スペイン語を使って
日本の国際貢献の一翼を担う

チリってどんな国?

人口:1,676万人
(2008年推計)
面積:756,629km&2;
首都:サンチャゴ
在留邦人数:1,170人
(2009年調べ)
日系企業:53社
(2010年3月推定)

チリは世界最大の銅産出国。世界の鉱山生産の1/3を占め、対日最大の輸出国、中国・ アメリカへの輸出が目立つ。銅のほかにも、チリ産の鮭やブドウ、ワインなども日本に輸出されている。また今年は、チリが12年ぶりにW杯に出場。テレビの販売台数が急上昇し、日本のメーカーも3Dテレビのプロモーションを行った。

駐在経験を活かして事業方針をまとめる

西木広志さんは、日本の政府開発援助(ODA)により展開される国際協力事業を実施する団体、独立行政法人・国際協力機構(JICA)の職員です。 

「2005年から約3年間チリに駐在し、現在は日本のJICA本部で働いています。ブラジルやペルー、グアテマラなどの国がある中南米地域に対する協力事業の方針や、予算管理の取りまとめをするのが今の仕事です」

“協力事業の方針取りまとめ”とは、中南米の国々・地域の経済・社会発展駐在経験を活かして事業方針をまとめるのため、海外にある在外事務所からの情報などをもとに、優先的・重点的に取り組むべき課題は何かといった大きな方向性を決めていくこと。

「このように事業方針を決めるだけでなく、その後の予算管理も仕事になります。各国で実施している事業を踏まえて、新たに開始する事業について、国毎の予算配分を行います。事業が始まったら、最初に設定した計画通りに事業が行われているかを管理します。この一連が、“予算管理の取りまとめ”です」

予算の執行が進んでいない場合には、ほかの職員の協力も得ながら、その原因はどこにあるのかを考え、在外事務所にも確認し、事業の実施を促すこともあるのだとか。

「仕事を進める上で、在外事務所のスタッフと密にコミュニケーションを図ることはとても重要。通常はメールでの連絡が中心ですが、内容によってはテレビ会議を行うこともあります。お互いの顔を見ながら意見交換することは、事業の改善や円滑な実施に結びついていきます。このような業務には、実際にチリなど在外勤務をし、さまざまな事業の様子を見てきたという経験が、役に立っていると感じていますね」

チリでの業務で感じた海外との文化の違い

西木さんは、中学時代のアメリカでのホームステイ、大学時代のアメリカ人のホームステイ受け入れ、タイとバングラディシュでのボランティアの経験などを通じ、海外で働くことに興味を持ち始めました。

「一番のきっかけは、タイでのボランティア経験です。その際に訪問したタイ東部のカンボジア国境の場所では、水道や電気の設備や使用が非常に限られていました。夜の部屋の明かりは大きな広間に裸電球1個というように、地図上では、日本からさほど離れていない国なのに、日本との生活や環境に大きな違いがあることを痛感しました」

日本の環境とは異なる国で仲間とともに働き、少しでも人の役に立つような活動をできた……。そんな充実感を得た西木さんは、就職先のひとつとしてJICAへの入構を考えました。

「入構後しばらくして、1年間、スペインで語学を学ぶ機会に恵まれました。JICAの国際センターで、世界各国から技術を学びに来る研修員を受け入れているのですが、そこで中南米から来る研修員の多くが母国語とするスペイン語に触れ、興味を持ちました。少しでも理解できれば、よりコミュニケーションが図れると思ったのです。この語学研修後、1996年から約3年間、南米のボリビアに赴任しました」

そして西木さんは、2005年6月から、チリに赴きます。「チリは、鉱業(主に銅)が国の経済を支えていますが、農業や水産業も発展し、日本にもブドウやワイン、鮭などを輸出しています。しかし、徐々に数や割合は減少しているものの、地方を中心に貧困にあえぐ人々もいます。このような人々を対象に、彼らが営む小規模農業への支援について改善・拡充し生活向上を図るため、相手国政府の関係省庁や公的機関とともにプロジェクトを実施しました」

そのほかにも、チリの地震対策のため、強い街を造ろうと、コキンボという市で協力活動も行いました。「具体的な私の仕事は、各事業の質を管理することと、課題や問題が発生した際の対応です。また、安全対策などを含めた総務、経理の取りまとめも行っていました」

JICAの海外での業務は、各プロジェクトで働く日本人専門家や、各地域に派遣される青年海外協力隊、そして地元の人々など、多くの関係者によって支えられています。
「プロジェクトや青年海外協力隊員の活動を進める上で、相手国政府の方も含めて多くの人が携わっているだけに、関係者間の認識がずれることもありました」

違う組織の人や、同じ組織の人でも現場で働く人と全体を管理する人では、認識に差が見られることもあったとか。「この場合はすぐに関係者で集まり、当初の目標を確認し、認識の差を埋めるために、日本側はどのような取り組みができるのかを話し合う機会を設けました。このようにコミュニケーションを図り、一つひとつ問題を確認しながら、着実にお互いの理解を深めていくことが大切です」

中南米では、人とのつながりに〝文化の違い.を強く感じたと語る西木さん。
「中南米の人々は家族や友人をとても大切にします。娘が現地の幼稚園に通っており、友人間の誕生日会が頻繁にありました。毎週立て続けに行っていたこともあります。その中で親交を深めることにより、チリの人たちの普段の生活を垣間見ることできました」

海外での暮らしで、西木さんが得たのは、どんなことなのでしょうか。 「日本や東京と比較すると、情報や娯楽などは限定されていたかと思います。しかし、時間も空間もゆったりしていました。人との付き合い、食事、自然環境など、日本とは異なる多くのことを体験しました。違った環境の中で暮らして働くことは、自分が全く知らなかった生き方や価値観に、気づかされます。それを発見したり、体験することが、大変おもしろいと私は思います」

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