私が麻布生だった頃――

日本テレビアナウンサー
桝 太一

東京大学大学院農学生命科学研究科修了。在学中は、アサリの研究を行う。現在、日本テレビのアナウンサーとして、情報番組『ZIP!』の司会などを担当。


蝶オタクとして生物部の活動に没頭


有栖川班班長として
活躍した日々

生物部の部誌には、有栖川班班長としての活動記録を掲載。有栖川公園の植物をリストにし、本数を地道に数えたとか。また、座間味島の蝶に関する論文も執筆した。

5〜6人のチームで
卒論を執筆

麻布には、中3次に卒論を執筆する授業がある。桝氏のチームは、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を取り上げ、100枚以上の論文を書いた。

飽きることがない
アナウンサーという仕事

「この仕事を、飽きたと思ったことは一度もない」と言う桝氏。派手さはなくとも、お茶の間に欠かせない、アサリの味噌汁のようなアナウンサーを志しているそう。

日本テレビの朝の顔として、情報番組『ZIP!』(月〜金/5:50〜8:00) に出演中のアナウンサー・桝太一氏。

小学5年生のとき、麻布の文化祭を訪れ、自由で自主的な雰囲気に惹かれ、同校を受験しました。

「入学して、思っていたよりもさらに自由な学校であることがわかりました。いい意味でのオタクが多くて、個性的な人がたくさんいましたから。まわりの流行に乗らなきゃ、という空気もなく、私には過ごしやすかったです」

そんな桝氏にも、オタクな一面が。

「私は小学生の頃から、大の生き物好き。特に蝶オタクなんです。麻布で生物部に入りましたが、6年間を通して最も熱中したのが、蝶の観察でしたね」

生物部は、飼育とフィールドワークを中心に活動していましたが、どんなことをするかの全ての権限は、生徒にゆだねられていたそうです。

「たとえば合宿も、自分たちから先生に提案し、許可をもらいます。夏には、八ヶ岳や尾瀬で10日間、自炊生活をしながら、蝶やそのほかの生き物を観察しました。中学の頃には、部の友達だけで沖縄合宿に行ったことも。ツマムラサキマダラという蝶を見つけたのですが、手元にある図鑑にすら載っていないような、珍しい蝶なんです。あれは興奮したなあ」

文化祭では、生物部は、研究発表のほかに、海の生き物を実際に触れる「タッチプール」の展示をしていました。また、ねずみの展示も毎年の恒例だったそう。

「ねずみはかわいいから、女の子がたくさん触りに来てくれるんです。男子校の生物部には、欠かせない存在だと、個人的には思います(笑)」

生徒に負けず劣らず、ユニークな先生が多いのも、麻布の特徴かもしれません。桝氏の記憶にも鮮烈に残る先生が何人もいると言います。

「合宿の引率の先生が、登山部の先生だったので、山道をかなりしっかり歩かされました。観察に向かう途中で脱落する生徒もいましたから、合宿に備えて筋トレをしていました。生物部なのに、ですよ(笑)。勉強面でも、ユニークな先生がいました。ある世界史の先生は、テストの度にとんでもなく難しい問題を作ってきて、平均点がまさかの赤点。中には、『ファシズムとは何か?』といった大学の試験のような問題も。あれには苦労しましたね。授業は基本的に先生が使ったプリントで行われるのですが、ハードルを上げてくれる先生が多かったです。でも、どの先生も自分の教科を愛していて、生徒にもそれを伝えようとする気持ちが伝わってくるので、楽しかったですよ」

麻布での経験は、アナウンサーという仕事にも大いに役立っていると、桝氏は感じています。

「麻布にはさまざまなタイプの人を受け入れる土壌と、好きなものを”好き”と言える環境がありました。ただし自由な反面、何でも自己責任で行わなければいけない。アナウンサーも、視聴者への発言に対する責任は、全て自分にあります。私は、報道、スポーツ実況、芸能ニュースなど幅広く担当し、多様な情報の中にいますが、自己責任のもとでマイペースを貫き、やりがいを持って仕事ができています。これは、麻布で培った自主独立の精神があってこそだと感じています」

桝氏に聞く!
麻布ってこんな学校

Q1.母校をひと言で表すと?

自由奔放、自己責任。よくも悪くもとにかく自由なので、自分をしっかり持っていれば、かなり充実した6年間が送れると思います。勉強も「お前はお前、俺は俺」という感じで、各自それぞれのペースでしたね。

Q2.母校に向いているのはどんなタイプ?

何かしらの好きなことに熱中できるタイプでしょうか。一方麻布では、金髪にピアスの子と、私のような生物オタクが仲よく学校生活を送っているという面も。本当に、いろいろなタイプの子が集う学校だと思います。

Q3.他校とは違う母校の魅力は?

勉強も、学生生活全般もそうですが、自分の選択や判断を止める人がいないところ。もちろんあくまで、良識の範囲内の行動においてですが、その中なら何をやっても許されるのは、麻布らしさと言えるのではないでしょうか。

Q4.母校の同級生の進路は?

個性的な生徒が集まって来るだけに、就職先もとにかく多様です。同級生で思いつくところでは、大学の准教授、商社、マスコミ、音楽関係、医師などですが、あくまで一例。そのほかにも、さまざまな業界に卒業生がいるはずです。

Q5.母校を目指す小学生にひと言!

麻布は、自分の持つ可能性を探し出し、広げるにはぴったりの場所ですよ。受験勉強は大変だと思いますが、苦労するだけの価値は十分にある学校です。麻布に入って、自分の好きなことを見つけ、没頭してみてください!



