日本がTPP参加を迷っていた理由は?

 最近ニュースでよく聞く、〝TPP〞という言葉。中学受験でも時事問題として取り上げられるなど、言葉自体は知っているという親子も多いのではないでしょうか。しかし、その内容まで詳しく説明できるかと言えば、大人でもなかなか難しいでしょう。経済ジャーナリストの木暮太一氏に、TPPの内容や、現状について聞きました。
 「TPPとは、環太平洋地域における経済連携協定のこと。これをわかりやすく言うなら、太平洋を囲む地域で〝仲良しグループ〞をつくろう、ということなんです」と話す木暮氏。現在はオーストラリア、カナダ、マレーシアなど10か国以上が経済的な〝仲良しグループ〞への参加を表明しています。「小学校でも、クラスの中で特に仲が次のうち、外国から日本へ輸入するときの関税の税率が最も高いのはどれ?※1 ①牛肉 ②トマト ③小麦  良い人が集まって、数人ずつのグループができることがあると思います。そのグループにいる友だち同士で、ゲームや本の貸し借りなどをすることもあるでしょう。TPPはその経済版です。参加国間で、国境を越えて人・モノ・お金・サービスなどを自由にやり取りし、経済を活性化させるために、グループをつくろうという試みです」
 各国が友だち同士のように親しく貿易などを行うと聞けば悪いことではないように感じますが、日本国内ではTPPに対して賛否両論あり、日本政府が交渉参加を決めるまでには長い時間がかかりました。参加を迷っていた理由はどこにあるのでしょうか。
 「TPPでは自由貿易を進めるために、関税を撤廃することを目指しています。多くの国では、貿易をする際には、輸入品に対して関税をかけます。なぜ関税をかけるかというと、もし安い輸入品をそのままの値段で売ったら、同じものをつくっている国内の企業は競争に負けて売り上げが落ちてしまいます。そこで、輸入品に関税をかけて値段を高くし、国内の産業を保護するのです。TPPで関税が撤廃されれば、国の保護がなくなることで不利益を被る人々もいるのです。反対に、自由貿易のメリットもあって、外国に商品を売っている日本の企業にとっては、関税が撤廃されれば、商品を売りやすくなります。このように、その人の立場によって、TPPには賛成の意見も、反対の意見もあるのです」
 

私たちの生活はどう変わる?

 仮にTPPにより関税が撤廃された場合、私たちの生活にはどんな影響が出るでしょう。
 「実感しやすいところで言うと、輸入品の値段が下がる可能性は高くなります。また、これまでは高い関税のおかげで日本に入ってこなかったものが買えるようになる場合もあります」
 TPPの交渉は、当初の見通しよりも難航しています。そもそもTPPは、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4か国から始まりましたが、徐々に参加国が増え、現在は日本やアメリカを含む12か国。参加国が増えたことで、意見を一つにまとめることが難しくなり、まだ協定は妥結していません。しかし、TPPに限らず、経済における世界との連携は、欠かせないものになっていくでしょう。
「今後ますますグローバル化が進み、国境を越えて経済活動を行うのが当たり前の時代になるでしょう。特に、少子高齢化が進み、働き手が減っていく日本にとっては、海外の国々と協力しながら経済活動を行うことは重要です」

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