私が桜蔭生だった頃――

精神科医
水島 広子

慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了。対人関係療法専門クリニック院長。慶應義塾大学医学部非常勤講師。2000 ~ 2005 年には、衆議院議員を務めた。


不良少女だった桜蔭時代の思い出


バンド活動で青春を謳歌

桜蔭時代、バンド活動をしていた。学外のライブではヘビメタにも挑戦したとか。アイドルの岡田有希子に似ていると言われ、他校の生徒から花束をもらったことも。

桜蔭の文化祭で
ビートルズのコピーも

ビートルズのコピーバンド「アップルズ」を結成。「チーフ・ビートル」だったジョン・レノン役で、バンド内では「チープ・アップル」というあだ名で呼ばれていた。

衆議院議員として
5年間活動を行う

衆議院議員時代の水島氏。総理大臣所信表明に対して、本会議で代表質問を行った様子。一年生議員としては、異例の大抜擢として話題に。

精神科医として忙しい日々を送る水島広子氏は、日本の「対人関係療法」の第一人者。2000年から5年間、衆議院議員を務め、主に厚生労働委員会や青少年問題特別委員会に所属し、医療以外の分野でも活躍しています。

そんな水島氏は、桜蔭中学・高等学校の出身。その後、慶應大学医学部に現役合格という経歴を見ると、優等生というイメージですが、水島氏の桜蔭時代は、実は波乱万丈だったようです。

「私は不良少女でした。『なぜ勉強が必要なのか?』『なぜ大学に入らなければいけないか?』など、人生の疑問を真面目に先生にぶつけた時期がありました。それが解消されないことで、反抗的な態度を取るようになり、パーマをかけたり、スカート丈を短くしたり(笑)。しょっちゅう職員室に呼び出されていました。先生から見たら、本当に困った生徒だったと思います(笑)」

しかし中には、信頼のおける先生との出会いもありました。

「私が、父の海外出張について行くために、学校を休んだときのこと。自分から学校に連絡すると、先生からうるさいことを言われるのではないかと思い、親に連絡をしてもらったんです。すると、英語の先生が『どうして自分のことなのに、自分で言わないの?』と叱ってくれました。『確かにその通りだ、この先生は本質をついている』と思いましたね。その先生とは、未だに年賀状のやり取りをしていますよ」

また、中高時代の水島氏には、いくつもの信念があり、それは6年間ブレることはありませんでした。

「桜蔭時代の目的意識ははっきりしていました。まずは、”桜蔭”ということに縛られず、若い時期を楽しむこと。バンド活動もしたし、学校帰りに寄り道をして友達とソフトクリームを食べたり、麻布など他校の友達ともめいっぱい遊んでいました。あと、英語は必ず身につけたかったから、ネイティブの発音を学ぶべく、ラジオをよく聴いていました。英語の成績だけはいつもトップクラスでしたね。大学受験のときにも、大きな武器になりました」

桜蔭時代の友達づき合いにも、水島氏のモットーがありました。

「私は昔から、まわりに嫌われている子だから自分も嫌う、というようなことは一切しません。人の表面的な違いは、些細なことだとずっと考えてきたので、桜蔭時代にも、誰にでも同じように話しかけていました。加えて、桜蔭には本当にさまざまな人がいましたが、独立独歩の精神が強く、たとえどんな変わった子がいても、いい意味で干渉しません。実際私が何度職員室に引っ張って行かれても、誰もそれをどうこう言わなかった。中高での友人関係がよかったという経験が、精神科医として必要な”人間への信頼”につながっているのかもしれません」

今では、桜蔭のキャリア教育の講師として呼ばれることもあるという水島氏。桜蔭での経験が今に活きていると感じることがあるそうです。

「思春期の患者さんと仲よくなるのが得意ですが、それは彼らの気持ちがよくわかるから。また、議員も精神科医もそうなのですが、人の多様性を尊重しないと、議論も治療も始まりません。今振り返れば、多様性に寛大だった桜蔭という場所で過ごした時間は、とても貴重だったと感じています」

水島氏に聞く!
桜蔭ってこんな学校

Q1.母校をひと言で表すと?

独立自尊。それぞれがそれぞれを尊重し合っていて、いい意味で淡泊なので、女子校にありがちな「つるむ」ということもありません。その反面、行動の責任は全て自分にあり、勉強も運動も自分でやらなければ何も進みません。

Q2.母校に向いているのはどんなタイプ?

自分をよく知っている子。自分なりの考えや、将来に対するビジョンがある方が、より充実した時間を過ごせます。逆に、自主性がないと何もせず終わってしまうので、自分探しなどには向かない場所だと思います。

Q3.他校とは違う母校の魅力は?

多様性が尊重されているというところです。ただし、私の時代にあった理不尽な校則は除きますが(笑)。どんなにユニークな子でも、それを個性として受け止める風潮があり、中高ながら、大人びた雰囲気があったと思います。

Q4.母校の同級生の進路は?

さまざまな職種についている人がいますね。私が思いつく限りでは、弁護士、医師、教師、大学講師などです。全体的な印象としては、リーダーシップを発揮する仕事についている人が多いのではないでしょうか。

Q5.母校を目指す小学生にひと言!

まず今は、がんばって受験勉強、という状況でしょうが、中高時代というのは、一生に一度しかありません。合格して桜蔭に入っても、万一落ちてしまったとしても、とにかく青春時代を楽しんでほしいですね。私は楽しかった!



