ここまで来られたことを誇りに思おう
12月も後半。クリスマス、お正月が終わると、いよいよ受験シーズンに突入します。この時期、親子ともども、日ごと緊張感や期待感が高まっていることでしょう。
「あと1か月しかないのに、まだ勉強にやり残しがあるみたい……」
「入試準備でてんてこまい! 気持ちに余裕がなくなってきてしまった」
こんな不安を抱えたご家庭もあるかもしれません。
今回は、そんな直前期から入試本番のその日まで、母親がどのように子どもをサポートすべきかを解説。四谷大塚の先生、今年の受験で見事我が子を志望校に合格させた先輩お母さんにお話をお聞きしました。
アドバイスに共通していたのは「母親は絶対に動じない」「とにかく家族みんながいつも通りに過ごす」ということ。普段どんなに落ち着いている子どもでも、不安を感じているのは当たり前。お母さんも同じように、あるいはそれ以上に緊張しているかもしれませんが、親の動揺は子どもに伝染してしまいます。とにかく平常心を装うことが大切なのです。また、たとえ子どもにやり残しや不安材料があったとしても、それはいったん心にとどめ、長い受験生活にくじけず、ここまで来たことを誇りに思いましょう。
子どもが全力を出し切れるかどうかは、お母さんの上手なサポートにかかっています!


子どもは意外に たくましいもの
中学受験は"心の受験"。入試本番に、我が子が今まで積み上げてきたことのすべてを出し切れるかどうかは、直前の精神状態に大きく左右されます。受験前日や試験期間中、親はどんなことに気をつけながら、子どもをサポートすればいいのでしょう。
今まで数多くの子どもたちの中学受験を指導してきた四谷大塚の3人の先生は「とにかくいつも通りにすることが大切」と言います。
「日常と同じ雰囲気で過ごすことで、子どもの緊張は和らぎます。どんなに不安があっても、お母さんには、"いつも通りの母"を演じてほしいですね。普段がにぎやかならばにぎやか、静かならば静かでいいのだと思います。そして、受験当日もいつも通りの親子のやり取りが交わせるとよいのではないでしょうか」(弦間先生)
「思っている以上に、子どもは親の顔を見ています。親が自分以上に緊張していたり心が乱れていたりすると、子どもは遠慮して自分の不安な気持ちを表すことができず、孤独な気持ちで受験することになってしまいます。親は日常と同じような振る舞いを心がけてほしいです」(高根澤先生)
「ミスをさせたくない気持ちから、いろいろ確認をしたくなるのはわかりますが、それを抑え、日頃の模試と同じような雰囲気で接してあげた方がいい結果が出やすいはず」(村松先生)
そうは言っても、不安や緊張の気持ちを抑えるのは難しい……。母たちの悩める声が聞こえてきそうです。それらを軽くするためには、まず子どもの精神状態を把握する必要があります。
受験前日や試験期間中の心理状態は、子どもの性格によっても違いますが、一般的に言えるのは、不安や緊張だけではなく、楽しみや解放感といった感情も入り混じっているということです。
「私の経験から言えば、ガチガチに緊張している子は少ないですよ。"ようやく終わる"という気持ちからか、暗い子より明るい子の方が多いですね。子どもは親が思うよりたくましく成長しているのです」(弦間先生)
母のサポートとしては、不安や緊張を和らげるとともに、ポジティブな感情をいかに盛り上げてあげられるかがポイントになりそうです。


受験期間でも塾に通い気持ちをリフレッシュ 
不安や緊張は、やはり親があれこれ口を出すほどに増幅されてしまうもの。
「あれが足りていない、これが足りていないという思いが、最も人を不安にさせます。現実としては"この子は本当にやり切った"と思っている親は2割もいないでしょう。しかし、それは心の中にとどめておき、ないものを数えるより、今ある実力をほめるべきです」(村松先生)
「あれやったの?」というような言葉は、母の不安や緊張が思わず言葉になって表れたものと言えるでしょう。
「主役は子ども。お母さんではないのですから、自分の不安を子どもにぶつけてはいけません。どっしりと構え、愛する我が子の結果がどうなろうとも、全部受け入れる、いつも味方であるということを、直前だからこそはっきり示してほしいですね」(高根澤先生)
母が気持ちを落ち着けたいときは、自分の役割に集中します。
「子どもを受験会場まで送り、親はここで待機……、といった流れをシミュレーションすることをおすすめします。もし残念な結果になっても、前もってその際の段取りまでしっかり決めておけば、予想の範疇としてあわてずに済むでしょう。受験結果より、スケジュールを完遂することに集中してください」(弦間先生)
子どもの気持ちをポジティブにするのに効果的なのは、塾に行かせること。
「仮に残念な結果が出たとしても、必ず塾に顔を出させてほしいですね。受かった子どもは励まし、そうでない子どもは一緒にがんばろうという姿勢があるのが小学生。友だちの顔を見るとホッとしますし、先生たちは、子どもの気持ちを前向きにしようと、いろいろ声をかけてくれるでしょう。家での"抱え込み"はマイナスにしかなりません」(高根澤先生)
直前の勉強に関しては、日常の範疇であれば問題ありませんが、強いてまでやらせることは考えもの。
「前日に解いた問題が出るかもしれないという、可能性の極めて低いことを考えるよりも、気持ちよく臨ませた方がはるかにうまくいく確率が上がる。ここまで来たら腹をくくり、子どもの自主性に任せましょう」(村松先生)
子どもの気持ちを前向きにするには、具体的な努力の証を見ながら、ここまでの努力をほめることが有効です。
「前日の夜などには、本棚に並ぶ参考書を見て"これだけやってきたんだ、よく最後までがんばったね"と声をかけることで、子どもはもちろん、お母さんの心も落ち着きます。ここまでたどり着けない子が山ほどいる中、我が子はたどり着いた。それを誇りに思って、ほめてあげてください。それが子どもの力となります」(弦間先生)

お話をしてくれた方々
村松 靖夫先生
四谷大塚巣鴨校舎校舎長。国語を担当している。
弦間 史朗先生
四谷大塚新百合ヶ丘校舎校舎長。国語を担当している。
高根澤祐司先
四谷大塚市ヶ谷校舎校舎長。社会を担当している。
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