司令塔母になるために
お話を伺った方々
ほぼ全体を母が見て 父は母のサポート
専業主婦か共働きか、共働きにしても、フルタイムの仕事かパートタイムかで事情は異なりますが、中学受験においては、母が全体の舵取りをするのが一般的。四谷大塚南浦和校舎の藤井徹校舎長は次のように語ります。
「夏休み前ぐらいから、"我が子の偏差値よりやや高めの志望校"という理想と、"思うように伸びない学力"という現実に、焦りやもどかしさを感じるお母さんが増える傾向にあります。そして、すべて抱え込んで精神的に参ってきて、つい子どもにあたってしまうという事態を迎えてしまうのです」
特に母に求められるのは、学習の予定や進捗状況の管理、食事など健康面の管理、メンタル面のケアということで3人の意見は一致。我が子の精神面に悪影響を与えないためにも、すべて背負い込んで当たり散らすことのないよう、役割分担をしたいものです。父は母のフォローに徹すべし、と述べるのは四谷大塚大船校舎の根本和信校舎長。
「お父さんは、直接子どもに何かするというよりは、お母さんのサポートに回るのがいいのではないでしょうか。いかにお母さんを気分よくさせるかが、中学受験を乗り越える鍵になります。受験以外のこと、たとえば食事がおいしかったと褒めることなどでも構いません。そして、褒められて喜んでいる妻に向かって"同じように子どもも褒められればうれしいのだから、子どもにもそうしてあげたらどう?"などと声をかけるとよいでしょう」
役割


祖父母から経済支援を受けるケースも
中野校舎の白岩克夫校舎長も、父の最大の役割は母のサポートと指摘。
「話を聞いてあげるレベルでもいいと思います。あとは、"ここぞ"というときに子どもやお母さんにビシッと声をかける、引き締めの役割も果たせれば理想的ですね」
すでに難関校に入学しているなど、優秀な兄や姉がいる家庭は、難しい面があるという白岩校舎長。「お兄さんやお姉さんから"こんなのもできないの?" "私は簡単にできたよ"などと言われたときの反応ですね。受験生の性格によっては、かえって闘志に火がつくケースもありますが、多くの場合はマイナス効果を与えるでしょう。兄や姉にはマイナスになることは言わないように伝えたほうがよいと思います」
「兄弟姉妹に関しては、自然と受験生を応援するムードが出てくるようにすればいいと思います。押しつけのように、兄弟姉妹までテレビを禁止するといったことは、しない方がいいでしょう」(藤井校舎長)
ほかに、兄弟姉妹は友人より身近で時間に融通の効く遊び相手・息抜きの相手になれるという意見もありました。
「祖父母については、親が共働きの場合に、子どもが目一杯甘えられる"心の拠りどころ"となる傾向があります。特に男の子に強く見られることで、いい意味で少しだけ現実から逃避できる存在になってもらうとよいでしょう」(根本校舎長)
また、「祖父母に受験費用の一部を援助をしてもらうケースも少なくない」と白岩校舎長は指摘します。祖父母から支援の申し出があったならば、ありがたく受けていいでしょう。

