私が開成生だった頃――

エンジニア、実業家
青木 俊介

東京大学工学部計数工学科卒業。大学在学中にソフトウエア開発会社チームラボを友人と共同設立、その後、ロボット開発会社ユカイ工学も立ち上げる。

古式泳法を修得 体育系の行事も盛ん

上級生に人気があった
中学生時代!?

京都・奈良を訪れた、中学時代の修学旅行での1枚。青木氏曰く、「中学時代は可愛かったので、上級生に人気があったんですよ(笑)」とのこと。

生徒の投票により
場所が決まる修学旅行

高校の修学旅行の場所は、生徒による投票で決定される。青木氏は、岡山の萩・津和野を巡った。左端の友人は、小学生の頃通っていた、四谷大塚からの仲よしだそう。

日常をユカイにする
ロボットを開発

青木氏が開発したソーシャルロボット「ココナッチ」。メールが届いたり、Twitterのリプライがあると、色が変わったり、動いたりするという可愛いロボットだ。

開成中学の2年生だったとき、映画『ターミネーター2』を観たことでロボットに興味を持ち、パソコン雑誌の人工知能に関する連載記事を好んで読むようになった青木俊介氏。

「その連載を執筆していたのが、東京大学の合原一幸先生。ぜひ先生の下で学びたいと、進路を決めました」

大学在学中に、友人と共同でソフトウエア開発会社を設立した青木氏は、その会社の経営に携わりながら、大学卒業後に、開成時代のクラスメイトが作ったピクシブ株式会社の技術部門取締役にも就任。さらに、自らの会社「ユカイ工学」を立ち上げ、少年時代からの夢だったロボット開発に取り組んでいます。

青木氏の開成での一番の思い出は、部活動。所属していた水泳部では、古式泳法にも挑戦しました。

「古式泳法の全国大会に6年間毎年出場しました。と言っても、古式泳法をやっている学校は少なく、予選なしでいきなり全国大会なのですが(笑)。120年の伝統がある部で、年に1度の館山合宿には80歳のOBも来ます」

OBからは、大学受験や将来の仕事について貴重な話が聞けるそうです。「普段の練習に、大学生の先輩が参加して指導してくれることも。学校全体でも、先輩から受け継がれた大学受験のノウハウが蓄積されていました」

そうしたノウハウのひとつが『百傑テスト』といわれる、開成独自の模試。「高校から実施され、100位まで順位が掲出されます。内容は、国公立大の2次試験のようなもので、100位に入っていれば、東大に合格できるだろう、というテストです」

ほかにも、運動に力を入れているのが開成の特徴と語る青木氏。毎年5月に開催される運動会は、大変な盛り上がりを見せるのだとか。

「特に棒倒しは、春休みから筋トレやポジション練習などを行います。学年別に全学年で行うリレーはひとり400mを走るハードなもので、応援歌は軍歌の替え歌。優勝した組は、卒業後の同窓会も盛り上がるようです。私は、仲間とパソコンでパンフレットを作ったという思い出があります」

マラソン大会やロードレースといった行事も充実しています。

「マラソンは松戸の方まで、15キロぐらい走ったはず。ボートレースは、筑波大学附属と対抗で行われます。今、振り返ると、何だか競争の激しい学校ですね(笑)。運動以外の競争では、数学オリンピックに出場する人も多かったです。開成は、運動部に比べ文化部の立場が弱いという雰囲気もあるのですが(笑)、数学部の部員だけは一目置かれていましたね」

そんな、青木氏と学校生活を共に過ごした仲間たちは、どのような人たちだったのでしょうか。

「強烈に印象に残っているのは、入試本番1か月前に理系から文転して東大の法学部に入り、数年後に”神を探す”といってイスラエルに旅立った男。彼は学校生活でも、壁に漢詩を書き記すなど、とてもおもしろい奴でした。開成時代、みんなでワイワイやりながら、ワクワクできるような成果を生み出そうとがんばっていました。その経験は、会社経営にも活きていて、あの頃のノリを忘れず、楽しく働ける会社作りを心がけていこうと思っています」

青木氏に聞く!
開成ってこんな学校

Q1.母校をひと言で表すと?

質実剛健。いわゆるチャラチャラしている雰囲気はありません。校則はないですが、髪を染める生徒も少なかったです。体育会系色も強く、運動部に所属していない人は、校内の立ち位置が若干低くなる傾向があります(笑)。

Q2.母校に向いているのはどんなタイプ?

周囲に流されず、好きな物事をとことん追求できるタイプでしょうか。オタクと言われるようなマニアックな生徒でも、それをバカにするような風潮は皆無ですし、むしろ一目置かれる存在になれると思います。

Q3.他校とは違う母校の魅力は?

とにかく男臭い。これは数ある男子校の中でも群を抜いているのでは? 行事で無意味に裸になるのも特徴です(笑)。中高6年間は、女子は「この世にいないモノ」と考えます。だから皆、大学に行ってから苦労するのですが(笑)。

Q4.母校の同級生の進路は?

官僚や弁護士、医師など、結構お堅い職業に就く人が多いです。私のような、起業をする人間は少数派なのではないでしょうか。卒業後も、ラグビーやマラソンなど、スポーツを続けている人も多いようですね。

Q5.母校を目指す小学生にひと言!

