野球部での経験が自分を努力家に変えさせた

参考書 
夏休みの宿題の中でも、親子ともに頭を悩まされることが多いのが自由研究ではないでしょうか。しかし、「自由研究こそ、本当の意味での学力アップのチャンス。ぜひ、積極的に活用してほしい」と語るのが、四谷大塚で社会を教える齊藤啓先生と、理科の山中慧太先生です。

そう話す井上くんが国際数学オリンピックを意識するようになったのは、開成中学校に進学して数学研究部に入部してからです。「部活の先輩が代表に選ばれたのを見て、自分もいつか挑戦したいと思ったんです」
「中学受験を控えた子どもにとって、当面の目標は合格するための学力をつけることですが、自由研究は、さらにその先、将来、社会で活躍するために欠かせない能力の育成にも役立つと私は考えています。自ら課題を設定し、方法を考え、自分なりに工夫してその課題を解決していく力や、調べたことを人にわかりやすく伝える力は、社会人になっても重要です」(齊藤先生)

学習の方法には、基礎から一つひとつ知識を積み上げていく〝積み上げ型?や、一つのテーマに対して、自ら調べたり考えたりするうちに知識を深めていく〝探究型?などがありますが、自由研究は、〝探究型?の学びです。自分でテーマを決め、能動的に学んでいくことが、子どもの意欲を向上させ、学力を大きく飛躍させる鍵になると、両先生は口を揃えます。
また山中先生は、労力を惜しまず一つの作品を完成させていく作業が、学力アップにつながらないわけがない、と断言します。

「短い時間で覚えた情報は忘れるのも早いですが、自由研究を通して得た知識は、生涯の財産になることでしょう」(山中先生)
また、理科・社会という教科に関しては特に、探究型の学習が大いに役立つと言います。

「社会は、いわゆる基礎・基本と言われる知識が抽象的で難しいことが多いもの。たとえば、政治分野で習う『基本的人権』などは、言葉だけ聞いても子どもにとってはピンとこない。丸暗記すればテストでは書けるかもしれませんが、本当の意味で『基本的人権』の概念を理解したことにはなりませんよね。そこで、歴史の学習を踏まえた上で、『基本的人権が保障されていない場合、どんなことが起きるのか』や『人権が抑圧された事例』などを調べていくことで、その結果として、得た知識を自分のものとして使いこなせるようになります」(齊藤先生)

「理科の学習の題材は、光や音、生き物など、身近なところに溢れているので、自由研究にはぴったりです。また、天体の動きなど本で読んだだけではイメージしづらいことも、実際に観察などをすることで、理解を深めることができます」(山中先生)

今年の代表にも選出コツコツ努力し金メダルを狙う!

参考書 また、こうした探究型の学びこそ、これからの中学受験にも欠かせない力になるのだとか。

「実は近年人気の公立中高一貫校の適性検査の問題は、自由研究につながるような題材のオンパレードなんです」(山中先生)
たとえば、ヨーグルトに関する問題で、乳酸菌の働きについて問われたり、関連したそのほかの食品について聞かれたり……。あるテーマに対して、教科を横断するような総合的な知識や、自分の考えが試される適性検査のありようは、まさに自由研究そのもの。

「こうした、総合的な知識や、自分の考えを相手に伝える、発信力重視とも言える適性検査は、私立の入試にも、少なからず影響を与えていると考えられます」(山中先生)
実際、適性検査型の試験を実施する私立中学校も増えています。
では、実際に自由研究に取り組むとき、親はどのような関わり方をすれば良いのでしょうか。
「〝自由研究の意義?を常に意識しましょう。親が主導になってはいけません。子どもの主体性を育むために、最低限の助言と手伝いをする、〝黒子?に徹しましょう」(齊藤先生)

夏休みの自由研究は、子どもが自由な発想で学びを深めることができる絶好の機会です。親は、子どもの成長する力を信じて、知の冒険旅行に子どもを送り出しましょう。
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