問題の意図を理解して論理的にイメージする
国語力はすべての教科の基盤です。一見関係ないように思える算数にも、国語力は大きな影響を与えると四谷大塚豊洲校舎・校舎長で算数の専任講師を務める蛭田栄治先生は語ります。
「算数に必要な国語力と言えば、問題の意味を理解する力が最初に思い浮かぶかもしれませんが、ほかに読んだ内容を頭の中に留めておく"短期記憶力"も重要です。文章題を読みながら、何段階もの条件を頭に残しつつ、それぞれの条件に従って整理していく力は、国語力のひとつと言えるのではないでしょうか」
下の図では、そうした国語力が必須となる例題を挙げてもらいました。いくつもの条件が重なり、読み進むうちに混乱を招きやすい長文の問題です。
「これは国語も同じだと思うのですが、長い文章に慣れていない小学生にとって、まずは問題を最後まで読み通すことが課題になります。途中で読み飛ばしたり、思い込みで勝手に問題を解釈する子どもも多いのです。たとえば、(2)に『取りうる得点のすべてを求めなさい』とありますが、答えがひとつに定まらない場合でも、与えられた条件を整理し、過不足なく調べることができるか。問題の意図を理解せずに、思いつきで進めると、すべてを求めるのは難しくなるでしょう」
国語の文章読解も、読んだ部分が頭に残らず、あいまいなまま読み進めると正解を導き出せません。算数でも同様のことが起こります。では、どうすればそうした力を養えるのでしょうか。
「子どものペースで、丁寧に考える習慣をつけさせてください。また、問題を解きながらメモする習慣も大事です。そのメモで記憶力をカバーできます」
また、勝手な思い込みはダメですが、文章からイメージする力も重要です。それには、経験の深さや語彙力が求められます。
「たとえば、例題を読んで『○○の競技の採点法と似ている』と考えられる子は、問題の意図するところをイメージできているはずです。また、意外かもしれませんが、語彙が豊富な子は、算数が得意な場合も多いですね。いろいろな条件を、論理的にイメージする力は、実際の経験や読書を通じてもたらされるものも大きいと思います」


自分のペースで楽しく考えられる環境を
最近の中学入試の算数では、国語力を必要とする問題が増加していると言われています。その背景を、蛭田先生は次のように説明します。
「算数の出題範囲は、これ以上、広がりようがないところまで来ました。その流れを受けて、近年、その範囲内の問題で、深く理解しているかを問う問題が増えています。つまり、特殊な知識を持っているという点で受験生を選別するのではなく、基本的な知識を正しく理解し、使えるかという点で、受験生の選別を図る問題が増えてきているということです。そうなると、問題の条件を正しく読み取り整理して調べる力や、筋道を立てて考え論理的に表現する力といった、国語力がより必要になってくるのです」
難関校ほど、この傾向は顕著になっています。今後の入試問題の主流になっていくと予測されるので、低学年からの国語力の養成はより重要度を増していきそうです。それでは、国語力とともに、低学年のうちから算数力を身につけるためには、何をすればいいのでしょうか。
「小2、小3の子どもは、問題を速く解けると『算数が得意』だと感じます。"好きこそものの上手なれ"ですから、低学年の間に速く解く達成感を体験することが大切です。計算力は算数の基本ですから、手を抜かずに取り組みましょう。計算力で速さを獲得する一方で、自分のペースでじっくり考える体験も重要です。そのために、親は子どもを急かさないこと。マルバツにこだわらず、わからないものに対して挑戦する気持ちをサポートしてもらいたいですね。そして正解した場合は、思いきり褒めてあげてください」
注意したいのは、問題の量にこだわらないこと。低学年ほど、やる気や前向きな気持ちが重要になると蛭田先生は指摘します。
「子どもが前向きに取り組んでいなければ、どんなにたくさん問題を解かせても無駄になります。楽しく学ぶことが第一ですから、算数が苦手な子どもの場合、まずトランプなどの遊びを通して、数の感覚を身につけるといいでしょう。逆に、算数が好きな子は学年の枠を超え、どんどん先に進ませてもいいと思いますよ」
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