 

私が雙葉生だった頃――

古代ローマ宗教研究者
小堀 馨子

東京大学大学院、ロンドン大学歴史学科を経て、現在國學院大學研究開発推進機構および東京大学大学院で研究を続ける。成城大学等で非常勤講師。


アイデンティティの基礎を確立した6年間


牛のフンに足を踏み入れ
汚れた靴もよい思い出に

中1の夏期学校は軽井沢方面へ。日本初の西洋式牧場・神津牧場を訪れたときの1枚。「牛のフンに足を取られ、初日から靴を汚してしまいました(笑)」と小堀氏。

寝ぼけ眼で伊勢湾の
朝日を拝んだ修学旅行

中3の修学旅行は伊勢志摩。朝5時に起き出して、伊勢湾の日の出を見学した。私服でも構わないと言われたが、やはりお気に入りの制服で出かける生徒が多かったとか。

古代ローマ史を監修した
歴史マンガシリーズ

小堀氏が監修を務めた『マンガ ローマ帝国の歴史』シリーズ(講談社)。共著や訳書、監修した著書は、ほかにも多数。単著での著書を出すことが今後の目標だそう。

東京大学大学院や國學院大學研究開発推進機構で、古代ローマ宗教史を研究している歴史学者・小堀馨子氏。小堀氏は、中高時代を雙葉中学・高等学校で過ごしました。中学受験を志したのは、フェリス女学院出身であるお母さんの影響だったそうです。

「母の影響で、”ミッション系、女子校、セーラー服”の3点が、志望校選びの絶対条件でした(笑)。雙葉に決めたのは、文化祭を訪れてから。”知的で上品なお姉さまたち”に接して、憧れを抱いたからです」

在学時代の自身を「勉強にしろ趣味にしろ、興味を持ったことに対してはとことんのめり込むタイプだった」と振り返る小堀氏ですが、入学当初の興味は、学業よりもクラブ活動や学校行事に向けられていたようです。

「最初に入った部は、文化祭で研究発表を見て心惹かれた理科班。中1のときから高2の先輩と接することができたのも、よい経験でした。クラブは入退会が自由だったので、ほかにも、囲碁同好会や手芸班など、その時々でやりたいと思ったクラブに在籍しました」

また、強く印象に刻まれている思い出は、7月と10月に行なわれる校内球技大会と運動会だと言います。

「雙葉の運動会は、学年の区別なく中高の6学年全クラスが、同一の条件でお互いに競い合います。体格で勝る上、一日の長がある上級生にかなわないことは明らかなのですが、だからこそドラマが生まれるものです。”上級生に負けたくない”という意識が、クラス全員を一致団結させるんですね。高1のときは、高3の先輩方の4連覇を阻んで、私の学年が優勝したんですよ。スポーツは苦手でしたが、皆の足を引っ張るまいと、必死で練習に取り組んだことを今でも鮮明に覚えています」

かたや学業面では、その後の人生を方向づける出会いがありました。

「当時、世界史を担当されていた先生の授業や課題が、私にとってはとても興味深いものでした。高1での課題は、キリスト教・仏教・イスラム教に関する書籍を読んで、三者を比較するもの。課題に取り組む中で、古代西洋史や宗教、宗教史に対する強い関心が芽生えてきたんです。高2の課題図書だった田中美知太郎訳『ソクラテスの弁明』からは、現在の研究に繋がる古代地中海世界の思想への関心が開かれました」

自分の興味の方向を見つけた小堀氏は、東京大学文学部西洋史学科へ進学。さらに同大学院の宗教学宗教史学科へ進み、研究者としての道を歩み始めます。一方で、1994年に洗礼を受けてキリスト教信者になりました。

「私がキリスト教の教義や思想を、抵抗なく受け入れることができたのは、雙葉がミッションスクールだったことが大きく影響していると思います。また、多感な時期を同校で過ごしたことは、人間形成の面でもプラスに働きました。先生方が常に私たち生徒をひとりの”レディ”として大切に扱ってくださったおかげで、他者に配慮する精神や、女性としての品格を身につけることができたと感謝しています。振り返ってみると、研究者としての私、キリスト者としての私、そして人間としての私の土台は、大半が雙葉で培われたという印象ですね。アイデンティティの基礎を確立する上で、本当に貴重な6年間だったと思います」 

小堀氏に聞く!
雙葉ってこんな学校

Q1.母校をひと言で表すと?

卒業して振り返ったときに「通ってよかったな」と思える学校です。在学中には厳しく感じる面もありましたが、椿山荘でのテーブルマナー研修や国立劇場での歌舞伎鑑賞など、さまざまな体験をさせてもらい、よい人間修業になりました。

Q2.母校に向いているのはどんなタイプ?

自分自身をしっかり持ち、自分の頭で物事を考えられる人。学生生活には楽しいことばかりではないかもしれませんし、入学前のイメージとのギャップがあるかもしれません。そんなときでも自分を見失わないことが大切だと思います。

Q3.他校とは違う母校の魅力は?

錨マークが入ったセーラー服の制服がかわいいこと。卒業するときに「この制服、もう着られないんだな」と悲しい気持ちになったことを今でも覚えています(笑)。私に限らず、雙葉の生徒たちは皆、制服に誇りを持っていましたね。

Q4.母校の同級生の進路は?

医師や弁護士、大学教員、ソプラノ歌手、タレントなど、さまざまな分野で活躍しています。”働く良妻賢母”というイメージの人が多いですね。自分のやりたいことを見つけたら、突き進む人が多いのかもしれません。

Q5.母校を目指す小学生にひと言!

相性というものは必ずありますから、知名度の高さや憧れだけで志望校を選ぶのではなく、文化祭を見学するなど自分の目できちんと校風を確かめて。その上で「やっぱり通いたい」と思えるようなら、全力で合格を目指してください!

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