低学年の子どもの勉強について親が直面する問題に、3 人の先生方から回答をいただきました。
さまざまな視点の回答の中から、わが子に合ったアドバイスを取り入れてみてください!

遊びの延長で取り組める仕組みを作る (土屋氏)

低学年では一人で黙々と勉強するのに慣れていないのが一番の原因と考えられます。勉強嫌いの理由を聞くと、たいていの子は「学校や塾は楽しいけれど、一人でやるのはつまらない」と答えるものです。そこで、子どもが遊びの延長として取り組める仕組みを作ることをおすすめします。たとえば問題集を1問ずつ切り取り、お菓子の空き箱に入れておくだけで、子どもは「何が出てくるかな」と楽しんで取り組むようになります。また、すっかりやる気をなくしている場合は、今勉強している内容が難しすぎるのかもしれません。内容が子どもの今の状況に合っているかを見直して、進度にあった教材を与えてあげてください。

親が先導してペースメーカーの役割をする (清水氏)

学習習慣のない子どもに「勉強しなさい」と言っても、やり方がわからず戸惑うだけ。まずは親がやり方を示し、マラソンのペースメーカーのように、子どものペースをつくってあげてください。最初は毎日10分間から一緒に机に向かう時間をつくることです。次に、遊びの要素を取り入れること。たとえば計算問題を解く際にタイムを計り、早くできれば「新記録だね」と褒める。ゲーム性を持たせれば、また明日もやりたいという気持ちになるでしょう。それでも、つまずくとまた勉強がイヤになることも。そんなときは、どこでつまずいたのかを把握することが大事。その部分をひも解いてあげれば、また前に進めるはずです。

宿題を楽しく発展させるフォローを (内田氏)

「早く宿題しなさい」と親がガミガミ言うのは逆効果。子どもには、勉強を「自分の世界を広げる楽しい遊びのひとつ」として受けとめられるよう導いてあげてください。たとえば子どもが漢字の書き取りをしていれば、その漢字の意味や成り立ちを一緒に辞書で調べたり、新聞を広げてその漢字が入った熟語を探してみるのもいいでしょう。手の運動でもするように機械的に漢字を書き連ねるのは、つまらなくて当たり前。意味がわかってこそおもしろく感じられるものです。ただ宿題を済ませるだけではなく、そこから発展させるようなフォローをすれば、子どもは達成感を得て、もっと先に進もうという意欲を持てるようになります。

本当に熟考が必要な問題か理解度を見極めて (土屋氏)

まずは、子どもがどこでつまずいているかを理解することが必要です。「問い」「記号」「もとめる」などの言葉がわからずにつまずいている場合もあり、それは考えさせるだけ時間がもったいないですよね。“何がわからないのかわからない”状態の子も多いので、問題を一緒に読みながら「ここまではどう?」と何回もたずね、わからない部分を確認してあげましょう。中には、失敗するのが嫌で途中で投げ出してしまう子どももいます。しかし、子どもは失敗や間違いを通して成長していくものです。間違っても叱らないのはもちろん、間違うのは恥ずかしいことではないし、失敗ではないという空気を家庭に作っておきたいものです。

ひとつ前段階の“後戻り学習”で基礎を固める (清水氏)

すぐにあきらめてしまう子を前向きな気持ちにさせるには「できる」というイメージを持たせることが重要です。子どもができないと訴えたなら「できるところまでやってごらん」と促し、行き詰まったら少しだけ手を貸す。そして、再び子どもの力でできそうなら最後までやらせてみましょう。もし失敗したとしても決して叱らず、「よくここまでがんばれたね」と褒めてあげてください。また、わからない問題にぶつかったときはひとつ前の段階に戻ること。たとえば2桁の計算でつまずいた場合は、1桁に戻って念入りに復習させましょう。低学年の間は学習の速度を上げることより、基礎固めをする“後戻り学習”が大切です。

答えを与えず一緒に考える姿勢を見せる (内田氏)

子どもに根気がないのは、幼児期からの親の接し方に原因があります。子どもの普段の何気ない質問に対して、すぐに答えを与えていませんか。多くのお父さんやお母さんは、教師のような顔つきで子どもに答えを教え込もうとしがちです。子どもの学年が上がるにつれ、教えられることは少なくなっていくものですが、そもそも親は教師の役割をする必要はありません。それよりも子どもと一緒に考える姿勢を見せ、「考えれば必ず答えが出る」という体験をさせてあげてください。たとえば、辞書やインターネットなどで調べてもいいでしょう。そして、子ども自身の考える余地を与えるように言葉がけをすることが肝心です。

