クイズ感覚で親も中学入試問題に挑戦!
「わかるオモシロさ」「解ける喜び」を再発見してください。 

次の文章を読んで後の問いに答えなさい。

制限時間 5分 難易度★★★★
海城中学校(平成26 年度 一部改)

    動脈と静脈は体のどこを通っているでしょうか? それぞれの位置関係を考えてみてください。

意外と知らない、自分の体のこと知る楽しさを実感しよう

サク実 

今回の問題は本当にまいりましたわ。問題文を読んでも、状況がなかなかつかめなくて……。

先生

まず、状況を整理してみましょう。心臓が送り出す血液が流れる血管はどちらですか?

サク実 

動脈ですわね。

先生

そうですね。心臓から指先の方へ向かって流れるのが動脈。

サク実 

逆に、心臓に戻ってくる血液が流れるのが静脈でしたわね。

先生

はい。ですから心臓と指先の間を血液が行き来している、その途中を縛るわけです。(i)のようにきつく縛ったとき、その縛った地点を境にして、「心臓側の動脈は膨れる」。つまり、心臓から指先の方に流れていこうとしている血液がそこで溜まってしまったんですね。

サク実 

でも、その「反対側」の動脈は膨れなかった。反対側というのは、縛ったところを境にして、指先に近い側ですわよね?

先生

はい。その結果から、動脈を流れる血液は、心臓側から指先側に向かっていることがわかったわけです。

サク実 

(ⅱ)では、縛ったところを境にして、静脈の指先に近い側が膨れて、心臓に近い側は膨れない。これも、血液の流れが指先側から心臓側に向かっているからですわね。

先生

そうです。縛ったところでその流れがとまってしまったのです。もし、かつて考えられていたように、血液が循環していなくて、静脈を通して全身に配られ、消費されているのだとしたら、血液の流れは一方向ですから、どんな縛り方をしても、膨らむのは心臓側だけのはずですよね。これによって、ハーヴェイは血液が循環していると確信したわけです。

サク実 

状況はわかりました。でも、問われているのは、縛り方によって結果が異なる理由ですわよね。きつく縛るか、ゆるく縛るかで何が変わるんですの?

先生

そこで、体の中の動脈と静脈の位置関係を思い出しましょう。

サク実 

位置関係ですか?

先生

動脈と静脈とでは、より体の深いところにある方、つまり、骨などに近い方にあるのはどちらでしょうか?

サク実 

確か動脈でしたわよね。

先生

そうです。逆に、静脈は皮膚に近い方を通っています。そのことを踏まえて、考えてみてください。

サク実 

わかりましたわ。ゆるく縛った場合は、体の深いところにある動脈は影響を受けないのですね。だから、静脈の方の血液の流れ方だけがわかる。

先生

その通りです。模範解答としては、「動脈は腕の深いところを通っているが、静脈は表面に近いところを通っているため」となります。

サク実 

ハーヴェイの実験については、学校などで習うのでしょうか?

先生

いいえ。子どもたちには、動脈は体内の深いところを通り、静脈は浅いところを通っているということは知識としてありますが、この実験はほとんどの子が見たことがないはずなので、戸惑う子も多いと思います。

サク実 

でも、私たちの体のことですから、理解しておきたいものですわね。

先生

自分の体がどうなっているのか、大人でも意外とわかっていないですよね。でも、こうした身近な話は子どもの興味を引きやすいですから、勉強を通して知らないことを知る楽しさを実感してもらいたいと思います。

サク実 

大事なことですわね。

先生

ちなみに、なぜ動脈の方が体の深いところにあるのかご存じですか?

サク実 

どうしてなんですの?

先生

先生 動脈は、心臓から血液を全身に送り出します。これは人間の体に必要な酸素や栄養素を運ぶためです。とても大切な役割を担っているので、ケガなどで傷ついたりする危険を避けるために、より皮膚から遠いところにあるのです。一方、静脈は酸素や栄養素を届けた後の血液を心臓に戻す役割です。

サク実 

大事なものが内側というのは覚えやすいですわね。

(i)の実験で、縛ったところを境にして心臓側の動脈は膨れるが、反対側の動脈は膨れなかったので、動脈の血液は心臓側から指先の方へ向かって流れていると推測されます。(ii)の実験では、縛ったところを境にして心臓側の静脈は膨れないが、反対側の静脈が膨れたので、静脈の血液が指先側から心臓の方へ流れていると推測されます。このような結果が出たのは、動脈は体内の深いところを通り、静脈は浅いところを通っているからです。
A.(例)動脈は腕の深いところ を通っているが、静脈は表面に 近いところを通っているため。

夏休みの宿題はどのくらい残っていますか?効率良く進めるためには、時間を決めて、集中し て取り組むことです。

上田 桂一朗先生
四谷大塚センター南校舎専任講師。趣味はピアノを弾くこととパスタ料理をつくること。

この「血液循環説」は、後に「血圧」という概念の発見につながるそうです。歴史的な流れもとても興味深いですわね。

真堅カチ恵さん
何ごともキッチリ、カッチリ進める教育お母さん。子どもは中2と小6の兄弟。

取材・文/西田知子 写真/石井和広、山本倫子 イラスト/曽根愛

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