ケアレスミスを減らす 最後のタイミング

算数の本番で起こりやすいミスは、大きくふたつあります。ひとつは「計算ミス」。そしてもうひとつが「問題文の読み違い」です。直前期には、本番でこのようなケアレスミスを起こさないための対策が必要になってきます。 

計算ミスに関しては、何と言っても文字をきれいに書くことが有効な対策であり、11月後半の時期は、それを習慣づける最後のタイミング。字が汚いと、自分が何を書いたのか途中式がわからなくなったり、数字を読み間違えたりするケアレスミスにつながります。些細なことに思うかもしれませんが、合否を決めかねない重要なポイントになるという認識を、子どもに持ってほしいところです。 

問題文の読み間違いは、本番の緊張から引き起こされますから、自信を持って試験に臨むことでしか防げません。そのためにも、塾の授業は変わらずに出てほしいところ。直前期には、入試出題頻度の高い重要問題を取り上げるからです。授業を聞いて、解き直しをする。それをコツコツ続ける子どもは、算数の成績が直前まで伸びる傾向があります。 

家庭学習では、計算問題に毎日触れてほしいもの。計算問題は、野球で言えば素振りにあたり、算数の基礎力を上げる大切なトレーニングです。算数の"カン"を保つうえでも、毎日やることが大切だと考えましょう。

基礎を確認しつつ 自信を持たせる

直前期におさらいしたい具体的な内容としては、「文章題」「図形」「数と規則性」が挙げられます。文章題は、とにかく問題をしっかり読み、条件を整理すること。例題に挙げた「速さ」に関する問題などは定番中の定番。予習シリーズなどの基礎教材を見直し、数をこなしておきたいところです。 

図形は、まず面積の関係や公式などの知識が必要ですから、抜けがないか要チェックです。解けなかった問題があったら、とにかく図形を自分の手で描くこと。平面図形でも立体図形でも、描いた分だけ図形のイメージが頭に蓄積され、どんどん図形問題に強くなってきます。女子はコツコツ描くことを厭わないのですが、めんどくさがりやの男子は、特に苦労しているようです。直前期で時間が惜しいのはわかりますが、急がば回れ。この時期にも、手を動かした子どもが合格に近づくと考えてください。「数と規則性」は、最後は「約数・倍数」の処理が問われます。割り切れなかった「あまり」を意識しながら勉強するとワンランク深い理解ができます。 このような重要部分のうち、じつは単元を横断して使える共通の考え方があります。それは「比例・反比例」です。 

速さや濃さの問題では、条件が比例、もしくは反比例どちらかが関わってくることが多くあります。また、図形問題にしても、高さが等しければ底辺と基礎を確認しつつ自信を持たせる面積が比例関係になるなど、比例・反比例が潜んでいます。数と規則性を除くあらゆる問題に、比例・反比例が関係してくるので、それを1本の柱として、常に注意を払いながら問題を解くと、単元の違う問題にもつながりが見出せ、応用力が上がるでしょう。 

また、家庭学習で算数を勉強するうえで、親が見ていてほしいことはいくつかあります。まず学習時間について、算数は集中力がなくなると身につかない教科です。人間の集中力が続くのはだいたい1時間半ですから、それを超える場合は、2回に分割して取り組むのがおすすめです。たとえば、塾のない日であれば、学校から帰ってきて1時間半、夕食のあとに1時間半という風に区切って取り組ませてみてはいかがでしょう。 

直前期には、難問をクリアできるまで何度も解き直しさせる必要はありません。あまりに正答率が低いような問題は、飛ばしてしまっても大丈夫です。それよりも重要なのは、弱点の確認や間違いを探すこと。予習シリーズなどを活用し、基礎問題をたくさんやらせてあげるといいでしょう。自分ができない問題よりも、みんなができる問題を絶対に間違えないこと。また、前にできたところでも、子どもは忘れます。だからこそ、今一度基礎に立ち返り、大きな収穫を求めるのではなく「落穂ひろい」をするつもりで、正答率の高い基礎問題は確実に解けるような力をつけましょう。正解を重ねることで、子どもに自信が生まれます。そうすれば、入試本番でもケアレスミスをする確率がぐっと下がるはずです。

