みんなが憧れている、有名中高一貫校。そこでは一体どんな学校生活がくり広げられているのでしょうか?今回は、有名中高一貫校を卒業し、各分野で活躍をしている9名の方にインタビュー。中高時代の思い出、そしてその経験が今の自分にどう活きているのかを語っていただきました。
取材・文/國天俊治、二本木昭、船木麻里 写真/石井和広、東京フォト工芸(桑原克典、松谷祐増)  イラスト/フジモト・ヒデト

中高の6年間は人生の基礎になる

中高時代の6年間は、「まるでスポンジのような時期」と表現されることがよくあります。感受性が豊かで、いろいろなことをすぐに吸収できる……。この時期に、どんなことに影響を受け、どんな経験を積むかは、その後の人生の土台作りであると言えるでしょう。

今回の特集は、そんな6年間を有名中高一貫校で過ごし、現在さまざまな分野で活躍している方に、「私が○○生だった頃――」というインタビューを実施。

「おもしろかった授業、大変だったテストは?」「文化祭や運動会では何をした?」「どんな友達や先生がいた?」などの質問に対し、各々の出身校らしさを踏まえたエピソードを語っていただきました。出身者のリアルな視点による「母校ってこんな学校」という一問一答も、中学受験を目指す親子にとって、参考になるのではないでしょうか。

そして、今回の特集で、一番皆さんに読んでもらいたいのが「中高時代の経験が、今の仕事や活動に、どう活きているのか?」というお話です。特に、毎回のテスト結果に一喜一憂し、何のための中学受験なのかがわからなくなっている親子にとっては、「中学受験はゴールではなく、スタートである」ということを、改めて心に刻むきっかけになるのではないでしょうか。

ぜひ親子で、中学受験について語り合いながら読んでみてください。

私が筑駒生だった頃――

医師、サイエンスCGクリエーター
瀬尾 拡史

東京大学医学部医学科卒業。現在、東京大学医学部附属病院研修医。日本に類を見ない、サイエンスに特化した3DCG作品の制作ブランド「SCIEMENT」を設立。

才能の原点は母校の仲間と先生

レポートの書き方は
自分で学ぶ

中1のときに書いたレポート「農書と農具の関係」(右)と、「尾叉体長と耳石」(左)。書き方の指導は一切なく、ゼロから自分で考えなければならない。

米有名科学雑誌からも
注目される存在に

研修医をしながら意欲的に作品制作も続行。今年1月『細胞の世界3D Short Version』が、科学雑誌「Scientific American」のHPに掲載され、注目度は高まる一方だ。

筑駒の後輩達に進路講演会も

高1を対象に「やってみなくちゃ、わからない~とある筑駒52期生が社会人になるまで~」という進路講演会を開催。2時間半の講演に、参加者は皆、真剣に耳を傾けていた。

東京大学医学部附属病院で研修医をしながら、医療・医学の専門知識を、コンピュータ・グラフィックス(CG)で表現する、サイエンスCGクリエーターとしても活躍する瀬尾拡史氏。2009年、第1号の裁判員裁判では、被害者の司法解剖結果を説明する3DCGを提供。その功績により東京大学総長賞・総長大賞を受賞しました。

「日本ではなじみがないかと思いますが、アメリカやカナダではメディカル・イラストレーションといった名称で知られる分野で、専門家の需要も高いです。一般に理解しにくい理系の世界の話を、CGで楽しく伝えて、もっと多くの人に身近に感じてほしいという思いもあります」

瀬尾氏は、子どもの頃から根っからの理科好き。筑波大学附属駒場中学校への入学を決めたのも、文化祭での理科の展示に感銘を受けたからでした。

「とにかくハイレベルでおもしろかったです。入学後も、”スゴい奴らが集まってくる学校だな”と思いました。中高6年間で5回も数学オリンピックに出て、日本最多出場記録となった同級生とか。彼は、中1のときに、高3の先輩に東大の数学の過去問を解説していました(笑)。それから、マンホールの種類と数をフィールドワークしている生徒も。筑駒は、教育実習の先生も多数受け入れていましたが、実習生より学力の高い生徒も多く、やりづらいだろうと思っていました(笑)」

中学時代、パーソナル・コンピュータ研究部に所属したという瀬尾氏。

「パソコンソフトをプログラミングする、マシン言語の習得に取り組んでいました。部は高校で辞めましたが、その後は文化祭のクラスCMや、中夜祭で使う映像を作ったりと、活動を継続。筑駒がSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されたとき、先生から”SSH指定校の会合で流す、学校紹介VTRを作って”と依頼されたこともありました。筑駒というスゴい奴らが集まるところで、自分も認められたと感じ、自信になりました」 授業の質の高さも、筑駒の魅力。

「大学でやっているような授業でした。漢文の先生はいつも袴を履いていて、返り点のない白文を読ませていました。古文を習ったときは、友達と”ゆゆし”や”をかし”といった古語を日常生活で使うという遊びも流行りましたね」

中でも高2の生物の授業は、瀬尾氏に大きな影響を与えました。

「人間の免疫機構についての授業で、NHK『驚異の小宇宙 人体』という番組を観ました。これは、人体についてCGを用いて視覚的に訴える番組で、とても衝撃を受けました。自分も作ってみたい。その実現のためには、医学の知識も必要だと考え、医学部を志したというわけです」

筑駒の先生方は、豊富な専門知識で生徒から深く尊敬されているそうです。

「中学時代はCGソフトを自作していましたが、それを聞きつけた技術科の先生が、20万円近くするような映像編集ソフトを提供してくれました。また、文化祭で映像を流したいと言ったら、最新のプラズマテレビを、3台も用意してくれたことがあります。このように、生徒の本気に応えてくれる先生がいるからこそ、筑駒生の個性は6年間でより一層輝くのでしょう」

瀬尾氏に聞く!
筑駒ってこんな学校

Q1.母校をひと言で表すと?

「自由・闊達」ですね。制服も校則もありませんし。なぜか「ガムを噛んではいけない」というルールだけはあったと思います。また、学校側が生徒に受験勉強をするよう働きかけることもなく、テストの順位も発表されませんでした。

Q2.母校に向いているのはどんなタイプ?

好奇心旺盛で、勉強以外にもいろいろなことに興味が持てる子。その好奇心に、大学教授に勝るとも劣らない豊富な専門知識を備えた先生方が応えてくれ、さらに生徒の資質を伸ばしていける環境を整えてくれます。

Q3.他校とは違う母校の魅力は?

田んぼがあるところ。京王井の頭線の窓からも見える、あの水田です。中1と高1のときに稲を植え、米作りをする実習があります。もともと東京農業教育専門学校という農学校の附属中学として設立された学校なので、その名残です

Q4.母校の同級生の進路は?

医師や弁護士のほか研究者も多く、あと10年もすれば研究成果で有名になる人も出てくるのでは。最近ではゴールドマン・サックスなど外資系コンサルティング企業へ就職する人も増えていて、ニューヨーク勤務の同級生もいます。

Q5.母校を目指す小学生にひと言!

生徒一人ひとりの個性を尊重してくれる学校です。一見、変なことに熱中している生徒でも、先生も生徒同士も、それをおもしろがって、お互いに尊敬しあう校風が魅力。何か夢中になれるものを見つけて、成長できる学校だと思いますよ。

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