対策ゼロでの受験は無防備で
〝戦場"に出かけるようなもの

参考書 
では、過去に出題された問題と同じ問題が出題されることはまずありません。また、過去問を解いて過去の合格者平均点を上回ったとしても、それはあくまで過去の受験生との比較に過ぎず、その結果が来年の入試においても通用するとは限りません。
にもかかわらず、中学受験では過去問対策が合否のカギを握ると言われ、過去問対策に手をつけないでいると、志望校合格は難しいのが現実です。その理由は、大きく分けて二つ考えられます。
一つは、事前に出題傾向をつかんでおかなければ、本番で太刀打ちできない恐れがあるためです。中学入試では学校ごとに出題の癖があり、そうした癖を事前につかんでおくかそうでないかで、入試の結果は大きく変わります。
「『作図の問題をよく出す』『記述問題が多い』など、入試問題には学校ごとに特徴があり、それぞれのパターンは概ね前年を踏襲するのが普通です」(大川正明先生)
「『新書レベルの難しい文章を採択する』『設問の言い回しが独特』など、入試問題は学校ごとに構成や配列、形式に特徴があるため、受験する中学校の入試問題に対して『自分の力を当てはめていく』という訓練がどうしても必要になってきます」(原健治先生)
塾に通っている子どもは、日頃からテストを受け慣れていますが、そもそも塾などが実施する模試と入試問題は、レベルや性質が大きく異なります。模試は学力の異なる大勢の子どもをその対象にしているのに対し、入試問題はそれぞれの学校に必要とされる学力が試されるテストです。そのため、入試を突破するには、事前の入念な過去問の分析と対策が必要になります。
「一部の難関校では、子どもの『初見対応能力』を試すために、見たことのない問題や変わった切り口の問題を出題してきます。そんな場でも、事前に相手の出方を知り、それを踏まえたトレーニングを積まなければ、本番で実力を全く発揮できなくなる恐れがあります」(岩室圭先生)
「毎年そうですが、初めて志望校の過去問に取り組んだ子どもは、その大半が合格最低点に届きません。これは、何も対策しないでいると本番でも同じ結果になることを意味しています。過去問対策をやらずに本番に臨むことは、無防備で戦場に出かけていくようなものです」(高根澤祐司先生)

過去問を解くうちに時間の感覚がつかめるようになる


過去問対策が必要なもう一つの理由として、本番の時間配分をつかんでおく必要性が挙げられます。各中学校の問題の分量や配置は踏襲する場合が多く、過去問を数年分解くうちに、志望校の問題量と制限時間が身体に刻まれ、適切な時間配分が可能になります。
「合格するには一つの大問やそれに付随する小問の解答にかけられる時間感覚を養う必要があり、それには過去問を使った予行演習が不可欠。一つひとつの問題を解くスピード感、時間をかけても良い問題の選択、解く順番といった解答のコツがつかめるようになるので、本番で自分が取るべき行動がはっきりします」(原先生)
「易しい順に問題が配列されている模試と違い、入試問題では、途中にあえて難しい問題が挿入されることがあります。その問題で手こずると最後まで解き切れなくなるため、『難問は後回しにする』『解けない問題は捨てる』などの見極めが必要。時間内で最大限の実力を発揮するには、問題の取捨選択の感覚を養う必要があり、それを養うには過去問演習しかありません」(高根澤先生)


弱点を洗い出す絶好の機会ととらえて挑戦しよう


志望校合格のためには、過去問対策で出題傾向と時間配分をつかむだけではなく、学力の底上げを図ることも欠かせません。四谷大塚の講師陣は、自分の弱点や課題を浮き彫りにするツールとしても過去問は活用できると言います。
「合格ラインに届かなかったとしても、結果を分析すれば、実力不足なのか、ケアレスミスによる取りこぼしが多かったためなのか、などの原因が明らかになります。それを分析し、改善を心がけることで、少しずつ得点を積み上げていけるはずです」(大川先生)
「過去問を解くことで、その時点での実力と合格最低点の差が明確になります。最低点に届かない原因が解くスピードにあるのか、苦手単元を克服できていないことにあるのか、その弱点が洗い出されます。そのため、本番までにすべきことがはっきりするのも、過去問対策の利点です」(原先生)
これまでと同様、基礎固めや苦手分野の克服といった日々の学習に力を注ぐ一方で、合格を手にするための効果的なツールである過去問を積極的に活用していくことが必要です。

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