役割

学習サポート
教科指導には踏み込まずスケジュール管理を
子どもの勉強面に関し、家族はどうサポートしていくべきなのでしょう。
「親が具体的な教科の指導まで行うことは避けるべきです。そこは塾に任せ、基本的に学習面の管理に徹してほしいですね。それも徐々に子ども自身ができるように仕向けていくのが望ましいと思います」(白岩校舎長)
ほかの2人の校舎長も「親は教科の内容まで踏み込んだ指導をすべきではない」と口を揃えます。
「初めから自分でスケジュールを立て、それを実行できる子はゼロに等しいですから、まず学習スケジュールの叩き台をつくることがお母さんの役割になるでしょう。プリントなどの整理は、理想論を言えば子ども自身がやるべきですが、特に男の子はどうしてもできない傾向にあります。そこは、完全にお母さんがやってしまっても構わないと私は思います」(根本校舎長)
「"月曜日の放課後にこれをやり、塾のある火曜日は家庭学習なし、水曜日は1日オフ……"などと、1週間単位で自然にスケジュールができてくるので、それを子どもが遂行できているかを確認します」(藤井校舎長)
小6の夏休み以降は、塾や小学校の課題以外に過去問に手をつけるため、より緻密な学習計画の策定・実行が必要に。過去問の学習予定や結果を、パソコンで表にする父の姿なども見られると言います。困ってしまうのは、教科の指導まで行わないと気がすまない過干渉な父のケースです。
「一番やっかいなケースと言えるかもしれません。これをお母さんがなんとかするのはとても難しいので、お父さんと塾が話し合う場をセッティングするのが懸命でしょう」(白岩校舎長)
「塾はこうしたお父さんに対応するノウハウを持っていますから、塾を信頼してほしいですね」(藤井校舎長)
逆に、子どもの学習面に無関心な父にはどうすべきなのでしょうか。
「問題ないと思います。そういうものだと割り切って、学習面は塾とお母さんでサポートするというスタンスで、うまくいくでしょう」(藤井校舎長)
「『お父さんはあまり関心がないから……』と諦めないで、模試の結果の報告などは逐一行って、徐々に巻き込んでいくことをおすすめします。無関心なお父さんも、頼られて悪い気はしないはず」(白岩校舎長)
「"ふたりで食事してきて"などと、あえて父と子だけの時間をつくる、といった策もあります。無関心なお父さんであっても、我が子とふたりきりになれば、子どもにとってプラスなことを話してくれるかもしれません」(根本校舎長)
理想的な勉強面のサポートのあり方についても聞いてみました。
「お父さんもがんばる姿勢を見せる。たとえばTOEICや資格試験の勉強などですね。これはとても効果があると思います」(根本校舎長)
「兄や姉が中学受験をしている場合、その成功体験を元に受験生にアドバイスすることができますが、それはあくまで引き出しのひとつと考えてください。受験生にとって合わないものであれば、無理に押しつけないようにしましょう」(白岩校舎長)
塾や模試への送り迎えを、家族にとって楽しいイベントにしてしまう手もある、と藤井校舎長。
「模試の際は、兄弟姉妹も送り迎えに連れて行き、受験生本人が模試を受けている時間はデパートなどで買い物をして、模試の終了後は外食する、といったやり方ですね。受験生本人のみならず、兄弟姉妹の精神面のケアもできるので効果的でしょう」
学習サポート
分担率
誰が何をした?

●私は声かけ程度にとどめた。「勉強しなさい!」とは言わず、「何時からどれくらいやるの?」と、あくまで本人に決めさせた。夫は進路指導。兄は家族で一番「勉強しろ」とうるさく言った。(聖光学院)
●夫は、子どもがいろいろなことに興味が持てるよう、話をしたり、出かけたり、本を紹介するなどしていた。私は塾の宿題や家庭学習のチェック、過去問などのスケジューリングの修正をした。(麻布)
●私が宿題のチェック、漢字テストの作成、復習すべき内容の選定をした。私では太刀打ちできない、難解な問題の解説は主に兄が担当。兄が大学受験で時間が取れない場合は夫が見た。(鎌倉女学院)
●入塾以後、ずっと週テストの解き直しノートや、漢字の復習テストをつくっていた。小6の秋からは、その日にやるべき課題をホワイトボードに書き出していた。夫は、ときどき算数や理科のフォロー。(桐朋)
●本人が計画を立てて学習していたので、前半は本人の思うようにさせていた。後半は本人と父母の3人で、1か月と1週間ごとのスケジュールを相談しながら作成し、予定通り進んでいるかチェックした。(成城)
●入試3か月前までは、すべて塾にお任せ。それ以降、私が勉強のスケジューリングをし、算数と国語の過去問の解説をした。夫は過去問のコピーを手伝ってくれ、ときどき国語の解説をしてくれた。(茗渓学園)

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