子どもが勉強を「楽しい!」と感じ始めたら、その気持ちを基に学習の習慣づけを試みていきましょう。
低学年の子どもと接するときに気をつけたいことを内田氏に、具体的な学習習慣づけの方法を清水氏にお聞きしました。

子どもの「安全基地」になる

その子自身の進歩を認め、ほかの子と比べない

子どもにとっての「生き字引」にならない

禁止や命令ではなく「提案」をする

子どもが考え、判断する余地を残す

答えを探り、見つけ出す楽しさを体験させる

数年後の中学受験を見据え、低学年のうちに早く子どもに学習習慣をつけさせたいと考えている方は多いはず。しかし、親が短期的な目標にばかりとらわれていると成長をかえって阻害してしまう可能性もあります。内田氏は約3000人の子どもを対象とした調査結果から、次のように指摘します。

「家庭内の蔵書数や教育投資額などと子どものリテラシー獲得との関係を調査したところ、何よりも、家庭のしつけスタイルが学力と相関性があることがわかりました。子どもの早期教育にどんなに投資していても、親が常にトップダウンで命令する“強制型しつけ”を受けた子どもはリテラシーも語彙力も低いという結果が出たのです」

“強制型”とは逆に、理想とされるしつけのスタイルは、子どもを中心として親子のふれあいを大切にする“共有型”。このタイプの親のもとに育てられた子どもはどの能力も得点が高くなる傾向が明らかになったそうです。

「家庭の経済状況については、どうにもならない部分もあるかもしれませんが、親子の関わり方は変えることができます。親が子どもを対等な人格を持った存在と認めて接すれば、子どもは自然に伸びていくものです」

こうした考え方に基づき、内田氏は“親が気をつける5つの鉄則”としてアドバイスを送ります。

「第一に、親は子どもの“安全基地”になることです。子どもを見守り、誰よりも子どものことを受け入れられる信頼関係を築きましょう。そして、その子自身の進歩を認め、褒めてあげること。決してほかの子と比べてはいけません。また、“生き字引”のように余すところなく定義を与えない。親は教師ではないのですから、教え込むという意識を捨てて寄り添ってあげてください。次に、禁止や命令ではなく提案をするのが親の役割。『~しなさい』ではなく、『~したらどう』という声がけを心がけてください。最後に、子ども自身が考える余地を残すこと。質問にすぐ答えを与えず、考えるきっかけを作って。質問に答えることは簡単ですが、質問の仕方を教えることはできません。自ら疑問を持ち、答えを見つける自律的思考力を養えば、イマジネーションの力が磨かれます」

この自律的思考力と、イマジネーションの力=創造的想像力こそが、いわゆる“9歳の壁”を乗り越える重要なカギになると、内田氏は説きます。

「具象思考から抽象思考へと変化するこの時期までに、見えるものを手がかりにして見えないものを想像する力をしっかりと育んであげてください。肝心なのは文字を書けるかどうかではなく、文字で表現したくなるような内面の育ち。即効より底力です」

創造的想像力を身につけるには、探求するのはおもしろい、という体験をたくさんすることが一番。それは、学習習慣の定着にもつながっていきます。

「“強制型しつけ”をしていると、傍目には学習習慣がついたように見えても、いつでも親の顔色を伺い、萎縮する子になってしまう。親の指示待ちをしてしまうんです。子どもの自発性に敏感になって、能力に合わせた援助をすることが大切ですね」

ペースができるまでは親が先導して応援を

低学年の間に基礎学力を培うと同時に、自分から机に向かう習慣をつける必要性を清水氏は強調しています。

「今のうちに、高学年で“伸びる基礎”を作っておくことが重要。三段階で学習習慣づけを行っていきましょう。まずは親がペースメーカーの役割をして、一緒に勉強することです。ポイントは、一度にやりすぎないこと。タイムを測って新記録が出たり、子どもが乗ってきたなと感じたところでその日は止めるのです。すると、翌日もトライしたいという気持ちが生まれます」

これが第一の段階。子どものやる気や前向きさが伝わってくるようになれば、さらに次のステップへ。

「子どもの中に、勉強って結構おもしろいという意識が芽生えてきたら、徐々に親は離れ、今度は『○○ちゃんのやり方でやってごらん』と子ども自身でペースを作らせるようにします」

最終段階は、子どもがひとりで自然に机に向かう生活のリズムができるのが理想です。とは言え、実際にはそう簡単に親の手を離れ、ひとりで勉強を始めるわけではありません。一度や二度はつまずくこともあっていいのです。

「つまずくのは勉強にわからないことが出てきたとき。子どもがつまずいているなと感じたら、また親が適度に助言をし、念入りに復習して基礎固めをしましょう」

中学受験を予定している家庭では特に、「親は子どもに温かい声援を送る併走者であってほしい」と清水氏は言います。そして、学習習慣や基礎学力と同じく、低学年の間に作っておきたい素地として「好奇心を目覚めさせる」ことを挙げています。

「小学2、3年生の自我が生まれてくる時期には、机上の勉強だけでなく、関心がどこにあるのかを見極める意味で外に連れ出してほしい。親が率先して刺激や感動を与え、好奇心を目覚めさせてください。子どもの可能性に大いに期待し、本当に究めたいことを見つけるための種を蒔いてあげましょう」

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