タイムアタックを取り入れて集中力アップ (土屋氏)

まず、机に向かうことだけが勉強ではなく、低学年の頃はソファに寝そべって本を読むのも勉強と考えてください。その上で机に向かわせるには1日3分でも集中する時間を作り、少しずつ伸ばしていくことです。勉強しやすい環境も大切。妹や弟がそばで騒いでいませんか? また、最近はリビングで勉強する子が増えていますが、高さが合わない大人用の机と椅子だから、子どもが長く座っていられないのかもしれません。さらに集中力をアップさせるには、タイムアタックを取り入れるのも有効です。子どもは競争や勝負が大好き。計算問題を解く際も時間を計って挑戦させ、記録が伸びていけば喜んで取り組むはずです。

毎日決まった時間と場所で勉強する訓練を (清水氏)

低学年のうちは机に向かわせることをしつけのひとつと捉え、段階を踏んで訓練するしかありません。その際、毎日決まった時間に同じ場所で勉強させることが大切。子ども任せにせず、親自身も時間を意識して、一緒に机に向かって勉強する環境をつくりましょう。なかなか机の前に座らない子には、「机に向かうと楽しいことがある」と思わせること。とりあえず机の前に座って、歌ったりおやつを食べたりと先に楽しみを与え、楽しい雰囲気の中に勉強を組み込むのもいいでしょう。逆に「勉強したら○○しよう」と、後に楽しみを持っていくと、勉強と楽しみが完全に切り離され、勉強がいやなものになってしまうので逆効果です。

答えを与えず一緒に考える姿勢を見せる (内田氏)

集中力が全くない子どもなんていません。子どもは好きなことであれば、究める楽しさを知っています。いやいやながら机の前に座らせて勉強させても、絶対に長続きせず、学習内容も学習習慣も身につきません。勉強の意味がわかればおもしろくなり、おもしろくなれば時間が経つのも忘れて集中するもの。まずは机上の学習にこだわらず、子どもとともに勉強の意味を“探し出す”ことです。たとえば木へんの漢字の書き取りから発展させて、実際に植物園に出向き、いろいろな木に直接触れさせるのもいいでしょう。親が想像力を働かせなければ、想像力豊かな子どもには育てられません。探求する喜びを実感させてあげましょう。

高学年で学ぶ内容に触れる先行体験を (土屋氏)

問題集などで知識として新たな内容を詰め込むのではなく、高学年で習う内容の「先行体験」をさせましょう。四谷大塚の低学年クラスでは、発泡スチロールを切って立体図形の切断面を見せるなど、算数の基礎となる概念に少しずつ触れさせています。たとえば、分数を先取りさせたいなら「折り紙を3等分にできるかな?」「4等分するやり方は何種類ある?」と親子で挑戦してみては。分数のかけ算はできる子が“3分の2”や“4分の3”をイメージできないケースも少なくありません。機械的に計算だけを覚えて、分数の概念を理解していないからです。理解のきっかけとなる体験に触れておけば、高学年になっても役立つはずです。

一、二歩先に進めて、持てる才能を伸ばす (清水氏)

何歩も先に進ませる必要はありませんが、できる子は一歩、二歩くらい先取りしていいでしょう。子どもは興味があるものに対してはとことん集中するという特性があります。その夢中になって取り組めることを否定せずに、背中を押してあげてほしい。持っている才能を伸ばしてもらいたいと思います。特に算数は何かにつまずくとすぐに追いつかれる科目なので、先取り学習が有効です。また、ひとつの科目で自信をつければ、それが不得意科目を克服する原動力にもなります。ただし、親が学校を軽視するような発言は絶対にしないこと。子どもの前では、常に先生をリスペクトする姿勢を見せるように意識してください。

先取りではなく今の学習内容をより深める (内田氏)

こうした子どもの声に親が同調し、学校批判をするのは絶対にいけません。先生を馬鹿にするようになります。尊敬しない人の言葉は頭に入らず、学校での学びを阻害することにつながります。まずは「すごいね」と褒め、「じゃあ、それについてもっと調べてみようか」と学習内容を深める援助をしてあげてください。子どもは少しの刺激を与えれば、自分で発展させる力を持っているもの。関心を持って取り組んだことはあっという間に習得します。ところが、先取り学習をすると以前に聞いているので新鮮さがなく、授業がつまらなくなってしまいます。先取りではなく、今学んでいることをより豊かにする工夫をしましょう。

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