野球部での経験が自分を努力家に変えさせた

参考書 
開成高校2年の井上卓哉くんは、昨年7月に南アフリカ・ケープタウンで開催された「第55回国際数学オリンピック(IMO)」で銅メダルを獲得しました。
「実は現地入りする直前に風邪をひき、体調が万全ではなかったんです。ベストの状態で臨んでも結果は変わらなかったかもしれませんが、少し残念でした。ただ、風邪をひいていたからこそ、『ダメでもともとだ』という気持ちでリラックスして臨めたのも事実。どちらが良かったかはわかりません」
そう話す井上くんが国際数学オリンピックを意識するようになったのは、開成中学校に進学して数学研究部に入部してからです。「部活の先輩が代表に選ばれたのを見て、自分もいつか挑戦したいと思ったんです」
国際数学オリンピックは、数学に秀でた高校生が数学の問題を解く能力を競うコンテスト。日本数学オリンピックの予選、本選、最終選考をくぐり抜けた高校生が日本代表に選出され、世界中の高校生と数学の能力を競い合います。昨年の日本代表6人の中で、井上くんは唯一の高校1年生でした(ほか5人はすべて高校3年生)。
「小学生の頃から算数が得意で、算数オリンピックにも出場していました。そのためか中学入学当時の僕は数学の苦手分野があっても、『そのうちできるようになるはず』と思ってしまい、努力を怠ったところがあったんです。でも、数学研究部と兼部していた野球部で、最初は満足にプレーできなかったのに、コツコツ練習を重ねるうちに上達していった経験から、努力の大切さを知りました」 今年の代表にも選出コツコツ努力し金メダルを狙う!

国際数学オリンピック直前はかなりの時間を対策に費やしたそう。「本番の試験時間は4時間半。その時間内で力を発揮できるよう、過去問対策に時間を割き、1日12時間ほど机に向かったこともあります。それでも苦手な幾何問題はなかなか克服できませんでした」
世界中の〝数学の猛者〞たちが腕を競い合うコンテストだけに、試験会場はさぞ殺伐としているのかと思いきや、意外にも「和気あいあいとしていた」と井上くん。「『お互いに良い点を取ろう!』という前向きな雰囲気でした。また国際交流も盛んで楽しかったです。ただ僕は英語が苦手だったので、うまくしゃべれない場面もあったけれど、先輩に通訳をしてもらって会話をしたりしていました」
本番では、運悪く苦手の幾何問題が出題されたことやケアレスミスで得点が伸び悩みました。「もちろん金メダルが欲しかったですけど、体調の問題で一時は試験を受けられるかどうかも危ぶまれる状態だったので、銅メダルは望外の結果でした」
今年の国際数学オリンピックは、7月9日にタイのチェンマイで開催されます。井上くんは厳しい関門を突破して今年も日本代表に選出。狙うはもちろん金メダルです。
「苦手分野が一つでもあると金メダル獲得は難しいので、その対策にコツコツ力を入れています。金メダルには総合力が不可欠です」
そう話す井上くんは、国際数学オリンピックでの経験を将来につ なげたいと考えているそう。
「将来のことはわかりませんが、現時点では、大学で数論などの研究をしたいと漠然と考えています。国際数学オリンピックで金メダル という実績を残せば、その道が開けるかもしれないのでがんばりたいです。あと、国際交流にも興味が湧いてきたので、その分野でも活躍したいと考えています」
数学オリンピック

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