさ、「つまり」もそうじゃない?

櫻井

「つまり」もそうか~!(笑)

先生

飯野くんは?

飯野

 「また」は付加だから、それに何かつけ足すけど、「つまり」は言い換えだから、別に新しい何かをつけ加えるわけではない。

先生

飯野くんが言ったことは伝わったかな? 「AまたB」と「AつまりB」。こうあったときに、「AまたB」では、Aという内容にBは新しい内容をつけ加えている。それに対して、「AつまりB」はAを言い換えているだけだから、Bは特に新しい内容をAにつけ加えていない。そういう目でもう一度見てみると?

藤田

アカとアオの特徴っていうのは「イ」がつけられるってことだから、全く同じことを言ってる。

先生

そうだね。新しい内容はつけ加わっていない。

藤田

イコールになってる。

先生

いま言ったことを言い換えて確認してる。だから、「つまり」。 

論理的に読むときには、こういうことをきちんと捉えながら読んでいかなくちゃいけないんだね。 

次、(9)はどうかな?

全員「しかし」。1と2の特徴を満たすから、シロとクロは色専用語になりそうだけど、って読者が考えそうなことを先取りしておいて、でも、シロとクロは厳密に言うと色じゃないという風に持ってくる。そして、それはただし書きじゃなくて筆者の言いたいことだから、「しかし」を入れる。 

最後、(10)は明らかでしょう。皆に書いてもらうんじゃなくて櫻井くんに聞いちゃおう。

櫻井

「したがって」。

先生

そう。ここが最後の結論だからね。「したがって」と言って文章全体の結論を述べている。こういう文章は論証文と言います。言いたいことを一つひとつ根拠を挙げて、論証していく文章ですね。



おわりに

 

先生

今日は問題を3題やりました。だいじなことは、文と文のつながりとか、段落と段落のつながりとか、あるいは全体と部分のつながりとか、そういうつながりをきちんと正確にとらえること。そうしたつながりが明確で一貫しているということが、「論理的」ということなんです。だから、論理的になるためには、論理的な文章を論理的な目でしっかりと読み解いていく練習をくりかえすことがとてもだいじです。そういう練習は国語の授業がやるべきなんだけど、どうかな、今日の授業は普段やっている国語の授業とは感じが違ったんじゃないですか?

生徒全員

違う、全然!

先生

うん。小説を読むのとは違うからね。もちろん、何でもかんでも論理的なのがいいわけじゃないですよ。小説もそうだけど、普段の友だちとの雑談なんかも、論理的に一貫してしゃべると、かえって楽しくないものね。でも、必要なときには論理的に話したり書いたりできるよう、いまからしっかり論理力を鍛えてください。

それじゃ、今日は長いことどうもありがとう。とっても楽しくやらせてもらいました。これでおしまい!

生徒全員

ありがとうございました!

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