 

私が聖光生だった頃――

JAXA宇宙飛行士
大西 卓哉

東京大学工学部航空宇宙工学科卒業後、全日本空輸に入社。2009 年にJAXA(宇宙航空研究開発機構)より、ISSに搭乗する宇宙飛行士候補に選抜される。


先生の深い熱意が聖光らしさ


中3ではカナダホームステイも

聖光では、中学3年次に2 ~ 3週間の海外ホームステイが行われる。行き先は、カナダ、イギリス、ニュージーランドのいずれか。大西氏はカナダへのホームステイを体験した。

宇宙飛行士候補者として
2年の訓練を積む

2009年に、JAXAよりISSに搭乗する日本人宇宙飛行士 の候補者に選出。約2年間基礎訓練を行った。プールを 使って無重力を再現し、パワーツールの操作を習得。

長期滞在を充実したものにするのが今の目標

2011年7月、ISS宇宙飛行士に正式認定。ISSへは現在最長6か月間の滞在があり、将来は日本の実験棟「きぼう」を含むISSの操作・保守のほか、さまざまな宇宙実験を行う。

地上400キロ上空に建設されている、ISS(国際宇宙ステーション)。2011年7月、大西卓哉氏は、ISSに搭乗する宇宙飛行士に認定。現在は、T38ジェット練習機での飛行訓練、巨大なプールを使用した船外活動のシミュレーションなどを続けています。

そんな大西氏は10代の6年間を、神奈川の名門・聖光学院で過ごしました。

「中学受験は、父のすすめ。私の性格と校風を、よく考えて決めてくれたのでしょう。私は昔から、お尻を叩かれると伸びるタイプなんですよね(笑)」

大西氏曰く、聖光は『先生の面倒見がいい学校』なのだそう。

「授業中、生徒がちょっとでも不真面目な態度だと、先生がちゃんと叱ってくれました。テストもばっちり順位が発表されましたね。私は初めてのテストで、100番台という順位でしたが、小学生の頃はクラスの中でも勉強ができる方だったので、すごくショックを受けたんです。とんでもないところに来てしまったな、と。でも先生が本当に熱心で、教育体系もしっかりしているので、塾に通うこともなく、現役で大学に合格できました」

述べ2万人を超える入場者が集まる聖光祭(文化祭)も、名物のひとつ。

「まわりの女子校の生徒もたくさん来るのですが、積極的に女の子に声をかけるような仲間は、私のまわりには皆無(笑)。そこも聖光っぽさと言えるかも。私は、少林寺拳法部で演舞を行いましたが、実は演劇にも挑戦しました。井上ひさしさんの『十一ぴきのネコ』という戯曲を、有志を集って上演しました。一応ミュージカルなのに、歌を全部はしょったりして(笑)。素人丸出しのレベルでしたが、楽しかったです」

6年間をともにした仲間とは、現在でもつき合いが続いていると言います。

「宇宙飛行士に認定されたときも、お祝いしてくれました。気持ちのいい奴らばかりで、彼らからうまい人づき合いのやり方を学べたと思います」

自分自身は、「校内では目立たない存在だった」と語る大西氏。

「当時は、自分が宇宙飛行士になるなんて、夢にも思いませんでした。宇宙を舞台としたSF小説を読み、小さな頃から宇宙への興味は強かったですけれど。読書は好きで、吉川英治さんの『三国志』などを読んでいました。あとは、やっぱり物理。物理のおもしろさに目覚めたのは、聖光のおかげです」

高1のときの物理の先生は、今でも印象に残っているそうです。

「物理好きを増やしたいという情熱を感じる先生でした。放課後、1時間でも2時間でも質問に応じてくれました」

先生についてはこんなエピソードも。

「宇宙飛行士候補に選ばれた後、母校に足を運びました。その際、当時の担任の先生にお会いできたんです。その先生の提案で、クラス全員が将来の夢について語るVTRを撮影したことがあり、当時の私は、確かに『宇宙関連の仕事がしたい』と言っていたそうです。10年以上も前のVTRなので、私自身はすっかり忘れていたのですが、それを今まで大事に取っておいてくださった先生の心づかいに感激しました」

先生が、生徒一人ひとりに、深い熱意と愛情を持って接してくれる。そんな「聖光らしさ」が、宇宙への夢を抱いていた大西氏の背中を、押してくれたのかもしれません。

大西氏に聞く!
聖光ってこんな学校

Q1.母校をひと言で表すと?

「紳士たれ」という言葉が、真っ先に浮かびます。カトリック系の学校で、外国人だった当時の校長先生に、入学式で言われた言葉です。中学生の私にとって「そういう考え方もあるのか」と衝撃を受けたものです。

Q2.母校に向いているのはどんなタイプ?

真面目で、あまりはっちゃけていない人の方が向いているでしょう。礼儀や規律がしっかりしている雰囲気が好まれ、髪を染めたり、女の子にモテたり、といったことに、あまり興味がないタイプの生徒が多かったと思います。

Q3.他校とは違う母校の魅力は?

私立の中高一貫校なので、当たり前かもしれませんけど、先生の生徒一人ひとりを見る目が、細かく行き届いている学校だと思います。私だけでなく、母親も先生についてよく知っている程、結びつきは深いです。

Q4.母校の同級生の進路は?

母校の同級生には医師や弁護士、会計士、メーカーの開発技術者、公務員あたりが多いかと思います。あと、先輩OBには、ミュージシャンの小田和正さんがいます。でも、こうした進路は、特殊なケースでしょうね。

Q5.母校を目指す小学生にひと言!

今振り返っても、本当にいい学校です。中高の6年間が、自分の人格形成の基本になりました。宇宙飛行士になるには、コミュニケーション能力や教養なども求められますが、その基礎は聖光で身につけたという気がしますね。

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