学校を選ぶ前に、親と子の意志をいま一度確かめておきましょう。
「いい学校かどうか」を見極めるときに最も重要なのは、偏差値や知名度ではなく「わが子に合うか」ということなのです。
志望校選択にあたり、まず第一に考えておきたいことを、3人の先生方にお聞きしました。

親の教育方針を明確にして学校のカラーと対照させる

志望校を選ぶときにまず親がしなくてはいけないこと、それは夫婦で「家庭の教育方針」を確認することです。

第一に「どうして受験させるのか」。公立中学校がある中で、あえて受験をする理由を親が明確に持っていることが大切です。それは「子どもをどのように育てたいか、どんな大人になってほしいか」ということにも繋がります。夫婦間で意見が異なっていると、子どもは自分自身が楽な方に流れてしまいます。親がぶれないことが肝心だと言えるでしょう。「家庭の教育方針」がクリアになったら、「建学の精神」が同じ方向を向いている学校を探します。

「のびのびとした校風の学校で心を育てる教育を受けさせたいのか、厳しい規律の中で自分を築き上げてほしいのかで、選ぶ学校も変わってくるはずです」(武田氏)

建学の精神は、学校の教育方針とも言えます。学校案内にも書かれていますが、実際に説明会などで校長先生の話を聞くのが一番。と言うのも、建学の精神は歴代の校長先生が引き継ぎ、独自の校風を作る基になっているからです。校長先生の話に好感が持てるなら、家庭の教育方針と合っていると考えられます。

また、校風や生徒の精神的な成長に大きく影響を与えるのが宗教。キリスト教系、仏教系の学校は、宗教が授業に組み込まれます。

「キリスト教系、仏教系どちらも、基本的には信仰を強制することはありません。親が別の宗教の信者だとしても問題ありません」(武田氏) キリスト教系の学校では、教えそのものを学ぶことよりは、キリスト教を通して人間観や世界観を知ることで、自分の生き方を考える場を持つことが主体となっています。式典やクリスマスにミサの儀式を行ったり、毎朝の礼拝が行われることも。規律正しいカトリック系か、自由なプロテスタント系かによっても雰囲気が異なります。

仏教系の学校は、仏教の教えを通して感謝の気持ちや思いやりの心を育てる教育が主体。宗教行事はそれほど多くはありませんが、精神を鍛えるために「座禅」を組む修行を行っているところもあります。いずれにせよ、親の考え方に沿う内容かどうかを検討する必要があるでしょう。

志望校候補が挙がったら、実際に学校を訪れること。親自身が雰囲気を肌で感じて「わが子を通わせたい」と思える学校に、子どもも連れて行きます。

性格で型にはめない 子供の価値基準を大切に

わが子を見つめ直したとき、どんな学校が一番合うのかわかるでしょうか。「うちの子はおっとりしているから、附属校が向いている」「負けず嫌いな子だから進学校へ行かせたい」など、子どもの性格と志望校を直結させる考え方は少なくないようです。

しかし、今回お話を伺った3人の先生は「子どもの性格で判断する志望校選びには賛成しない」と口を揃えます。

たとえば、「コツコツ努力するタイプで、指示されると真面目にやる子」と「自由な発想ができるタイプで、指示されると反発するが、納得すると俄然張り切る子」がいる場合、前者は管理型の校風、後者は自由な校風の学校が向いているように思えますが・・・?

「そういった傾向はあるかもしれませんが、必ずしも“最も向いている”ということではありません。管理型の学校にも後者のタイプの子はいるし、自由な校風の学校にも前者のタイプの子はいます。もしその学校の教育方針や校風が魅力的で、子どもも希望しているなら、本人の性格がどちらのタイプであっても好きな方を選べばいいのです」(鈴木氏)

子どもの性格やタイプを考慮することは大切ですが、「だからこの学校が向いている」と親が決めつけたり、型にはめたりしないことが大切です。

そもそも、性格や考え方は、成長につれて変わるもの。冒頭の「おっとりタイプ」は、競争心を身につけてほしいという思いから進学校へ行かせたい、という考え方もあるでしょう。親の教育方針から外れていない学校の中であれば、子どもの好き嫌いや価値規準を取り入れることが重要です。

「子どもは志望校候補の学校を実際に見れば、自分なりにその学校が合うかどうか判断するものです。親はその過程を見守り、子どもの気持ちを尊重してほしいですね」(鈴木氏)

中学では大好きな野球を続けたいという男子なら、志望校に行ってグラウンドを見た瞬間に、「ここに来たい」と思うかもしれません。あるいは先輩の練習風景を見て「ここはレベルが高すぎてレギュラーになるのは無理だ。やめよう」と思うかもしれません。

親から見れば「それが理由で志望校を決めていいの?」と感じるかもしれませんが、それこそが子ども自身のモチベーションに直結するものです。

親に「やらされている」のではなく、子ども自身の「自分がこの学校に行きたい」という強い当事者意識を育てるためにも、志望校選びは重要であると言えるでしょう。

志望校選びは4・5年生から始める

学校見学は出だしが早いに越したことはありません。6年生になってからだと、春に文化祭を行う学校などでは「気づいたら行事が終わっていた」ということがあるからです。また、偏差値による制限をまだあまり感じないうちに、多くの学校を見比べたいもの。できれば4 ~ 5年生のうちに、まず親だけで学校へ足を運ぶことをおすすめします。興味を持った学校を20校程度見て、好感を持った学校を約10校に絞り、文化祭や学校説明会に子どもと一緒に行くのが理想的。親の目を一度通しているので、親子で意見が極端に分かれることも少なくなります。

入学後の親の参加度も要チェック

学校によって差はありますが、一般的に私学は公立に比べてPTA活動が盛んです。学校行事などに求められる関与の度合いを説明会で確認しておきましょう。特にキリスト教系の学校では、バザーやボランティア活動に力を入れているところが多いようです。バザーでは親の手作り作品のノルマがあったり、文化祭では飲食コーナーの手伝いがあったり。確認しておきたいのは、お手伝いの内容だけでなく、活動がいつ行われるかということと、活動の頻度。最近は共働きの家庭も多いので、土日に活動するところが増えているそうです。

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