勉強で成果を上げたいのなら、とにかく、トイレの時間でも惜しみ、全力で打ち込むべきだと思います。どの分野も、トップとそうでない人の差は僅か数%。ですから、”能力をいかに最大限引き出すか”が、大事なのではないでしょうか。



 

私が武蔵生だった頃――

東京大学大学院学際情報学府
安斎 勇樹

東京大学工学部卒業。現在は、同大学大学院学際情報学府で学習環境デザインを研究。学びと創造性をテーマに、子どもや企業向けのワークショップを企画・開催。
安斎勇樹ポートフォリオhttp://yukianzai.com/

学問の深いところに触れさせてくれた授業

想像もしないアイデアが
生まれる場所

ワークショップは「想像もしないアイデアが生まれる場所」。子ども向けだけでなく、企業CMを作るなど、さまざまな人に向けたワークショップを企画している。

レゴブロックで
架空のカフェを作る

「場」のデザインについて考えを深めるためのワークショップでは、レゴブロックを使った架空のカフェを製作。足湯カフェやトイカフェなど、ユニークな作品ができた。

アーティストとコラボした
指筆ワークショップも

指に筆をはめて、自由に絵を描くという幼稚園児向けのワークショップでは、アーティストとコラボした。「この人と何ができるか」を考えるのも、研究のひとつ。

現在、東京大学大学院の博士課程1年生として、学習環境デザインを研究している安斎氏は、同時に子どもや学生、企業を対象にしたワークショップを開催しています。

「人が学び、成長していく営みに興味があります。学びと言っても、いわゆる知識や計算力ではなく、手を動かしながら考えを巡らせ、自由な話し合いの場から生まれてくる創造性が現代では求められている。それがワークショップという場で育まれるのではないか、と考え、研究をしています」

そんな教育活動に関心を寄せる安斎氏は、武蔵中学・高等学校の出身。武蔵での授業は「学問の本質に触れるものばかりだった」と振り返ります。

「たとえば中1の生物の授業では、土の中で落葉が分解されていくことを学ぶために、落葉を入れたリターバッグを作り、ときどき土を掘り起こして観察しました。化学は、ほとんどが実験。自分たちで考え、手を動かさなくてはいけないので、失敗も多く、面倒だなと思いながら、手ごたえも実感しました。そういえば化学の先生が、よく”問題集を解くだけでは、ノーベル賞はとれない”と言っていましたね」

高校での世界史の授業では、1学期間「三角貿易」に終始したことも。

「期末試験では、三角貿易に関する東大や京大の大学入試問題が出たんですよ。でも、一学期間ずっとこれだけをやっているので、みんな意外と解けるんですよね」

ひとつの問題を掘り下げることで、学問の深いところに触れさせてくれた授業を通し、「学問のおもしろさに気づき、自主的に勉強する姿勢ができた」と安斎氏は感じています。

武蔵の生徒の自主性は、体育祭や文化祭などの行事にも発揮されました。「文化祭はクラスや部活動単位ではなく、好きな仲間がやりたいことを申請し、企画・運営していました。体育祭の”100人フットボール”は、生徒の企画で行われる伝統イベント。コートにボールが何十個も並べられ、トライを競うのですが、傍から見ていると何をしているかわからないらしくて。だから、中1のときは見に来ていた親も”子どもたちは盛り上がっているけど、内容がよくわからない”と、翌年からは来なくなりますね(笑)」

そんな安斎氏は、6年間で「自由に対する考えが変わったのは大きな収穫だった」と言います。

「武蔵には、服装や髪形を規制する校則がありません。髪を染めたり、中学受験勉強の反動からか、放課後はゲームセンター通いしたりするなど、”落ちるところまで落ちる”人もいます。でも、先生は何も言わない。そしてあるとき、自分でやらなければ誰も助けてくれないこと、自由は好き勝手にやることでなく、厳しさと責任を伴うものだということを知るのです。そんな気づきにたどりつける時間と環境、先生方の導きが武蔵にはあると思います」

バスケ部に所属していた安斎さんは、高1のとき膝の故障のため、一時マネージャーとして活動していました。

「プレーヤーを見る立場になり、”ここを直せばもっと伸びる”とアドバイスすると改善するのがうれしくて、人の成長をサポートすることにやりがいを感じました。その感覚は、今の研究活動の土台にもなっていると思います」

安斎氏に聞く!
武蔵ってこんな学校

Q1.母校をひと言で表すと?

とても自由な環境で、「自由とは」「自分とは」について、じっくり考えられるところだと思いますね。そのためか、大人びた生徒や、自分なりの強いこだわりを持つ「変な奴」も全体的に多かった印象があります。

Q2.母校に向いているのはどんなタイプ?

親の言うことを聞かない子かな(笑)? 自分で考えて自分で決めたことを、どんどんやっていくタイプだと、学校生活を楽しめるのではないかと思います。私も、武蔵を受験すると決めたのは、自分の意志でしたから。

Q3.他校とは違う母校の魅力は?

学問の奥深さ、本当のおもしろさに気づかせてくれる授業。大学受験対策としての勉強ではなく、「学問の本質に触れる勉強」を貫いているところです。研究者を養成するには、とてもいい環境が整っている気がします。

Q4.母校の同級生の進路は?

同級生には、大学院に進学した人が多かったですね。修士課程の人はもちろんですが、意外と博士課程に進学している人も多いです。大学卒業後、就職した同級生には、外資系企業のコンサルタントや医師が多いようです。

Q5.母校を目指す小学生にひと言!

いわゆる「受験勉強の型」にはまりすぎないように、注意してください。また「成績の下降」を恐れない、おおらかな気持ちを持つことも大切だと思います。これは受験生のご両親にも、ぜひ心に留めていただきたいです。

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