すべてのカギとなる比例・反比例を身につけよう


(平成24年度 城北中学校 一部改)

容器の中に8%の食塩水が160g あります。この容器から40gの食塩水を取り出し、代わりに40gの水を入れるという操作をします。この操作を2回くり返した後、容器の中の食塩水の濃度は何%になりますか。

はじめ、食塩の重さは、160×0.08=12.8(g)
食塩水を40/160=1/4 取り出すと、食塩を1/4 取り出したことになる。
1回操作をすると、食塩は1-1/4 =3/4 になるので、2回操作をすると、
12.8× 3/4× 3/4 =7.2(g)したがって、濃度は、7.2÷160=0.045→4.5%


(平成24年度 海城中学校 一部改)

父親は午後1時にP町を出発し、Q町へゆっくり歩いて向かいました。その32分後に息子もP町を出発し、Q町へ早足で向かいました。父親が出発してから息子が出発するまでの間に、飼か っている犬がP町を出発し、歩いている父親に向かって走りました。犬が父親のところにたどり着くと、今度は引き返して息子のところに向かって走りました。息子のところにたどり着くと再び父親のところに向かって走り始めましたが、今度は追いつくことはできませんでした。父親がQ町に着いたとき、息子はQ町まで800mの地点にいました。その4分後に犬が、そのさらに4分後に息子がQ町に着きました。父親、息子、犬の速さはそれぞれ一定で、速さの比は1:2:3です。このとき、次の問いに答えなさい。
(1) 父親がQ町に着いた時刻を求めなさい。
(2) P町からQ町までの距離は何mですか。

(1)父と息子の速さの比は1:2だから、同じ道のりを進む時間の比は、
1/1:1/2=2:1
32-8=24(分) ←2-1=1
父がP町からQ町まで行くのにかかった時間は、24×2=48(分)
だから 午後1時48分
(2)息子の速さは、800÷(4+4)=100(m/分)
父の速さは、100÷2=50(m/分)P町からQ町までは、50×48=2400(m)


(平成24年度 明治大学付属明治中学校 一部改)

下の図のように、2つの円柱の容器A、Bがあります。容器Aには底から6cmのところまで水が入っており、容器Bは高さが12cmで、水は入っていません。容器Bを真っすぐに立てて容器Aの底までしずめたところ、水面が2cm上じょう昇しょうしました。このとき、容器Aと容器Bの底面積の比を、最も簡単な整数の比で表しなさい。ただし、容器Aの高さは、容器Bの高さより高いとします。

高さの比は、2:(6+2)=1:4
底面積の比は、1/1:1/4=4:1


( 平成24年度 吉祥女子中学校 一部改)


上の図1のような平行四辺形ABCDがあります。辺AB上に点Eがあり、AE:EB=2:1です。三角形AEFの面積を12c㎡とするとき、次の問いに答えなさい。
(1)平行四辺形ABCDの面積は何c㎡ですか。
(2) 図2のように、辺GHが点Aを通る長方形EDGHの面積は何c㎡ですか。

(1) EF:FD=2:3だから、三角形AEDの面積は、
12× (2+3)/2 =30(c㎡) 平行四辺形ABCDの面積は
30÷ 1/3 =90(cm2)
(2)EF:FD=2:3だから、三角形AEFと長方形EDGHの面積比は、
(0+2):(2+3)×2=1:5
長方形EDGHの面積は、
12×5=60(c㎡)


( 平成24年度 富士見中学校 一部改)

7や13のように、1とその数自身しか約数がない整数を素数といいます。ただし1は素数ではありません。次の問いに答えなさい。

45=3×3×5 →ア=3、イ=5
約数は、(2+1)×(1+1)=6(個) →ウ=6
180=2×2×3×3×5だから約数の個数は(2+1)×(2+1)×(1+1)=18(個)→エ=18


( 平成24年度 麻布中学校 一部改)

1以上の2つの整数に対し、それぞれの数をそれらの最大公約数で割った商の和を計算することを考えます。たとえば、18と12の最大公約数は6なので、18÷6+12÷6=3+2=5となります。このことを、【18,12】=5と表すことにします。以下の問いに答えなさい。

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